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十日日記


2006-07-03

Link 東京日和

用事があるていど溜まると、東京に出て一括対処することにしている。この週末は東京で過ごし、数時間前に帰阪したところだ。

以前は楽天トラベルを使ってホテル予約を行なっていたのだが、いまはJR東海ツアーズの「いざ出張」という個人用プランを利用している。新幹線(ひかり)往復にホテル1泊がついて24,200円と破格で、東海道新幹線の儲けぶりがよくわかる。飛行機との競争圧力にさらされる山陽新幹線(ひかりレールスターは実に快適だ)とくらべると、東海道新幹線の質は1ランク落ちる。

「いざ出張」プランではホテルが選べる。私は東京グリーンホテル御茶ノ水を利用させてもらった。慣れていることからの安心感か、どうしても中央線沿線を選択してしまう。このホテルは御茶ノ水から聖橋を渡らずに秋葉原に向かって歩き、昌平橋のある大通りで右に折れたところにある。通りの名前を失念したが、白泉社のある通りだ。ホテルはアホみたいに空いていて、ダブルの角部屋を用意してくれた。

土曜日にあちこち回ったせいか疲れてしまい、日曜はまかまかさんとの会合をキャンセルさせてもらう。このまえお世話になったのだが、礼をするつもりが非礼になってしまった。桐山食品のノシスルメを贈っておいたのが、せめてもの救いだった。私が人に物を贈るときには、岸本柳蔵商店(鞍馬)の佃煮か桐山食品(深草)のスルメにしている。どちらもおいしくてお奨め。

ホテルを出たあと、昨日の打ち合わせに関係した資料探しのために新宿南口の紀伊國屋書店に行く。FreeBSDのサーバーを管理することになったので、Linuxしか知らない人間のための書籍を探してみた。見たところ『システム管理 現場の鉄則』(技術評論社、2002年)がよさそうだ。あとは『Absolute BSD』(毎日コミュニケーションズ、2004年)も悪くなさそうだったが、重たいのでAmazonに回す。もうひとつ『酒とつまみ』という雑誌を探していたのだが、見つけられなかった。あとで調べたら模索社に置いてあるという。迂闊だった。

代々木の事務所に行くと、T.フリードマン『フラット化する世界』(日本経済新聞社、2006年)の下巻が置いてあったので、とりあえず読む。貿易自由化は総合的には富をもたらすが、国内の所得移転をも引き起こす。先進国においては、非熟練労働者は途上国に仕事を奪われるため賃金が下落する。ところが情報通信技術の革新によって熟練/非熟練の境目が変わり、多くの仕事が「非熟練」でもこなせるようになった。そのため、先進国の労働者の多数は途上国の労働者との競争を強いられる――というのが、勝手に想像した上巻の内容だ。(ぜんぜん違ったりして。)で、下巻では処方箋が触れられているのだが、効果のほどはどうだろう。「思いやりのあるフラット主義」というのには笑った。ブッシュ政権への皮肉を込めたジョークだと思いたい。

ときどき東京に出向くと、自らの町の文化水準の低さを痛感する。映画館は期待しないから、まともな本屋が近くにあればよいのだが……。

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2006-07-06

Link 公共交通機関のカード類

東京に出た際、いちいち券売機に並ぶのは面倒なのでSuicaイオカードを買った。通常のイオカードが廃止されたために仕方がなく購入したまでで、外から見て残額がわからない同カードは先払い型カードとして失格だと思う。その点PiTaPaは後払い型でSuicaイオカードの欠点が解消されているし、デポジット制度もない。

PiTaPaの問題は個人的なことで、わりと使う近鉄電車と京阪バスとが対応していない。申し込みに踏み切れていないのは、そのためだ。かわりに使用しているスルッとKANSAIというカードはよくできていて、残額が初乗り運賃に満たなくても自動改札から入場できる。旧イオカードはこの点がダメで、残額が80円や60円のカードが何枚もたまることがあった。

ところで、Suica(JR東)もICOCA(JR西)もPiTaPa(関西私鉄)も基本的にはソニーのFelicaを使用しているので、互換性をもつものが現れてきた。まずSuicaとICOCAのJR同士が互換になり、ICOCAとPiTaPaとの関西圏がそれにつづいた。SuicaとPiTaPaとは現時点では相互利用できないので、いまのところ互換性トップはJR西のICOCAである。

しかし副作用もある。PiTaPaとICOCAとは互換性があるため、同じ定期入れに入れておくと誤動作するという笑えない話になっている。そんなわけで私は、関西私鉄にはスルッとKANSAI、JR東西にはSuicaを使用することにして、1枚の定期入れに2枚のカードを収納している。

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2006-07-08

Link 紙のはなし

アスクルで販売されている底辺級のコピー用紙には2種類ある。ひとつはスーパーエコノミー(白色度87%)、いまひとつはスーパーホワイト(白色度92%)だ。どちらも同じ値段だが、私は前者を薦める。不自然な白さがないし、何より紙送りがスムーズだ。後者ではScanSnapでの連続スキャンで何度も給紙エラーに遭遇したが、前者では同じ被害に遭ったことがない。もっとも、私が自分で使うのはオフィスデポの100%再生紙(白色度70%)である。

コミックマーケットへの出店に当選したので、ミニコミ誌の制作に取りかかっている。これまで表紙には色つきの普通紙を使っていたのだが、見た目に貧相なのは否めない。そこで今回からは、週刊誌で使用されているようなコート紙を採用することにした。コート紙というのは、紙の表面に塗料をぬって滑らかにした紙のことだ。雑誌の表紙の大半がそうなので、思い浮かべやすかろう。

ここで紙について簡単におさらいする。紙の密度を表わすために、ふつう秤量と紙厚とが記されている。たとえば先のスーパーエコノミーは、秤量64g/m^2、紙厚0.09mmだ。もう少し上等な製品だと、同じ厚さでも秤量が70g/m^2から75g/m^2ほどある。密度が増したぶん、コシが強く裏写りしにくくなっている。漫画の中紙などは、紙は厚くても秤量が小さい。

もうひとつ、紙には印刷方式との相性がある。ふたむかし前のワープロで用いられた熱転写プリンターはインクリボンを定着させる必要から、紙はツルツルのほうがよい。表面の凹凸が大きいと、固形インクが接着できないからだ。一方インクジェットプリンタは文字通り液体のインクを吹き付ける方式で、この場合はインクの乾きぐあいがポイントになる。ツルツルの紙は乾燥しにくいようで、キヤノン純正のプロフォトペーパーも手引きには1日乾燥させよとある。

さて、いま自宅で主に使用しているG7570というプリンターには、幸いなことに純正でグロスコート紙(リコービジネスコート グロス100)が用意されている。ところが不幸なことに判型がA4・A3しかなく、B4判は存在しない。市販のインクジェットプリンター用用紙を当たってみても、たしかにA4・A3と比較してB4判は種類が少ないのだ。

ただし、逆転が狙えないわけではない。G7570はジェルジェット方式で、速乾性のある顔料インクを使用している。うまくいけばレーザープリンター用のコート紙が流用できるのではないか――そう目論んで、松本洋紙店MSスーパーコートというコート紙を注文した。きのうテストしたので、その結果を記す。

結論を言うと、片面印刷ではこの紙は問題なく使える。というか、プリンタードライバー側で“専用絹目光沢紙”を選択すると「片面」「高画質」しか選べない。これはインクの乾きを考えれば仕方のないことで、指で擦っても落ちないほどに乾くには数時間を要する。いったん乾いてしまえばゲルインクの面目躍如で、耐水性も耐光性も高い。一部のカラーレーザーにありがちな油っぽさもないので気に入った。ただし粒状感は残る。

Tags: PC

2006-07-10

Link 電波の取り合い

私はテレビを見ない。振り返ってみても、ここ数年ほど家でテレビをつけた記憶がない。もともと目が弱いくせにディスプレイを凝視する仕事をしているものだから、帰宅時には目が疲れていて見る気が起こらない。だいいち見る時間もない。同様にインターネットの動画配信にも興味がなく、最近流行だというYouTubeも何度か目にしただけだ。

そんなわけだから、地上デジタル放送の動向にもまったく興味がなかった。アナアナ変更によるアンテナ交換作業などにかかる費用試算が1800億円で、これを国が負担すると知ったときには驚いた。ただしその興味も一過性のもので、最近まで何の関心ももたなかった。状況を一変させたのは、ミニコミ誌で無線LANのことについて書くために俄勉強している途上で、池田信夫『電波利権』(新潮新書、2006年)に突き当たったからだ。

同書は、規制産業であるテレビ業界が既得権益にしがみつく様子を「電波」を切り口にして描写したものだ。テレビだけで電波のおいしいところを370MHz幅も確保しているのだが、市場原理が機能しないため何の変更もない。そのために最も割を食っているのが携帯電話で、狭い帯域を使わされた上、利用者は毎年500億円の電波使用料を国に対して支払っている。アナアナ変更の財源はそれで、テレビ局の利益のために携帯電話の使用料が当てられているのだ。日本は携帯電話の使用料が高く世界の中では意外と普及していないのだが、使用料が高止まる原因の一端がここにある。(ただし携帯電話業界もまた規制産業である。イー・アクセス社長へのインタビュー記事を参照。)

私はテレビの横長化は無意味だと思っているし、高精細(HDTV)化も無駄だと考えている。地デジについてはアナログ停波は延期されるか、よしんば実施されても救済策が出されると踏んでいるので、ここ10年で購入したテレビはすべて4:3のブラウン管だ。しかしもちろん、高精細で見たい向きに反対することもないので、地デジが経営的に成り立つのであれば問題ない。

ところが皮肉なことに、地上デジタルは実効ビットレートが15Mbps前後のため、ブロックノイズが発生することがあるらしいことを、古川亨ブログで知った。ただし記事にあるのとは異なり、BSデジタル放送のビットレートは下げていないそうだ。

ともあれ同書は一読するに損のない書籍だ。唯一気になったのはpp.128-129のスペクトラム拡散の部分で、ここだけ読むと同技術が無線LANに使われ携帯電話には用いられていないように読めてしまう。しかし実際にはCDMAを使った携帯電話には同技術が使われているので念のため。

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2006-07-13

Link 拙速のシステムバックアップ

Linuxサーバーのディスクに障害が発生した場合、復旧にかかる時間は可能なかぎり短いほうがよい。費用との兼ね合いで最適だと思われるのは、かずひこさんのページで読んだバックアップ法である。今回決めた拙速システムバックアップは、この方式を基本にしている。

まず、/dev/hdaにあたる起動ディスクはRATOCのリムーバブルケースに入れる。こうしておけば、ディスク交換の際にPCの筐体を開ける必要がない。ケースが3000円弱だとは思ってもみなかった。もっと早く導入してもよかったくらいだ。

つぎにバックアップ先のディスクは、IEEE 1394接続の外付けケースRS-FWEC5Xに収納する。内蔵を避けたのは、現在サーバーとして使っているTerminator TUの挙動が怪しくなりはじめたからだ。負荷をかけつづけるとフリーズしてしまう。この1カ月で3回起きたから、もう先は長くないだろう。

以上でうまくいくと思いきや、あに図らんや、サブディレクトリで小分けにすると完遂するものの、一発でバックアップしようとすると途中でIEEE 1394が制御不能になる。これは本格的にまずい傾向だ。MX3S-TKA50とだけ調達して、その他をTerminatorから移植することを真剣に検討しよう。そういえばAT-LINKのカタログを見ていたら、底辺級サーバーにはCeleron 1.2GHzを使用していた。Tualatinは死なず。

ちなみに、データの控えにはLinkStationをLAN内とWANとに用意して、それぞれ毎日rsyncを用いて複製している。WANへのバックアップの実効転送レートがどれくらいか知りたくなったので、rsync中にディスク容量の変化を見るという原始的な方法で計測してみた。だいたい175KB/secだ。どちらも光回線なので500KB/secくらいを期待していたのだが、甘かった。あるいは圧縮転送しているから、その負荷で遅くなるのか。

負荷で思い出した。Planexのモニターツールを使うとライブWebカメラを9カ所ほど同時に見ることができる。ところが、昼夜でCPU負荷がまったく異なるのだ。昼だとAthlon 64 3400+でCPU負荷100%となる。ところが深夜では25%弱だ。想像では、夜になると真っ暗になり映像に変化がなくなるので、そのぶんデコードが楽になるのではないだろうか。

Tags: PC

2006-07-16

Link 梅田にて

8月に再び東京に出向くので、移動手段を確保しなくてはならない。今度は盆と重なるため、JR東海ツアーズの「いざ出張」プランが使えない。出かけるのは週末なので代々木の事務所に泊まりこむことにする。どうせ翌日の支度で大わらわになり眠れないだろう。

今回は「ひかり早得きっぷ」を使った。京都・東京間で往復23,000円と、安くはないが許容範囲内の価格だ。0088-245-489に電話してから、みどりの窓口に受け取りに行く。受け取り場所は京都駅にしようかとも思ったが、ヨドバシカメラや本屋群に寄りたかったので、大阪駅にした。

ヨドバシカメラでは、時計の革バンドを買う。ポイントカードを持っていくのを忘れたため、他の買い物をする気が失せてしまった。マザーボードを眺めるも、Socket 370対応品があるはずもない。そうそう、先に述べたMX3S-Tはチップセットがi815Eだからメモリーが最大512MBで、サーバー用としては少し不適だ。かわりにDFI CM33-TLあたりはどうだろうかと考えている。しばらくして、そのまま紀伊國屋書店に流れ込む。

私は梅田の紀伊国屋があまり好きではない。人が多いのはいいとして、通路が狭いのが問題だ。また店舗の構造上、見晴らしが悪いのも気にくわない。そういえば新宿本店も好きではなく、新宿南口店のほうが落ちつく。ともあれ、本を何冊か見繕う。きょう一番のヒットは『樹木 見分けのポイント図鑑』だ。この本は名前のとおり、見た目によく似た木を並べて同定のために着眼すべき箇所を教えてくれる、まことによい本である。

出発がわりと遅かったため、所用を済ませて大阪駅を出ると、すでに御堂筋は片陰になっていた。せっかくだから淀屋橋まで歩くことにする。旭屋書店の向かいにブックファースト梅田店ができているので、覗いてみる。ここはなかなか好印象だ。『酒とつまみ』とも、やっと対面することができた。(私は『酒とつまみ』と書こうとして、いつも「酒と肴」と書いてしまう。)大江橋をすぎると、もう淀屋橋だ。(参照:大阪橋ものがたり。)

電車内では、車内読書のために先の本屋で買っておいた鳥飼玖美子『危うし!小学校英語』(文春新書、2006年)に目を通す。小学校で英語教育を導入するアホらしさを指摘した本で、わりと常識的な内容だ。英語導入の国民的支持は親の英語への劣等感に基づくというのは、その通りだろう。共通一次など、国民の広範な支持を集めて導入された教育制度にロクなものはない。逆に小学校からの飛び級・留年制の導入は学力低下問題に効果があると思うが、支持は得られないだろう。また、中学校で英語に週6時間(現行は3時間)かけよというのも頷ける。問題はその時間をどこから調達するかなのだが、世の議論は機会費用を考えないものが少なくない。

もっとも、かくいう私自身は英会話教室で小学校から英語を習っていたのだった。この経験が中学校で生きたのは疑いないが、同じく習っていた子供たちのその後を考えると、その効果が万人に見られたとは言えない。ひとつ強烈に憶えている授業は、講師がアルファベットを見せながら、それぞれの文字の代表的な発音を示していたものだ。たとえばaなら「cat」「car」「father」「cake」のように、ひとつの文字で多くの音を表わしている事実を突きつけられ、それが強く印象に残った。

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2006-07-17

Link 餅は餅屋

不測の事態に備えてrsyncによるシステムの完全な控えをとろうとして、Terminator TUのハードウェア的な特性から苦労している話のつづきだ。この機械は電源が弱いので、PCIスロットに取り付けているSUGOI Cardのようなコンボカードは過酷なのかもしれない。そう考えて、デンノーのMPFC-21という単純なIEEE 1394カードに変更してみた。すると問題なく完遂するではないか。TIの同じチップを使っているのに差が出るのは、餅は餅屋ということか。

ところで世にはプリントサーバーと呼ばれる製品がある。ネットワーク非対応のプリンターを、LANで使用するためのものだ。自宅のPixus MP500にはNetHawk WP100という純正品をあてがっている。いっぽう職場では汎用品の魅力を買ってコレガのCG-FPSUBDにしたのだが、思いのほか使い勝手が悪い。PS Admin IVというソフトで接続する必要があるし、その接続は占有型で他人がすでに接続していると接続できないのだ。キヤノンを使いつづけるのなら、プリントサーバーには純正品を強く奨める。餅は餅屋だ。

ところで『シャーロック・ホームズの帰還』の中に「ノーウッドの建築士」という話がある。建築家の犯人が若い司法書士を陥れるために自分が殺害されたように見せかける話で、犯人が自宅にこしらえた隠し部屋に身を潜めていたところをホームズの芝居でおびき出される――というのが大筋だ。

原書では、犯人逮捕のあとでホームズは隠し部屋の構造を見て「There's the advantage of being a builder.」と言う。NHKの吹き替えにおいて、このセリフを額田やえ子は「餅は餅屋だなあ」と露口茂にしゃべらせている。この翻訳を耳にしたときには巧みさに感嘆したものだ。その半面、イギリス紳士の口から「餅」という単語が出てくることの突飛さに違和感を覚えたのも事実である。名訳なのか迷訳なのか、いまだに判定がつけられない。

Tags: PC

2006-07-22

Link PDFファイルに通し番号

複数のPDFファイルを1本にまとめることは、バッチファイルを書いてAdobe Distillerを通せばできる。では、さらにページごとに通し番号を打っていくにはどうしたらよいか。他にもあるのかもしれないが、私はBeCyPDFAsmというソフトウェアしか知らないので、もっぱらこれを使っている。

このソフトウェアはmbtPdfAsmのGUIラッパーになっている。だから、予めmbtPdfAsmを入手しておかなくてはならない。またGUIは本当に申しわけ程度で、たとえば文字列や設定を記憶することができない。ページの位置やら書体やらを起動するたびに設定するのは面倒だ。しかし、ないよりはずっとよい。日本語の入ったPDFファイルも試しているが、いまのところ問題は出ていない。

Tags: PC

2006-07-24

Link 天気と健康

「○○のしすぎはよくない」という表現を聞くたびに、それは当たり前ではないか――と思わないでもない。「しすぎ」という部分ですでに過剰であることを言っているのだから、「よくない」と評価を下す以前に価値判断しているではないか。

ところで言葉の中には、よい状態がデフォルトで埋め込まれているものがある。たとえば「健康に悪い」というときには「健康」は中立的な状態だが、「あの人は健康だ」や「健康的」となると、その「健康」はよい状態だ。

同様な単語が他にないか探してみると、天気が思いつく。こちらも「いい天気」「悪い天気」というように中立的な表現をする場合もあれば、「天気だ」「天気雨」のように晴れ(よい状態)を表わす「天気」もある。

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2006-07-28

Link 本物のヤギ

『スタートレック DS9』というTV番組の中に、アイルランド出身のオブライエンという技術主任が登場する。宇宙艦隊アカデミーを卒業した上級士官たちの物語である『スタートレック』にあって、オブライエンは叩き上げで現在の地位に到達した異色のキャラクターだ。ちょっと前の巨人で言えば、村田真や川相みたいなものだ。

オブライエンの遊び仲間にDr.ベシアという軍医がいて、彼は遺伝子治療を受けているため人並み外れた能力を有している。無謀な賭けに挑もうとしているオブライエンに対してベシアが合理的にも中止勧告を出すのだが、オブライエンは「チャレンジだ」といって引き下がらない。エンジニアになったもチャレンジだし、ダーツで挑戦するのもチャレンジだというのだ(DS9 エピソードガイド No.140)。

いまだに憶えているくらい、オブライエンのこの発言は私に影響を与えた。たとえばコード書きで必要な能力のひとつに、いろいろな状況を想定しうる力というものがあると私は思っている。この能力が低い点は自覚していて、こりゃダメだなと感じることは多い。それでもコードを書くのは、まさにオブライエンのいうチャレンジの気分だ。

最近は寝る前に浦野真彦『3手詰ハンドブック』(日本将棋連盟、2005年)を取り出してきて、詰め将棋を解くことにしている。先に述べた力を養うのに、こうしたパズルは有効かもしれないと思ったからだ。実は将棋自体ルール以外あまり知らないのだが、とりあえず現時点での反省は「捨て駒」への躊躇があるという点である。

専門書をコツコツと進めていくような時間がとれなくなると、一気に読めて達成感を味わえる新書に手が伸びてしまう。きょうは橘玲『臆病者のための株入門』(文春新書、2006年)、小幡績『ネット株の心理学』(MYCOM新書、2006年)を読み終え、友野典男『行動経済学』(光文社新書、2006年)を読みかけたところだ。

橘(2006)から学んだのは執筆技術で、どこまで水準を下げて書けば読者が着いてこれるのか、という点だ。割引現在価値や市場のベータについて説明する際、難しいところを端折りつつも読者に納得感を与える、その落としどころがうまい。この技術で感嘆するのは竹内淳の著作なのだが、それは別の機会に触れよう。ひとつ強烈な主張だと思ったのは、インデックス投資するなら国内市場だけでなく地球全体のインデックスにすべきで、よって投資資金の85%を外貨にせよ、というものだ。

小幡(2006)は行動ファイナンスの立場から、株価が投資家心理を反映したものであることを説明した書籍だ。専門家が推奨する「優良株の長期保有」はリスクが最も高い方法であり、当日に手じまいするデイトレードのリスクは小さいという。小幡(2006)によれば、デイトレードなら寄りつきの数分だけ画面を見ていればいいから心理的な負担も小さいとのことだが、橘(2006)とは正反対の見方だ。デイトレードのリスクが低いことには同意できるのだが、心理的な負担が小さいとは思えない。病膏肓に入ってザラ場を見つづけることになるのではなかろうか。

友野(2006)はまだ中途なのだが、冒頭に出てきた確率のクイズを懐かしく読んだ。「」という名前が付いているのも知らなかったし、何より『ディルバートの法則』に登場する人類最高のIQ保持者マリリン・ヴォ・サヴァンが実在の人物であるのも初めて知った。

もうひとつ。モンティ・ホール問題では、3つのドアのうち1つが車(car)、残り2つがヤギ(goat)となっている。このgoatを、私は長らくポンコツ車のことだと思っていた。(『ジーニアス大英和』などの大型辞典には載っている。)つまり新車か中古車(コロンボが乗っているような)が得られるようなショーだと思っていたのだが、米国版Wikipediaでもヤギの絵が出ている。本物のヤギだったのか。

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渡辺 慎太郎(na@10days.org)

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