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十日日記


2005-01-20

Link 両極端の英語本

英文法にまつわる新書の類は見つけしだい手にとるようにしているのだが、とくに記載するようなものはなかった。現時点では、Greenbaum and Quirk『A Student's Grammar of the English Language』(Longman, 1990年)、デクラーク『現代英文法総論』(開拓社、1994年)、安井稔『英文法総覧』(開拓社、1996年)の3冊で満足している。ところが近ごろ出来・不出来が両極端な新書2冊を読んだので、あわせて紹介することとしたい。

「英文法」を疑う まずは不出来なほうから。松井力也『「英文法」を疑う』(講談社現代新書、1999年)。内容は、言語と文化とを結びつけたありがちな雑文である。ちょっと笑ったのはデカルトの名文句をして「英語的」と述べているところで、いったいデカルトは何人なのだろうか。(当然ながら原語はラテン語である。)俗流文化論に頼らずとも、古英語や中英語を読むとかドイツ語・オランダ語に触れるとか、時間的・空間的な広がりをもって英語を眺めれば、言語のことを言語の中で説明できると思うのだが。まあ、岩谷宏を尊敬するような人だから仕方がないか。

英語の歴史 次に傑作なのが、中尾俊夫『英語の歴史』(講談社現代新書、1989年)。英語の歴史をコンパクトにまとめており、水準を落としたところもない。巻末の索引もしっかりしている。この書籍はぜひお薦めしたい。

ラウスの文法書右の画像はp.13にあったラウスの英文法書(1762)だ。同書のp.70以降にある「学校文法の誕生」に詳しいけれども、18世紀は文法改革期である。もちろん、文法の規範となったのはラテン語だ。未来表現を時制の部分に持ってきている点を見れば明らかだろう。

おもしろかったのは、「It is me.」という表現を遡っていくと「It is I.」→「It am I.」(中英語)→「I it am.」(古英語)のような語順の変遷を遂げるところだ。この場合ItとIとは同格なのだから主格を用いなければならない――と説明するのが普通である。ところが現代正しいとされる「It is I.」もまた、本来は補語であるitを主語だと誤解した結果生まれた表現なのだ。そのほか小ネタとしては、nearがもともと比較級で、その最上級がnextであるのも新鮮な驚きだった。

残念だったのは、時制の一致についての歴史を見ることがまたしてもできなかったこと。だいたい時制の一致が意識されるのはラテン系の言語で、英語の場合には限定的にしか適用されないキワモノ的な規則である。それをGreenbaum and Quirk(1990)が「backshift」と一語で表わしたのを読んだときには感嘆した。この規則がはたして18世紀生まれのものなのか、以前から気になっている。

同書を読んだ副作用で、またOEDがほしくなってしまった。今回はODEを収録したXD-H9200が処分価格で出ているのを見かけたので、それを購入して我慢することとした。

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Link toms skor rea (2015-07-03 12:02)

Tom Cotton graduated from Harvard Law School in June 2002, clerked for Judge Jerry Smith of the 5th Circuit Court of Appeals and then worked a year as a lawyer at a Houston law firm to pay off his student loans. Army in Houston on Jan. 11, 2005, and deployed to Iraq in May 2006 as a platoon leader with the 101st Airborne Division.

Link Aly Chiman (2018-07-26 21:16)

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