2007-07-02
Link 多読教材としての英英辞典
サボテンの花が咲いた。からだに似合わず大きい花をつける。
単語帳の話に戻る。Merriam-Webster's Vocabulary Builderに気をよくして楽しい単語帳が他にもないか探してみた。この単語帳の見出し語はハイレベルで、『ジーニアス大英和』にも載っていなかったり(さすがに『リーダーズ+プラス』には載っていた)、訳語ですら私の知識になかったりする。そんな次第だから、同じような感じの入門編があると嬉しいと思ったのだが、ここまでの傑作は見つけられない。
先週になってアイデアが閃いた。用例が充実した単語帳を探すくらいなら、EFLに配慮した学習英英辞典を使えばいいだけのことではないか。そう思ってWebを当たってみると、何事にも先達はいるものである。学習英英辞典の丸暗記を薦める「アンチ・バベルの塔」というブログが見つかった。
このサイトの具体的方法論には同意しない。情報カードの作成はコストに見合わないと私は思うし、辞典のA欄から憶えていく必然性もないと考える。要は続けられればいいのだから、初めの負荷を軽くするのもありだ。たとえばJ・Q・Kの欄を憶えて「絵札制覇」と銘打ってもいいではないか。(面白いことに、トランプの絵札に当たるJ・Q・Kは、英語の中でも単語数の少ない文字に当たる。)それでも、学習英英辞典を頭に入れるという大原則には賛同する。
所有していた紙の英英辞典は宿替えの際に破棄してしまったので、まずは入門用として見出し語12000語の『ワードワイズ英英辞典』(Longman、桐原書店)を購入する。本書の語義はLDCEと比較してシンプルで、一部の単語はCOBUILDのようにフルセンテンスで定義されている。意味は絞り込んである。たとえばaccordの語義に「協定」にあたる表現はなく、「do something of your own accord」というフレーズのみが掲載されている。
紙質は普通だが、組はかなり悪い。サンセリフ体の本文は行間が狭いため、pとlとが行を挟んで重なる始末だ。段落単位で広域調整をしているわけでもなく、単語間がチグハグな部分が散見される。素直にLDCEと同じ書体でいいと思うし、高校時代に使っていたLongman Active Study Dictionary of English(LASD)は、もっと読みやすかった記憶があるがなあ。
子供のころから国語辞典や類語辞典を読んできたので、英英辞典も退屈せずに読めている。それどころか、多読教材として最適ではないかとすら思うようになった。かつて酒井邦秀『どうして英語が使えない?』(ちくま学芸文庫)に触発されてリトールド版の本を何冊か読んだのだが、小説を読まない人間には面白くも何ともないうえにコストパフォーマンスが悪いのが不満だった。少なくとも私には、英英辞典を読んでいるほうが楽しく感ぜられる。
2007-07-03
Link 英英和辞典
ふと思い出したが、一橋大学は語学教育に関してはサッパリだった。私が入学した当時は教養部を廃止したてのころで、四年一貫専門教育を打ち出していた執行部としては、本音では第二外国語も合わせて廃止したかったろうと思う。英語教員も学部ごとにバラバラに配置されているわけで、英語教育にも統一方針など見えなかった。
笑えたのは、基本単語集だったか必修単語集だったか、とにかく大学謹製の単語帳だった。驚くなかれ、この単語帳には英単語「だけ」が8000語ほどアルファベット順に並んでいるのだ! 和訳も例文もない。しかもそれは指定教科書で、年度末に統一テストがあるため、新入生全員が買わなくてはならなかった。ひどい話だ。その後、妹が東大教養部に進学した際に英語教材を見せてもらったが、そちらはずっとマトモだったのを憶えている。
さて、教員の推薦参考書や辞典類には、自らの学習体験が反映されやすい。特にそれが画期的なものである場合、そうなりがちである。
たとえば英英辞典で言えば、1980年代のLDCE革命を味わった人はLDCEを薦めるし、90年代のCOBUILD革命を経験した人は同じくCOBUILDを薦める。しかしその後もCALD(ケンブリッジ)やMEDAL(マクミラン)といった英英辞典が登場しつづけているわけで、それらを一顧だにしないのは問題だ。
英和辞典では、『ジーニアス英和辞典』が90年代の教員に与えた影響は大きかった。とはいえ、最新版である第4版の改訂内容が「学習」英和辞典として適切なものだったのかどうかは異論のあるところで、『ウィズダム』のような強力な対抗馬も教員なら視野に入れておくべきだろう。このあたりは、z is for zokkonを熟読するとよいかもしれない。
私は教員ではないので何とも言えないが、電子辞書が台頭した現代、「引く辞典」「読む辞典」を分けて考えてもいいのではないかと思う。「引く辞典」は電子辞書に任せておけばいい。私は『ジーニアス大英和』『リーダーズ+プラス』の二本立てで満足している。読む辞典のほうは、このまえ買ったLWD(ワードワイズ)は簡潔に過ぎるため、もう少し詳しい辞典を買うことにした。最初が12,000語だったので、次は3万語前後のものを狙う。
買ったのは『ケンブリッジ英英和辞典』(小学館、2004年)。結論。すごくいい。元になったCLD(2nd ed.)は35,000語収録で、例文に定評がある。CLDは今年2月に第3版が出ているが、「英英和辞典」の効果を体験してみたかったので、あえて第2版の上記書籍にした。
英英和辞典といえば『ワードパワー英英和辞典』(増進会出版社、2002年)が先行品だが、それとは性格を異にする。『ワードパワー』(1952ページ)が語義や例文まで翻訳しているのに対し、『ケンブリッジ』(927ページ)は日本語訳を追加しているだけだ。その差はページ数を見れば歴然としている。
英英和は邪道のように思う向きもあるかもしれないが、特に名詞では訳語の存在は時間の節約になりうる。「anvil (bone)」(きぬた骨)など、最初から日本語で書いてあるほうが早いだろう。かといって語義まで訳してもらう必要を感じないので、私は『ワードパワー』よりも『ケンブリッジ』を取る。
CLD自体もいい辞典で、ちょっと目新しいのは[GuideWord]という独自機能である。これは単語の各語義の「雰囲気」っぽいものを一言で表現したものだ。たとえば「black」の項には、それぞれの語義が記してある各段落の最初に、[COLOR]とか[PERSON]とか[DRINK]とか[HUMOUR]とか[SITUATION]などと書いてある。「色」としてのblackとか「状況」がblackとか、どの意味で使われているのか探しやすくした意図があるのだろう。
この[GuideWord]の記法がルールより裁量で行なわれている点が私は痛く気に入った。たとえば「bag」の項にある[CONTAINER]は外延を指している(つまりdogに対してanimalと言っているようなもの)ので平凡だが、その次の[FOR WOMAN]にはしびれた。女性向けbagということで、ハンドバッグを省略してbagと呼ぶことがあるらしい。まったく規則的ではないけれども、女性の描写とともに出現したときにはハンドバッグかもしれないというヒントを与えてくれているわけで、まことに実用的ではないか。
2007-07-05
Link OO.o Calcを少し使ってみる
OpenOffice.org CalcはR1C1形式に対応しないので積極的に使う気になれないのだが、速度のために精度をあえて犠牲にしたExcelに比べて印字精度は高い。行高や列幅もミリメートル単位で行なえるし、フォントを和文・欧文で別指定できる。そういう美点を考慮に入れ、印字用途の文書作成に少し使ってみることにした。
実際に使用してみると、意外な機能の欠落に気がつく。たとえばセルに罫線を入れる際に破線が引けない。二重線が引けるのに破線が引けないのは、ちょっとした驚きだった。
もうひとつ、色パレットの出来が妙なのにも閉口した。Excelと比較して、どちらのほうが色が選択しやすいかは一目瞭然だろう(左がExcel、右がCalc)。CalcはExcelの2倍の色がプリセットされているのだが、配置を考慮していないところが弱い。
まだデータ入力段階でしか使っていないので、ワークシート関数の出来については評価できない。OFFSET関数を使い倒すような可変範囲がCalcでうまく扱えるかどうかが鍵になるだろう。
2007-07-08
Link 関係詞牽引
先月の日記で、Hewning Advanced Grammar in Use(1999、p.140)に出てくる関係詞の話を書いたことがある。例文は目的格なのだが、主格としか思えない。
She's an actress whom most people think is at the peak of her career.
さすがと言うべきか、安藤貞雄『現代英文法講義』(開拓社、2005年)できちんと説明されていた。
関係詞が主語なのに、thinkの目的語だと誤解されて、ときに目的格のwhomが使われることがある(関係詞牽引(relative attraction)と呼ばれる現象)が、Swan(1995: 496)は、一般に正用とは認められないとする。
というわけで、これは「関係詞牽引」という現象だそうだ。
2007-07-10
Link 湿度表示が可能な時計
居間の壁掛け時計は日付や温度・湿度を表示する機能があるのだが、この機能が壊れた。通常の時計としては支障がないものの、15年も使えば十分に元は取っているだろう。そろそろ時計を新調してもよい。
温湿計機能はあると便利なので、今度もそれを狙う。しかしアナログ時計では思った以上に機種が少なく、私が探した範囲ではカシオから数機種出ているだけだ。「ITM-460J-8JF」を発注する。これが5000円とは安いものだ。
この製品は電波時計だが、鉄筋コンクリートのマンションで電波が正常に受信できるのだろうか。気になって日本標準時プロジェクトのQ&Aを見るが、厳しそうなことが書かれてある。それはさておき、NICTが昨年6月から日本標準時のNTPサーバー(ntp.nict.jp)を公開しているのを知った。自宅のWindows PCのタイムサーバーは初期設定のままだったので、NICTに変更しておく。
追記20070722。電波時計は窓側の壁にかけている。今現在、電波は正常に受信できているようだ。
2007-07-11
Link ロクゴ30
『ゴルゴ13』(GOLGO Thirteen)を読んでいて頭に浮かんだのが「ロクゴ30」(LOKGO Thirty)。深夜ひとりでバカ受けし、調子に乗ってロゴまで準備してしまった。
設定――超A級の幾何学者・ロクゴ30は、誰もが想像もつかない技で、やはり誰も使えそうにない闇の定理を生み出しつづけている。愛用のコンパスはStaedtler Mars 553。シャープペンシルはFaber-Castellを使用。「オレは定規も使わずに直線を引くほど自信家じゃない」「オレは背理法を二度使うのを好まない」「補助線を引こうか……」。
2007-07-12
Link strainの解釈
以前ブックオフの百円本売り場で見つけた本に、柳瀬尚紀・千倉真理『やるっきゃない英文読解』(日本翻訳家養成センター、1984年)がある。千倉真理はラジオのミスDJ(当時)なのだそうだが、私は知らない。子供のころ視聴習慣のあった唯一のラジオ番組は「眠れるラジオ」(FM大阪)だった。中島らもや桂吉朝の無駄話を好んで聞いていたものだが、いまや2人とも鬼籍に入っている。
本の内容を簡単に紹介しておくと、千倉真理の英文和訳を柳瀬尚紀が添削していく様を対談形式で記したものだ。雰囲気は80年代にあふれており、平野文のエッセイを読んでいるような気分になる。
暇なときにチラチラと眺めていたら、次の文章に出会った。
これはぼくがケンブリッジ大学の偉い先生から直接聞いたことがあるんだが、英語の辞書は何がいいかっていうのを見るにはstrainだというんだね。strainという項目を徹底的に引っぱってみてね、そうするとよくわかるなんていうことを聞いたことがあるんだが……(中略)……英米人でもstrainという語はわりに難しい語らしい(pp.120-121)。
一読したときには「あっそう」と帝王的間投辞が頭の中をよぎったが、一昨日まで完全に忘れていた。それを思い出したのは、例の単語帳を読んでいて、次のごとく例文に突き当たったからだ(p.67)。
Thrillers and action movies only succeed if they don't strain our credulity too much.
これを読んだとき、このstrainがどういう意味なのか判断に迷った。文意は「あまりに荒唐無稽な話だと観客は興ざめする」ということだと思う。ここでの「strain」は「stretch to limit」の意味だと私は受け取ったのだが、違うかもしれない。
そうそう。CLDの[GuideWord]に感心していたのだが、実はOALDにも似たものがあったのに気づいていなかった。OALDは手元に電子辞書版しかなく、実物の紙面は10年以上見ていない。ちゃんと「読む」のなら紙の辞典が必要だ。
2007-07-15
Link 組合わせの話
このところ英語の話題ばかり書いてきたので、たまには数学のことも書く。
段ボール箱を整理しているとき、山本矩一郎『実戦的確率論』(代々木ライブラリー、1989年)を見つけた。ひさしぶりに手にとって一通り読んでみて矩一郎節を味わったわけだが、いま改めて読んで膝を打つ点が何点かあった。
その前に記しておくと、中学や高校で確率・統計のマネ事を学習することに対して私自身は反対である。より適切には、もっと優先順位の高い分野が別に存在するだろうと思う。中学校では初等代数を完成させることに力を注ぐべきであって、順列・組み合わせに時間を費やすくらいなら二次方程式の解の公式を中学校で教えられるはずだ。同様に、高校1年で確率を習わなければ因数定理を高校2年に持っていかなくて済むくらいの時間が確保できるだろう。
感心した第一の点は、順列・組合わせを確率の基礎に置いていない点である。どんな教科書でも順列や組合わせが先に出てくるのだが、少なくない学習者がそこで足を絡めとられて脱落してしまう。実際には、順列・組合わせは代数やグラフ理論などの初等的分野であって、確率のことはわからないが統計学にとっては周辺の極一部でしかない。本書はこの点を明言し、実際に確率の問題から導入している。
第二の点は、数え上げに出てくる記号(P、C、H)の中で「C」のみを使っている点である。(もちろん階乗記号は出てくる。)これも妥当なところだ。Cはたしかに必要で、これがないと2項定理の記述にも苦労する。しかしそれ以外は末成りで、必須ではない。先に述べたとおり同分野に費やす時間は少ないほうがよいと思うので、Cだけに限定するのは悪くない。
ちなみにHは重複組合わせの記号で、どんなものなのかは中村文則「重複組み合わせの指導法について」を参照。公式ではとなっていて、憶えるのがしんどい。しかしHがPascal分布の係数であるという知識を応用して、具体的な計算運用では次のようにすると簡単だ。たとえば9個から重複を許して3個選ぶ組合わせは
こんなふうに分子を競り上げてゆくように計算する。何なら分母も繰り上げていく形にして統一感を醸し出してもよい。
本当は復元抽出か非復元抽出かを見分けることが重要という話を書こうと思って筆を執ったのだが、ぜんぜん話が辿り着かなかった。
2007-07-17
Link 英英辞典読書録の紹介
LWDを読んでいて印象に残った点をブログに書いておこうと思ったのだが、この日記に書き付けていると場所をかなり占拠してしまう危険があるので、新しくブログを導入することにした。最初は「さくらのブログ」を試してみたのだが、結局は使い慣れたtDiaryで記録していくことにする。英英辞典読書録、どうぞご贔屓に。
さて、同じスクリプトを複数入れるのは手間と容量のムダなので、インストール済みのスクリプトを利用できないか検討する。さくらインターネット(ライト)ではsshログイン不能なためシンボリックリンクが張れないのが痛いが、requireでしのげば何とかなるだろう。幸いにも、Googleで検索すると「同一サーバで複数のtDiaryを運営する方法」が出てきたので、大方これを参考にした。
2007-07-19
Link 1年越しに思い出す
ほぼ1年前、「よい状態がデフォルトで埋め込まれている」二字漢語について、天気と健康とを持ち出したことがある。簡単にまとめると、「健康にいい」という場合の「健康」は中立的な意味だが、「健康な人だ」という場合の「健康」はよい状態を表わしている。
このとき私は、このような語は天気・健康の他にもあったはずだと書きながら考えていたのだが、どうしても思い出せなかった。それを先日ふと思い出したので、ここに書いておく。それは「便利」である。「便利な場所」「便利がよい」とで、よい状態と中立的な状態とがある。
ただし、「便利がよい」の地理的な使用範囲はそんなに広くなく、基本的に関西ではあまり使わず岡山以西で使用するように見受けられる。格助詞を抜いて「便利いい」とすると、これは完全に九州方言になる。
2007-07-20
Link 実例豊富な経済学入門書
ミクロ経済学で最も応用が利くのは、その発想法にある。たとえば
ドライバーにシートベルトを着用することを強力に義務づける法律は、交通事故の死亡者数にどのような影響を与えるか。
に対する経済学的な回答は
ドライバーの死亡が増えることはないが、歩行者の死亡は増える。
となる。シートベルトによってドライバーは安全になるが、その意識から注意力が低下すると推測されるからだ。こうした考え方を、野口先生はローパワード経済学と呼んだ。
実は上の問いは、ハーシュライファー『価格理論とその応用』(第3版、マグロウヒル、1988年)の第1章の問題から採ったものだ。「価格理論」はミクロ経済学の旧称で、すなわち同書が新しい本ではないことを物語っているのだが、入門書としての実用性はかなり高い。第2章の冒頭で、経済学の発想法を2つに集約している。
本書の、そして一般に経済学全般についてさえ、事実上すべての分析が2つの分析手法だけを用いているということは、注目すべきである。2つの分析手法とは、(1)最適を見つけることと、(2)均衡を見つけることである。学生は、どのような疑問に出会った場合にも、「これは最適化の問題なのか均衡の問題なのか」を自問すれば、まず迷うことはないであろう(p.31)。
同書は名著だと思うのだが、マグロウヒルが日本市場を一時期撤退していたからか国内では絶版となり、かといってアマゾンでプレミアがついているわけでもなく、単なる古書扱いになっている。(かくいう私も新古書店で購入した。)米国では版を重ねて第7版にまでなっているが、こちらも売れているわけではなさそうだ。もったいない気がするので、ここで紹介しておいた。
2007-07-22
Link バイオライト専用電球廃盤
バイオライト用の純正電球(60Wのミニクリプトン球)が残り1個になったので発注しようとしたところ、専用品とされていた松下電器「54701LDS100V60WWY」が廃盤になっていることをドクターランプ直行便で知る。かわりに「54701LDS100V54WWK」を使用しろという。これは汎用品だから、ヨドバシカメラでも買える。それにしても、純正品を使えと強調しておきながら廃盤になると汎用品を指定するあたり、結局電球はどうでもいいのではないかという気になる。
2007-07-25
Link マザーボードが余る
使いはじめて2年になるeMachines J6442の調子が芳しくない。たとえばUSB機器(Skypeのハンドセット)が突如として再接続されたり、ディスプレイが一瞬ブラックアウトして描画が低速になったり、ディスクアクセスが遅くなったりと、いつ壊れても不思議ではない状態だ。
ディスクアクセスのほうは定量的な確認ができるので、HDTuneを使ってベンチマークを取った。シークタイムは2.5型HDDのようだし、バースト転送速度の値も妙だ。デフラグを実行していたら、途中で強制リセットがかかってしまった。マザーボードを変えるしかないか。
J6442にもともと載っているマザーボードはFIC社のK8M-800Mである。同一型番の製品だと交換後のソフトウェア周辺の手間がなくて便利なのだが、今どきSocket 754のマザーボードは数少ない。チップセットだけでも同じにしておこうと考え、MSIのK8MM3-Vを注文した。
懸念はプロダクトアクティベーションやWGAだ。メーカー製PCでアクティベーションが不要なのは、それらの製品がSLPを採用しているためである。簡単にいうと、Windows XPのシステムディレクトリの中に存在するファイルの文字列(多くは会社名)がBIOSの特定のアドレスに存在するかどうかを確認し、存在していればアクティベーションを回避するようになっている。マザーボードを他社製のものに交換した場合、文字列の検索に失敗するので、アクティベーションを行なう必要が出てくるという次第だ。
BIOSを偽装してSLP対応させる方法もないではないが、そんなに簡単ではないし危険もある。そのまま動かしてみて、問題に遭遇したらその都度対処していくことにしよう――そう考えて、J6442からCPUやHDD類を抜き取り、新しいマザーボードに指す。BIOS画面を抜けてWindowsが起動する……のだが、そこで強制再起動になってしまう。Windowsの再インストールが必要な気配がするが、そこまでする気力はない。諦めてて元のJ6442に戻し、K8MM3-Vが行き場を失ってしまった。
その後、Windows再インストール回避編という記事を見つける。これにしたがって他社製IDEドライバを組み込んでおけば、上記エラーは回避できたかもしれない。もっとも、面倒なので当分やる気はしない。マザーボードは余ったままだ。
2007-07-27
Link 「退化」は進化の逆ならず
「東京ドドンパ娘」と「黄昏のビギン」は、なんとなく曲調が似ていると思う今日この頃。
個人的に使用を差し控えている単語がいくつかある。たとえば「進化」という単語を生物進化(evolution)以外の目的で使用することはない。これは、進化と進歩との混同を防ぐためだ。ところが迂闊なことに、「退化」(regeneration)については注意を払ってこなかった。
たしかに「退化」は器官が小さくなったり、数が減ったり、形が単純化したりすることだが、決して進化の逆ではない。むしろ進化にともなっておこるので、退化は進化の一部だといってもよい(p.18)。
と誤りを正してくれたのは、散髪のついでに寄った本屋で買った犬塚則久『「退化」の進化学』(講談社ブルーバックス、2006年)である。副題として「ヒトに残る進化の足跡」とあるように、この書籍は「人類の歴史解剖学」とでも呼ぶべき内容になっている。
血をなめればしょっぱいが、これはかつて海で生命が誕生したなごりである。体が左右対称なのは脊椎動物に共通の特徴で、かつて尻尾で水中を泳いでいた証拠にほかならない。首の下から腕がのび、股の間に肛門が開くのも、魚の胸ビレと腹ビレから四肢ができたことを示している(pp.5-6)。
我々は脊椎動物なので、出てくる例としてはやはり骨が多い。たとえばヒトの耳小骨がサメの顎由来であり、胎児のころは直接顎から伸びているのが消失した結果であるという。そういえば耳は軟骨だ。また脊椎動物の眼はもともと2対4個であり、トカゲの眼に当たる部分が退化した結果、ヒトの松果体になっているという。松果体は概日リズムを司るが、光で調整できるのはそのせいなのか。生物の本は、例ひとつひとつが興味をそそるから羨ましい。
事実の羅列に終始するのもよいけれど、押さえておくべき知識としては「奇形として表れる形態はヒトとして珍しいだけで他の動物では珍しくないことが多い」という点。個体発生は系統発生を繰り返すというが、奇形は一種の「先祖返り」であるという。もうひとつは、「人類にとって不要な器官ほど個体変異が大きい」という点。生存維持に不可欠な器官が縮小したり消失したりすれば生き残れないのだから、納得のいく理屈だ。
2007-07-29
Link 馬鹿に教える関係詞
自分の英語力が向上すればいいと思っているので、英語学習には興味があっても英語教育には関心が向かない。それでも岡目八目というのか、端から見ていて改善の余地があるだろうと思うことはときどきある。そのひとつとして関係詞を例にとってみよう。
関係詞は馬鹿には理解が容易でない単元らしい。馬鹿の特徴のひとつに階層構造が把握できないという点があって、コピー機のメニューが扱えないとかビデオ録画ができないとかPCのフォルダが追えないといった事態になるのは、当人が階層を理解していないからだ。関係詞は節を埋め込むため英文が2層構造になり、そこが難しいのだろう。しかし所詮は2層なのだから、工夫すれば馬鹿にも仕込める。
ところが現在の関係詞の導入は2文を合成しているようで、たとえば
He has a friend who lives in London.
を
He has a friend. He lives in London.
から合成するためにアレコレと説明している。私がこの方式をイマイチだと思う理由は、(a)合成する動機付けが不明確なこと、(b)学習ステップが粗すぎること、(c)関係詞以外で引っかかる可能性が大きいこと、にある。
(a)は説明する必要もなかろう。「下の文でわかるのに、なぜ上の文のような厄介なことをするのか」という反論は理にかなっている。(b)は数学でたとえて言えば、関係詞を含んだ文を丸ごと作るのは、通常の積分を飛ばして部分積分をやるような試みに思えるのだ。いきなり部分積分が理解できれば世話はないけれども、それは無謀な試みである。(c)については、関係詞が節を含む以上、動詞のパターン(人称や態・相・時制など)にも同時に注意を払わねばならないが、いきなり文を作るのでは注意点が許容量を超えてしまう危険がある。
改善案。まず(a)については、
He has a friend.
(親切な友達) a kind friend
(若い友達) a young friend
(ロンドンに住んでいる友達) ?
「ロンドンに住んでいる」のように、文のかたちでfriendを修飾するにはどうすればよいか――という観点から導入する。その方法の1つが関係詞で、
a friend who
helives in London
のように、friendと意味が重なるheを消去し、目印としてwhoをつける。
大切なのはこのあとで、(b)(c)にあたる部分は名詞句にしぼって稽古させたほうがよい。たとえば
- [きのう届いた]手紙
- [尾の長い]犬
- [水を飲んでいる]鳥
- [3年間動いてきた]コンピュータ
- [きのう彼に壊された]窓
のように、関係詞を用いた名詞句が書けるように訓練するのだ。ここで動詞パターン別に分類するとよい。関係詞の目的格では、第四文型や第五文型のパターンも必要になる。
以上の稽古をしっかりとしてNPのまとまりが頭の中で確立できれば
- [きのう届いた]手紙は興味深かったです。
- 彼女は[きのう届いた]手紙を読んでいました。
のどちらの英文も難なく書けるだろう。
2007-07-31
Link 米国籍ETFを買う
面倒くさがって海外ETFを使わずにいたのだが、先月からイー・トレード証券が取り扱い拡充したのをきっかけに興味が再燃し、このところの株価の急落で購入を検討するようになった。長期投資者にとっては急落時は買いが鉄則である。確定申告が頭をもたげていたのだが、よく考えれば未実現キャピタルゲインは非課税なのだから、売らないかぎり関係ない話だ。
「イートレード証券での海外ETFの買い方」を見て、同社が米国市場で取り扱っているETFを確認する。結果、EEM(信託報酬0.75%)とEPP(同0.5%)とを定期的に買っていくことにした。前者があれば、信託報酬の高いインドや中国の投信は不要になる。後者は単に私の趣味だ。
Yahoo! Financeを見るとETFの価格も目まぐるしく動いているのだが、EPPで4カ国、EEMは25カ国を合わせた指標なので、私にはぜんぜん予測がつかない。ちなみに、Google Financeは本日はじめて存在を知った。Dow・Nasdaq・S&P 500のチャートを重ねて表示してくれるのは便利だ。
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