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十日日記


2006-08-16

Link ラテン語と漢文

『ヤバい経済学』(東洋経済新報社、2006年)という本がある。これは書名に反してさほどヤバくはなく、計量経済学のミクロ方面への応用を紹介したものだ。ミクロ経済学と書かないのは正統な経済学ではないからで、どちらかというとstatistician(米国でMSを得た統計実務家)の仕事に近いと思う。日本なら総合研究所の研究員がやりそうな仕事だ。同書のよい点は、相関関係から因果関係を抜き出す手口について一般向けに記しているところだと思う。

引退後の趣味としてとっているのは外国語の習得――なかでも古典語を勉強することだ。思い焦がれたときには、そうした方面の雑文を読んでやり過ごす。このまえ読んだのは、小林標『ラテン語の世界』(中公新書、2006年)と加藤徹『漢文の素養』(光文社新書、2006年)との2冊だ。

小林(2006)からは小さな知識の断片も得られる。たとえばrivalの語源は同じ川(river)から水を引き合う者たち――という事実から、彼らが農耕に従事していたと推測している。あるいは西欧語では「海」という基本的な語が言語によってバラバラであるため、印欧祖語を話した種族は内陸の民だったのではないか、ともいう。なるほどと思う。

しかし同書を通じて見えるのは、ラテン語を規範として整備された英文法も、当のラテン語から見れば妙な部分が多い、ということだ。そのラテン語文法自身もギリシャ語から多大な影響を受けているので苦しい部分がある(たとえば名詞と形容詞とを一緒にしている)のは、少しおかしい。英語で不定法が不定詞と呼ばれるようになったのと同様、命令法や仮定法は法ではなく構文にすぎないという(pp.74-75)。

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渡辺 慎太郎(na@10days.org)

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