2008-01-29
Link あるルポルタージュ
ホテルのすぐ近くにリブロがあって、ホテルに戻る際には思わず立ち寄ってしまう。そこで購入した本のうちで最も印象深かったのは、林壮一『アメリカ下層教育現場』(光文社新書、2008年)である。
著者はアメリカ在住のライターだが、ほんの偶然にも公立高校の臨時教員として「日本文化」を1学期間教えることになる。高校といっても「チャータースクール」と呼ばれるそれは、設立された名目はともかくとして、通常の高校には進学できない落伍者を救済して高卒資格を与えるための学校らしい。著者が教えるのが「日本文化」であるのも、要するに通常の学科では生徒が付いていけないことを物語っている。
本書の前半では、チャータースクールで教鞭を執った1学期間の体験が綴られている。そこで描かれている生徒は、19人のクラスのうち実の両親と同居している者が1名という実態から推測できるとおり、どうしようもない面々だ。著者は真正面から体当たりでぶつかり、それなりに功を奏するのだが、それでも挫折者は出る。おまけに教員として唯一のマイノリティ(非白人)である著者は、校長から間接的な形で人種差別を受ける。
ここでくどくど内容を説明するよりも、実際に手にとってもらったほうがよさそうだ。ぜひ購入されたい。体験記ということで、『自動車絶望工場』を思い起こさせた。
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