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十日日記


2005-02-10

Link LargeとCapital

改めてホームズを読んで思うに、ビクトリア朝末期のロンドンはオタクの巣窟のような観がある。ホームズやワトソン自体が一種のオタクだし、依頼者や登場人物の中にもオタクを見かける。

さて、『シャーロック・ホームズの冒険』は「ボヘミアの醜聞」で幕を切る。差出人不明の手紙を前にしてホームズが書き主を推測するくだりで、次のようなセリフが出てくる。(なお、ホームズ全作品を1冊にまとめたThe Complete Sherlock Holmesが数社から出ている。私の手元にあるのはペンギン文庫版で、A5判で1122ページに収まっている。)

"It is not an English paper at all. Hold it up to the light."
I did so, and saw a large "E" with a small "g," a "P," and a large "G" with a small "t" woven into the texture of the paper.

新潮文庫の訳は以下の通りだ。

「これはね、イギリス製の紙じゃないんだぜ。あかりに透かしてみたまえ」
いわれたとおりにしてみると、小文字のgを添えた大文字のE、次に大文字のP、それから小文字のtを添えた大文字のGが透かしにはいっていた。

中学校・高校のころには、数学の時間で「A」は「ラージA」と読んでいた。しかし書籍や大学の講義などでは、「A」をそう呼ぶのは誤りで「Capital A」(簡単にはキャップA)と呼ぶものと習った。では、上の例は誤訳か、それとも当時そう呼んでいたのが伝わってきたのだろうか。

ホームズ私自身は、大文字は当時でもCapitalだったのではないかと思っている。Pについてはlargeともsmallとも言っていないところを見ると、「Eg」や「Gt」で塊になっているのを表現したのではないだろうか。字引を数冊引いてみても、largeで大文字を示しているような例が見当たらない。訳し直すなら、「大きなEのそばに小さくgと添えてあり……」という具合になろうか。

ところがグラナダTV版のそれを見ると、ワトソンに「large "E," small "g," large "P," and "G" with a small "t"」と言わせており、絵の中ではgもt小さくはない。(gなどはEと同じ大きさになっている。)小文字自体はsmall letterと呼ぶから「大きなEと小文字のg」なのかもしれないが、先の確信は揺らぐ。結論としてはよくわからないので、そのままここに記した次第である。

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