2007-05-31
Link gravitasの用例
とある単語練習帳を読んでいたら、「gravitas」の用例として次の文に出会った。
The head of the committee never failed to carry herself with the gravitas she felt was appropriate to her office.
私は未熟なため、こうした文に出会うといったん立ち止まってしまう。しかたなく、頭を分析モードに切り替えて解読する。これは連鎖関係節で、そのため関係詞が主格であっても省略されているのか。thatを挿入すると、
The head of the committee never failed to carry herself with the gravitas [that] she felt was appropriate to her office.
となる。
「gravitas」の訳語として『ジーニアス大英和』には、「きまじめさ、実直さ」と出ているが、これはどうかと思う。ODEを見ると「dignity, seriousness」とあるし、上の例文からも「威厳」のような雰囲気がある。「きまじめ」「実直」では、ちょっと軽い(「grav」の語源にそぐわない)。『リーダーズ』には「厳粛さ」と載っていて、こちらのほうが近いのではなかろうか。
この文は大学入試の英文和訳問題として使えそうだ。いやむしろ、機械翻訳にかけると性能差が如実に表われるかもしれない。そう思ってWebで使える機械翻訳数種に通してみたので、以下に結果を披露する。ひどい順に並べていこう。
決して、委員会の頭が、彼女が感じた厳粛さによって振る舞うことに失敗しなかった 彼女のオフィスに適切でした。(OCN)
委員会のトップは常に彼女がだった彼女のオフィスに適切感じたgravitasとの彼女自身を運んだ。(Google)
これらは0点だろう。Googleのほうはgravitasが単語帳にないようだし、carry onselfやnever fail toも訳せていない。OCNの「委員会の頭」というのもひどい。「かしら」と読ませたいのだろうか。
彼女が感じた厳粛さでふるまうために必ず失敗されない委員会の委員長は、彼女のオフィスにふさわしかったです。(Yahoo、Infoseek)
これは「was」を本動詞ととった誤りで、連鎖関係節が見抜けなかったようだ。残念ながら0点だろう。
委員会の代表は、彼女が彼女のオフィスに適切であると感じた厳粛と共に振る舞うのに決して失敗しませんでした。(excite)
carry oneselfが訳出できているのに、with句で失敗しているのは意外だ。本動詞自体は合っているので、構文解析は正しく行なえているのだろう。30点。
委員会の長は、必ず、彼女がオフィスに適切だったと思った厳粛で振る舞いました。(so-net、livedoor)
これがいちばんマトモだろう。構文解析は正しく、never fail toも適切に訳せている。「厳粛で」はどの翻訳も変だが、なぜだろうか。時制が変なのと、オフィスの誤訳が残っている。50点くらいか。
直訳すると下のようになる。
その委員長は、彼女自身が職務に適切だと感じた威厳でもって常に振る舞っていた。
私は次のように訳す。
その委員長は威厳正しくあるのが職務にふさわしいと感じ、彼女自身また常にそう振る舞っていた。
その委員長は常に威厳を失わなかったし、彼女自身委員長とはそういうものだと思っていた。