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十日日記


2003-05-02

Link 三国同盟

少し前の『朝日新聞』の夕刊に、「三国同盟」と題された短いコラムが載っていた。

女性の出生率が低下して少子化が進むのは先進国共通の悩みだ。ところがその内訳を見ると、第2次世界大戦で連合国だった米(2.13)、英(1.65)、仏(1.89)や中立国のスウェーデン(1.54)は高く、枢軸国の日(1.33)、独(1.36)、伊(1.23)が低い。

もう少し広範なデータが必要ならば、鈴木賢志さんのWebサイトから「合計特殊出生率のOECDランキング(2002年)」をあたるとよい。これを見ると、OECD 30カ国中18位のスウェーデンを高いとする記事には疑問の余地があるが、日独伊の特殊出生率が低いのは疑いない。

この記事を読んだときに、かつて履修していた教育社会学の講義資料を思い出した。The OECD Programme for International Student Assesmment(OECD生徒の学習到達度調査:略称PISA)2000年版の結果の中に、読解力テストがある(文部科学省のページからたどれる日本語問題例の読解力テスト問2。)無答というのは白紙答案ということで、日本の生徒は一般に記述式問題での無答率が高い。

                        正答    誤答    無答
----------------------------------------------
 日本                   42.2    29.0    28.8
 オーストラリア         45.0    49.4     5.6
 カナダ                 52.2    43.0     4.8
 フィンランド           57.8    33.8     8.5
 フランス               64.5    26.4     9.1
 ドイツ                 50.1    32.3    17.6
 アイルランド           59.7    35.4     4.9
 イタリア               52.5    34.3    13.3
 韓国                   60.2    33.4     6.4
 ニュージーランド       49.8    44.3     5.9
 イギリス               51.6    41.7     6.8
 アメリカ               45.5    50.1     4.4
----------------------------------------------
 OECD平均               53.4    36.3    10.2

この結果を見たある学生が、第2次世界大戦での敗戦国に無答率が高いのには理由があるのか、と質問していた。質問に対する教官の回答は「わからない」というもので、私自身は気にも留めなかったのだが、質問した学生の頭には特殊出生率のデータがあったのかもしれない。

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2003-05-07

Link ACアダプター、修理体制、ThinkPad T40

ACアダプターを棚の上などに置いておいているときに、箱の部分が床に落ちてしまうことはないだろうか。机の下にもぐってACアダプターを拾い上げるのを繰り返していると悲しくなってくる。ズレ落ち防止のためには、CPU固定ブロックの白い部分を棚に貼り、黒いマジックテープの部分をACアダプターに貼るとよい。マジックテープは単体でも販売されている。

ノートパソコンを持ち込む仕事場が複数ある人は、その場所ごとにACアダプターを置いておくと便利だ。気がついてみれば当たり前のようだが、私はなかなか気がつかなかった。このような事情とACアダプターの平均寿命とを考えて、何台かまとめて予備を買っておくことにしている。

そのACアダプター(日立:PC-AP5800)が故障した。パソコンとの接続部分に近いところで断線したようだ。この2年で2台壊れたため、予備在庫が尽きた。立川のビックカメラで2つ注文する。ビック価格で7280円×2。標準価格は7000円なので、ビックカメラはポイント還元で損を出さないためか定価より高く販売している。

予備を在庫しておきたいと思う部品はACアダプターにかぎらない。「自分で直すThinkPad s30」によれば、IBMの製品は一般利用者が保守部品を購入できるという。他社製品ではこうはいかないから、やむをえず私は同じ製品を2台買って片方を予備機としている。

つい先日、予備機の出番がまわってきた。ACアダプターにつづいてキーボードも一部のキーが反応しなくなったため、予備機とキーボード部品を交換する。そして予備機を修理に出せば、メインとなる機械は途切れることなく使うことができる。ただし技術料15,000円が部品代に上乗せされる点がもったいない。ノートパソコンはIBM製品を選ぶのが、結局は割安なのか。

IBMといえば、ACアダプターを受け取りにいったときに新製品ThinkPad T40が陳列してあるのを見かけ、しばらく触ってみた。噂されていたキーボードの質は平凡な出来だと思う。600はおろか最近感激したT30にも及ばず、R31に似た感触がある。T40がT30より5万円以上安いことを考えると、コストダウンのしわ寄せがキーボードに及んだのだろう。

Tags: PC

2003-05-14

Link 安物万年筆に落ちつく

4月から試みていた水性ボールペンの使用を中止する。書き味が悪かったからではない。ラミーのティポALで気分よく書けていた。猛烈な調子で書き散らすために、2週間でインクを切らしてしまう。その替芯代(600円)の負担に財布が耐えられなかった。

油性ボールペンに戻そうかと思って1日だけそうしたのだが、水性ボールペンの黒々とした発色と比較すると油性ボールペンの黒は薄く、疲れ目にはこたえる。ゲルインクのペンを買ってきて試してみたが、いまになってもカスレは改善されていないようだ。運用費を安上がりにすませ、なおかつほどよい書き味を求めるとなると、選択肢は安物万年筆くらいしか残らない。

そんなわけで、立川・伊勢丹の丸善に行ってラミーのサファリを買ってきた。サファリはもともと児童・生徒用の万年筆だから、高くないし扱いやすい。私が買ったのは黄色い軸で、いかにも安物っぽくて気に入った。ペン先はFにした。主にノートへの筆記を考えているからだ。

実際の使用感はわりとよい。サファリの高級バージョン「アルスター」よりもひとまわり細く軽いので、書き付けるといった類の筆記に向いている。白状すれば、アルスターよりも気に入ってしまった。文字の太さはFにしては太いから、小さい文字を書く人にはEFのほうがいいかもしれぬ。

難点はインクに尽きる。乾きが遅い。黒色が少し薄い。耐水性もない。コンバーターが使えるから他社インクを使う手もあるが、手軽さをとってカートリッジでいく予定だ。とまれ、これで文具遍歴もひとまず終息した。

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2003-05-17

Link 半分の幅のTypeWriter体

LaTeXでverbatim環境などに用いられるTypeWriter体(CMTT)は好みの書体だ。私は平生サンセリフの標準書体はCMSSをHelveticaに置き換えるが、CMTTはCourieにせず、そのまま使用している。このCMTTは名前のとおり等幅の書体だが、幅は全角文字の半分ではない。そのためプログラム例を載せるときなどに日本語のコメントがずれてしまうという不満をどこかで読んだことがある。

画像の説明ひとつの解決策としては、日本語の文字間隔を広げるというものがある。逆に、CMTTの文字幅を狭めることもできる。min10の幅が0.962216だから、cmtt10の幅を半分の0.481108(従来は0.524996)にすればよい。そのようにした例を以下に掲げる。日本語の下にあるのが標準のCMTTで、上にあるのが横幅を0.915648倍したCMTTだ。違和感はあるだろうか。

注意としては、奥村先生のjsクラスファイルなどでは和文がさらに0.961倍に縮小されているから、CMTTの幅もそれに合わせて縮めておくことだ。cmttja、cmttjsの2系統のVirtual Fontを用意しておくとよい。こんどの長期休暇にでも作ろうか。

Tags: PC

2003-05-22

Link Virtual Fontの応用

何年も前から、洋書の数式組版で惚れ惚れするような上質のものを見かけないのを不思議に思っていた。しかし一昨日になってTeX作成の由来を思い出し、質が悪くなったからこそクヌース先生はTeXの作成を余儀なくされたという歴史を考えれば不思議がる必要のないことに気がついた。

ただし、中にはわりと美しいものもある。たとえばBellman『Introduction to Matrix Analysis』(1970, SIAM)は活字組できれいだ。この本の数式フォントは、クヌースのComputer Modern(CM)とよく似ている。積分記号や偏微分記号はそっくりだ。事実は逆で、Computer Modernが60年代までの数学書の雰囲気に似せてあるのだろう。

画像の説明

CMフォントは、寸法によってデザインが異なる。大まかにいうと寸法が小さくなるほど幅広になっていて、文字の潰れを回避しようとしている。TeXで組まれた添え字がわりと読みやすいのはこのためだ。

画像の説明

ところで『Digital Typography』を読み返しておもしろかったのは、『AMS Transaction』の数式組版の変遷のなかでクヌース先生自身が「the most pleasing appearance」だと述べている1922年版の本文書体がオールドフェイスであることだった。しかしオールドフェイスのイタリック体は細長いものが多いため、数式組はいまいちだ。結局、本文をとるか数式をとるかの問題になる。

画像の説明このどちらをもとろうとしたのが『Concrete Mathematics』で、本文にはCCRが、数式にはEulerが使われた。Eulerは美しい書体だとは思うが、あまりに独創的なためか他の書籍で見かけたことはない。このほかSpringer-VerlagのTeX組の書籍の中には、数式はComputer Modernのままで本文をGaramond #3やTimes Romanとしたものがある。本文組と数式組とでフォントを完全に分けてしまう行為が許されるものなのかどうかは不明だが、以上のような実例は存在する。

さて、このEuler書体にふさわしい欧文本文書体を探してみたのだけれど、なかなかに難しい。たとえばPalatino Lightは同じZapf氏の作だから似合うといえば似合うのだが、Eulerはイタリックではなく直立なのでインライン数式が埋没してしまう。Sabonなんて何にでも合いそうだと思っているのだが、フォントの入ったCD-ROMが見あたらない。

意図せざる方向へ話が流れてしまった。当初書くつもりだったのは、TX FontsなどComputer Modern以外の書体では添え字が細長くて見づらくなっているところを、Virtual Fontを使って文字幅に変化をつけることで読みやすくできるのではないか、ということ。こちらもいつか実験してみたいけれど、そうとう時間がかかりそうだ。

Tags: PC

2003-05-23

Link Pre-Modernizing Computer Modern Fonts

『TUGBoat』第22巻(2001年)にあるAlan Hoenig「Modernizing Computer Modern Fonts(PDF)」という記事を読む。著者はMonotype ModernとComputer Modernとを組み合わせるべくフォントを作成しているのだが、CMMI(数式イタリック)にはほとんど手をつけていない。CMTI(テキストイタリック)とはパラメーターが違うそうで、『Computer Modern Typefaces』を見ると本当にそうだった。

電算写植で使われているCentury Old Style風の数式をLaTeXでも使いたいという声は奥村先生のTeX Q and Aでも何度か挙がっている。しかしこれを完全に実現するのは難しい。Hoenig氏にならって、CMMIには手をつけずCMR 10相当の部分だけCentury Old Styleに変えて一定の効果を狙うほうが賢いのではないか。mathinstのPerlスクリプトを読んだりした努力は、どちらかというと無駄だった。

Century Old Styleは代表的なフォントなので、Adobe/LinotypeやらMonotypeやらBitstreamやら、さまざまなメーカーから販売されている。この中でCMMIと合わせて違和感のない本文書体といったら断然Monotypeだった。MonotypeのCentury Old Style MTは他社のものよりウェイトが少しだけ細く、Computer Modernによく合っている。Computer ModernがMonotype Modern 8Aの再解釈品であることが背景にあるのかもしれない。また、Monotype版にはBold Italicが存在する点も評価できる。(Linotype版にはBold Italicが存在しない。)

fontinstでいいかげんにtfm、vfファイルなどを作成する。fontinstで作ると若干詰まり気味になる気がするのだが、面倒だし欧文を組むわけではないからおいておく。テキスト組に問題が起こることはないと思うので、課題である数式組を見てみよう。

  • 数式組サンプル1(Computer Modern Roman使用。PDFファイル)
  • 数式組サンプル2(Monotype版Century Old Style使用。PDFファイル)

サンプル1のほうもド標準ではなく小細工をしているので比較の方法としてはあまりよくない。ただ、CMR 10の部分をCentury Old Styleにしてもそれほど強い違和感は感じられないと私は思う。

問題もある。たとえば、\sin^5 \theta \cos^7 \thetaの指数の部分がそろっていない。実はCMRでもそろっていないのだが、差はたかだか2ptでしかない。Monotype Century Oldだと5〜6ptの差になっている。\sinと\cosは積のかたちで出てくることが多いから、指数のがたつきは抑えたい。\vphantomを使わないで解決できればいいのだが……。

追記。がたつく原因は箱の高さの不揃いにある。だからTFMファイル(正確にはVPLファイル)に記述するiの高さをx-heightに一致させておけば高さは完全にそろう。けれども、そうしたときの副作用が予想できない。mathptm.styを参考にmath operatorとしてのCentury Old Styleは別フォント扱いにすることでしのぐ。

追記030601。iの高さをx-heightに一致させる「副作用」はわりと容易に見つかった。\frac{\cos x}{\sin x}のように\sinが分母にくると、iのドットが分数線にぶつかってしまう。

Tags: PC

2003-05-24

Link 最近よく食べる魚

2週間ほど前、とある人の紹介で御徒町のかっぱ寿司という寿司屋に行った。同名の回転寿司チェーンもあるが、ここはカウンターの店だ。御徒町には寿司屋が十軒以上あり、過当競争気味である。かっぱ寿司は昼間は半額で、下手な回転寿司よりも安い。

魚は好きなのでよく食べる。中でも近ごろ毎日いただいているのは鰹と鰯だ。鰹のほうは、近所のスーパーで「鰹のしぐれ煮」というのが98円/100gで出ていて、それを買っている。シーチキンみたいな感じだが、水飴で煮ているところが特徴だろうか。ご飯の上にかけてもいいし、サラダに混ぜてもいい。現在、「何はなくとも」状態である。そういえば、三木のり平さんの師匠が「どなたになにを」の作曲家・三木鶏郎さんなのだそうだ。なお、「しぐれ煮」の「しぐれ」の由来がわからない。

いっぽうの鰯は銚子港で陸揚げされたものを、これまた近所のスーパーで買ってきて食べている。鰯自体はそれほど好きなわけではないが、骨ごといただけるのが嬉しい。牛乳を飲む習慣がないから(コーヒーミルクとして牛乳を使ってはいるが、冬場でもないかぎり単独では飲まない)、貴重なカルシウム源だ。

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2003-05-25

Link 大阪方言のbとm

赤ん坊が最初に覚える音が母音だというのは、しごく納得できる話だろう。つぎに覚えるのは最も子音らしい子音のmやb音だという。「まんま」とか「ばぶー」とか。

大阪方言では、このb音とm音とが変化していることがある。たとえば「うつぶせ」を「うつむせ」といったりする。落語の「千両みかん」を聞いていて「ああ急にお腹がすいた、まむし十ほど言うてくれ」という若旦那の発言が出てきたとき「まむし」とは何かと思ったのだが、鰻の「ひつまぶし」のことだそうだ。また「腓(こむら)」のことを「こぶら」と言うこともある。そこから腓返りをコブラ返りだとする勘違いも生じたのだろう。

ところで、bとmとがごっちゃになるのは大阪方言にかぎったことではないのかもしれない。馬車・馬子、美人・美作、無礼・無理、保母・雲母というように、バ行・マ行のどちらでも読める漢字がいくつかある。ただし、むかし日本語にエ段がなかった名残か、メともベとも読めるような漢字はないようだ。

と書いたら、狩野宏樹さんから「米」は「久留米」で「め」と読めるとご指摘いただいた。この「め」は「まい」の二重母音が変化したものではないかと思われる。

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2003-05-26

Link 「覚える」と「学ぶ」

名前を忘れたけれど教職の授業で連想したこと。教官は、「学ぶ」という単語は日本語ではそう身近には言えない。「What did you learn today?」は「きょう何を学んだの?」とはできず、「習ったの」というのがふつうだ――といった話。尻切れトンボで終わったので、その教官が言いたかった内容はよくわからない。

それはともかく単語に格式があるのは事実で、「学ぶ」はどちらかというと格式のある単語だ。それで連想したのは、人名になるような名詞・動詞は格式ある単語なのではなかろうかということ。「駿河まなぶ」が「駿河ならう」ではおかしい。同様に、「浜崎あゆみ」はあっても「浜崎あるき」はないだろう。

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渡辺 慎太郎(na@10days.org)

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