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十日日記


2007-07-27

Link 「退化」は進化の逆ならず

「東京ドドンパ娘」と「黄昏のビギン」は、なんとなく曲調が似ていると思う今日この頃。

個人的に使用を差し控えている単語がいくつかある。たとえば「進化」という単語を生物進化(evolution)以外の目的で使用することはない。これは、進化と進歩との混同を防ぐためだ。ところが迂闊なことに、「退化」(regeneration)については注意を払ってこなかった。

たしかに「退化」は器官が小さくなったり、数が減ったり、形が単純化したりすることだが、決して進化の逆ではない。むしろ進化にともなっておこるので、退化は進化の一部だといってもよい(p.18)。

「退化」の進化学 と誤りを正してくれたのは、散髪のついでに寄った本屋で買った犬塚則久『「退化」の進化学』(講談社ブルーバックス、2006年)である。副題として「ヒトに残る進化の足跡」とあるように、この書籍は「人類の歴史解剖学」とでも呼ぶべき内容になっている。

血をなめればしょっぱいが、これはかつて海で生命が誕生したなごりである。体が左右対称なのは脊椎動物に共通の特徴で、かつて尻尾で水中を泳いでいた証拠にほかならない。首の下から腕がのび、股の間に肛門が開くのも、魚の胸ビレと腹ビレから四肢ができたことを示している(pp.5-6)。

我々は脊椎動物なので、出てくる例としてはやはり骨が多い。たとえばヒトの耳小骨がサメの顎由来であり、胎児のころは直接顎から伸びているのが消失した結果であるという。そういえば耳は軟骨だ。また脊椎動物の眼はもともと2対4個であり、トカゲの眼に当たる部分が退化した結果、ヒトの松果体になっているという。松果体は概日リズムを司るが、光で調整できるのはそのせいなのか。生物の本は、例ひとつひとつが興味をそそるから羨ましい。

事実の羅列に終始するのもよいけれど、押さえておくべき知識としては「奇形として表れる形態はヒトとして珍しいだけで他の動物では珍しくないことが多い」という点。個体発生は系統発生を繰り返すというが、奇形は一種の「先祖返り」であるという。もうひとつは、「人類にとって不要な器官ほど個体変異が大きい」という点。生存維持に不可欠な器官が縮小したり消失したりすれば生き残れないのだから、納得のいく理屈だ。

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渡辺 慎太郎(na@10days.org)

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