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十日日記


2005-08-20

Link 養老孟司を読む

ブックオフで養老孟司『まともな人』(中公新書、2003年)が百円コーナーに出ていたので、退屈しのぎに買う。2003年といえば『バカの壁』がそれこそバカみたいに売れた年らしく、『まともな人』は柳の下のドジョウを狙ったものなのだろう。中身は連載エッセイの収録で、およそ新書で出すような書籍ではない。

養老先生の本は、単著でも何冊か読んできた。ちくま文庫に収められている初期作品『ヒトの見方』『脳の見方』あたりは、わりとおもしろいく読める。ちなみに「バカの壁」という言葉は、『脳の見方』の中に「馬鹿の壁」として出てくる。この人の気質からして同じことを言っているのだろうと思われるので、『バカの壁』は読む気がしない。

『唯脳論』(ちくま学芸文庫)でハッとしたのは出だしで、「心と脳」を「機能と構造」として描いている。同書での著者の主張を思い出しつつ書くと、(1)人工物は脳の機能を延長したものである。都市はその代表的な例だ。(2)知覚や意識は脳の機能で、それに対応する構造が脳に存在する。我々は脳の構造に従って物事を認識する。(3)脳にとっての禁忌は脳の身体性である――といったところだろうか。

ことの真偽は私にはわからない。ただし疑義はある。たとえば著者は(1)に従って数学も脳の産物だと説く。さらに(2)の線で、比例・相似が視覚(網膜)の構造に存在していること、それどころか直線という概念も脳(神経系)の中に構造として存在していることをいう。数学の基本的な発明は実は脳の中の何かを発見していることになる。その一方で、視覚は座標を利用していないともいう。では、座標は脳のどこに根ざしているのだろうか。

(3)を読むときに思い出したのは、むかし『パペポTV』で上岡龍太郎が父のセリフとして述べていた「脳も肉体の一部やなあ。体が動かんようになったら、頭まで動かんようになった」という話だ。脳は筋肉ではないから、これまたどれだけ本当なのかはわからない。

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渡辺 慎太郎(na@10days.org)

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