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十日日記


2008-04-02

Link 現在完了での部分否定

転居先のネット環境にADSLを選んだ理由のひとつに、NTT局舎が家から近いという点があった。歩いて5分もかからない。これなら理論値に近い実効性能が期待できるのではないかと考えたが、ADSLは一筋縄ではいかないので、実際に試してみるまでは何とも言えない。最悪、接続状況が悪かったらFTTHにしようと思っていた。

ADSLルータそして右がADSLルータの情報画面。10Mbpsコースにおいて、きっちり10Mbpsでリンクしている。伝送損失には十分な余裕があり、50Mbpsコースで契約すれば20Mbps以上でリンクしそうだ。ADSLは局舎からの距離が重要だと実感した。

さて、これはKさんから聞いた話。英語の現在完了で、

He has lived here for ten years.

のような継続用法がある。「彼は10年間ここに住んでいる」という日本語訳で、まったく問題ない。

次に否定文を考える。きょうThe Cardboard Boxを新幹線で読んでいたら、殺人犯の自供のなかに次の文が出ていた。

I tell you I've not shut an eye in sleep since I did it.

殺人を犯して以来一睡もできなかったというわけで、このときnotはshutを否定する構成素否定になっている。もう1つ例を挙げれば、

He has not attended class for this week.

は、「彼はこの1週間ずっと出席していない」ということだ。では、「彼はこの1週間ずっと出席していたわけではない」と部分否定らしき文を作るには、どうしたらよいのだろうか。これがKさんが受けた質問だそうだ。

この質問は、けっこう盲点を突いているのではなかろうか。手近にある英文法の解説書を繰ってみたのだが、上の疑問に関する記述を見つけることはできなかった。そういうわけで、これから述べることは自分勝手な話だから、眉につばをつけて読んでほしい。

現在完了で部分否定らしき文を実現するには、notの指示先をfor this weekの部分に変化させるしかない。そのためには、allなど意味を強調する語句を入れるのだと思う。だからたとえば

He has not attended class for every day of this week.

のようにする。

似たような例で田中英数国教室講師の日記に挙がっているのは、

Ted and Jane have not been married very long.

という文。ここでのnotはveryを否定しており、「2人は結婚してあまり長くない」という意味になる。

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Link 赤い京ちゃん [毎回明解なご説明ありがとうございます。今回もスッキリしました。]


2008-04-03

Link sinceとfrom

現在完了の話題はもう1つあって、

I have lived here since 1989.

のsinceはfromではいけないのか、という質問をKさんは受けたことがあるそうだ。昨日の話題と異なり、こちらは鈍な話だと思う。そもそもなぜfromが使えると思い込むのか。おそらくは「〜から」という日本語訳に引きずられたのだろう。訳語で理解する弊害のひとつかもしれない。

こういった基本語は、億劫がらずに学習英英辞典を引いておくと便利なことがある。同じ現在完了という項目では経験用法でのeverの語法が少し煩わしいが、everが「at any time」を意味するとわかっていれば、大きく間違うことはない。

fromは起点であって、時間の幅を表わす含意は基本的にないと思う。だから時間の幅を表現するときには、onやforwardなど他の前置詞とあわせて使う。

  • She never spoke to him again from that day on. (OALD7)
  • From this time forward, you will service us. (TNG)

ただ、こうしたfrom ... onのような表現を完了形とともに使用した例は、これまで意識していなかったこともあって、記憶にない。使えないわけでもないと思うが、わざわざ使うかなあ。

これに対しsinceは、時間の幅の意味が語義に含まれている。

  • in the intervening period between (the time mentioned) and the time under consideration, typically the present (ODE)
  • (used with the present perfect or past perfect tense) from a time in the past until a later past time, or until now (OALD7)

ODEでは上のようにperiodとなっているし、OALD7では下のようにfrom ... untilで定義されている。どちらにしろ、時間の幅を表わしているのが明らかだろう。だからこそ「継続」という読みを促すのだ。

現在完了については今回で話を終えたいので、もう1つだけ。

現代英文法総論 デクラーク『現代英文法総論』(開拓社)という文法書があって、私はあまり好きではない。けれども現在完了の分類に関しては、同書のものが最もよいと思う。なぜなら視点が定まっているからだ。

デクラークは現在完了の用法を「発話時に依然として成り立っている場合と、そうでない場合」(p.137)とで2分し、前者を継続完了、後者を不定完了(存在完了)とした。「結果の読みは、不定現在完了に本来的に備わっている意味ではなく、単なる含意にすぎない」(p.140)。

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Link X [素晴らしい説明だ. さっそく購入する.Thank you !]


2008-04-06

Link 家電のない家

何年か前に実家の近所にコインランドリーができたとき、撤退は時間の問題だと思った。コインランドリーは銭湯のようなもので、内風呂ができて銭湯が消滅していったのと同じような軌跡を辿るものと推測していたからだ。

ところが夜間に店の前を通りがかったりすると、けっこう繁盛している。車で乗り付けてトランクから大きな洗濯袋を取り出し、店に入っていく人の姿を何度も目撃した。Wikipediaでは、えらく力の入った記事が読める。私の認識は誤っていたようだ。

まだ洗濯機を買っていない。近くにコインランドリーが何軒かあることや、隣部屋の住人が洗濯機を持っていながら長らく使っていないのを目の当たりにしたことなどが理由として挙げられる。しかし最大の理由は、モノをあまり増やしたくないことだ。テレビを置いていないのは言うまでもないが、実は炊飯器も冷蔵庫も掃除機もない。必要に迫られてから買おうと思っている。

先日はじめてコインランドリーに足を運んだ。ドラム式のガス乾燥機を使ってみて、その威力に少なからず感激した。タオルが柔らかいのだ。梅雨時や冬場は定めし重宝することだろう。惜しむらくは洗濯機と乾燥機とが別なことで、洗濯物を移し替えるのが面倒だ。コインランドリー総合サイトよよれば、空き状況や完了メールを通知するような先端的な装置もあるらしい。そこまでいかずとも、店内にネットワークカメラを置いてWebで公開すれば、混み具合がわかって便利だろう。

費用を計算してみる。洗濯が1回200円で、35分かかる。乾燥は10分100円で、必要額は量による。1週間分の洗濯物なら30分くらいか。すると1回500円、月2000円の計算になる。もちろん乾燥をしなければ安くつく。ぜんぶ乾燥させる必要はないから、下着や靴下など細かいものだけ実行する手もある。乾燥機付き洗濯機の初期費用・維持費用・廃棄費用を秤にかけると、購入は即断できない。しばらくは現状維持で進んでみる。

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2008-04-07

Link 受験英語の源流

試験にでる英文解釈 週末にかけて、森一郎『試験にでる英文解釈』(青春新書、1972年)に目を通していた。300ページあまりの新書にすぎないが、読み通すには骨が折れる。活字は小さいし、内容が詰まっているからだ。

この本を手にとるまで、『でる単』に代表される同氏の著作物を私は見たことがなかった。『英文解釈』は新古書店の百円コーナーで目に止まり、誰かに薦められていたのを思い出して購入したものである。以来数年間本棚に祭り上げられていたのだが、昨日ようやく開いてみる気になった。

書名は「英文解釈」と銘打っているものの、実質的には構文集である。文法項目別に116の小項目を設け、それぞれ数〜十文程度の短文を載せている。したがって構文集としては文の数が多いことになり、「本書以外の英文解釈の公式・文型・パターンからの出題はありえない」という文句はあながち誇張ではない。覚えるのは大変だろうが。

気に入ったのは「本書の使い方」という部分だ。この部分を読むと、著者が受験生の能力や入試の現実をよく理解したプロフェッショナルだなと感心する。たとえば「入試問題テスト」という欄があって『英文標準問題精講』クラスの文章が並んでいるのだが、

そのさい、はじめから、巻末の訳文を見てくださることを、ぼくはむしろおすすめしたい。……正しい訳文を読んでも意味がわからないのに、それのもとである英文を見ても読解できるはずがないからである(p.9)。

という。国語力がないために抽象的な文章が読めない受験生を70年代にして想定しているわけだ。また和文から英文を作成する練習を積む必要があることを述べる一方で、

例文の太字あるいは斜字体(イタリック体)の部分をまちがいなく書ければよいのであって、それ以外の単語のスペリングはどうでもよいということだ(p.8)。

と指導するのは、入試問題が読解に偏重している現実を考えれば的確である。

おそらく同時代にあっての同書の最大の特徴は、こうした割り切りにあったのだろう。等号(=)を多用して同じ意味であることを強調したり、得点に結びつきにくい部分(たとえば描出話法)は一切カットされていたりする。だから「解釈」と言っても非常に浅薄なものである。浅薄といっても一日一善ではない。

その構文がどういう文脈で使えるかとか、あるいはどういう格式の文なのか、はたまたどのような含みを持つのか……といった点については、ほとんど触れられていない。あくまで和訳問題で点をとることに徹した本だ。簡略化しすぎて誤っている箇所もあるから、この本を使って覚えた例文を和文英訳に用いるのは危険が伴う。

前段落がどういうことかというと、たとえば日本語で「後生だから」とか「たいそう古うございます」などという文は、現代の日本語話者なら理解はしても発話しないだろう。それと同様に、except(接続詞)の意味でsaveを使ったりjust in caseに近い意味でlestを使うのは、なんというか大儀に聞こえる。

ところで最近新古書店で見つけた本に、講談社ルビー・ブックスというシリーズがある。難しい英単語の下に小さく緑色で訳語が書かれていて、字引がなくても原書が読めるという便利な仕掛けが施してある。新古書店では『ホームズ』の短編があったので、ありがたく購入させていただいた。

それで読んでいて気がついたのだが、学習参考書では学んだものの現在の文章では見たことがないような構文に、けっこうお目にかかるのだ。たとえば上に挙げた接続詞のsaveなど、もう3回は見ている気がする。ヴィクトリア朝の英語は、いわば受験英語の源流にあたるのだろう。明治期の参考書には、すでにクジラ公式があったという。

柳田国男の方言周圏論では、文化の中心地から離れた土地に古語が残るとされている。実際、アメリカ英語の一部はイギリス英語よりも古い英語の影響が残っている。(イギリスは18世紀に文法改革がなされた。)わが国の受験英語は、そういう観点で見れば19世紀英語が土着したものかもしれない。

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2008-04-09

Link とんがらない本

英語の構文150 高校のときに買わされた英語の学習参考書のうち、私が好んで使っていた書籍は『英語の構文150』(美誠社)だった。このさい英語をひととおり復習しておこうと思って同書を調べてみると、著者が高梨健吉から岡田伸夫に変わっている。岡田先生といえば、英文法Q&AA Little Grammar Goes a Long Wayの著者であられる。さっそく荻窪のブックオフに出かけ、210円で同書を買い求めた。

荻窪というのは私にとって妙に心地よく響く地名で、むかしから好印象をもっている。もっとも中学時代までは荻と萩との区別がついていなくて、状況によって読みかたを変えるのだと信じていた。恥ずかしい話だが、実はアニメ版『じゃりン子チエ』でも「西小学校」と校門の看板に描かれてあったりする。『チエ』の舞台は萩ノ茶屋だから、正しくは「西萩小学校」である。

それで岡田版の『構文150』だけれども、高梨版とは無関係と言ってもよいほど内容が改められている。アマゾンでは高梨版のほうがよかったという感想も挙がっているのだが、私なら岡田版を推す。高梨版は内容が重たいので、高校1〜2年には不向きだと思うのだ。かといって、このような構文集は高3で読むには遅すぎる。岡田版は、高校1〜2年生のレベルに難易度をうまく合わせている。

岡田版のよいところは、こだわる部分を文法ではなく意味に置いている点だ。『試験にでる英文解釈』では物主構文の由来や、仮定法は叙想法と呼ぶべきことなどが数ページにわたって書かれていたりするのだが、それらが一般の高校生にとって価値のあるものだとは思えない。また、文型の判定が困難な文を説明しようと知恵を絞ったり、不定詞の用法を強引に三分類したりするのも不毛だと思う。岡田版では細かい説明はあえて避けており、それはそれでひとつの見識だ。

また、高梨版にはない解説もある。たとえば構文130(p.294)にある例文209番は、次のようになっている。

He makes most, if not all, of the important decisions for his company.

この「A if not B」という表現は、従来は「BではないにしてもA」のような譲歩型の構文として学習参考書には掲載されていた。高梨版でも、もちろんそうである。しかし岡田版では、この構文は譲歩型のほかに「伸展型」としても解釈できると述べている。以下に引用する。

He is pleasnt, if not charming.
(i)譲歩型:彼は魅力的ではないけれど少なくとも感じのいい人だ。
(ii)伸展型:彼は確かに感じのいい人だ。魅力的と言ってもいいかもしれない。

詳説 レクシスプラネットボード 岡田版では「2つの意味で解釈することができる場合がある」と控えめな表現だが、実際のところはどうなのか。ここで『詳説レクシスプラネットボード』(旺文社)に登場を願おう。同書ではネイティブ103人に対し、次の英文をどのように解釈するか選択させている(p.84)。

My car is as good as yours, if not better.
(1)My car may be better than yours.
(2)My car may not be better than yours.

この問いに関して、実に97%のインフォーマントが(1)の解釈――すなわち伸展型を選んでいる。どちらとも取れるとしたのが3%。(2)の解釈しかとれないとした者は0%だ。つまりこの文を日本語に訳すなら、「私の車は君のとくらべても決して悪くないよ。上かもしれない」となる。

CDがついて1400円というのは安いと思うし、時期が時期だけに新古書店の100円コーナーや200円コーナーで見かけるのも難しくないだろう。

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2008-04-10

Link 読むのに疲れる本

表現のための実践ロイヤル英文法 英語を再復習するため、英文法の学習参考書をどれか1冊通読することにした。それで選んだのが、かねてより機会あるごとに参照していた綿貫・ピーターセン『表現のための実践ロイヤル英文法』(旺文社、2006年)である。この2〜3日英語ばかり考えていたため夢まで英語になってしまいヤバイと思ったので、英語の話題はここらで切り上げたい。

英語を教える立場の人にとって、同書はmustに近い本だろう。旺文社もそれがわかっていて、2色刷・728ページで1890円という破格値をつけているのだと思う。拾い読みして内容に満足していたころには、意欲ある高校1年生にも薦められる本だと考えていた。ただし通読した結果、同書は1冊目の学習英文法書としては不適格だとわかった。より正確には、読者層の絞り込みができていないのではないかと考えざるをえない。

本書はある意味で、『試験に出る英文解釈』とは対極にある。例外的な事項を広く集めるよりも、それぞれの表現にどのような含みがあるのかについて紙幅を割いている。また、文例が文学的ではなく、報道記事や科学的な文章から多くとられているのも同書の特徴だ。ヒョウ(雹)をhailstoneということなど、私は同書ではじめて知った。

1冊目の文法書としては薦められないのは明らかだ。例文の単語レベルが高すぎ、文法に集中できない。それに加え、一通りの文法知識が仮定されている。最初の数章で「この表現も実は仮定法」などという話があちこちに出てくるのだ。英文法を一通り学習していた40年前はいざ知らず、必須英単語が500語で、関係詞すら主格しか扱わない現行課程の中学校を卒業したばかりの人間には、とうてい読めない代物だろう。

となると、2冊目以降でレファレンスを兼ねた本というのが同書の位置づけになる。ところが、そうしてみると無駄が多い。たとえば申しわけ程度の章末問題など必要だろうか。あるいは例文解説にOPECやらEUについて説明があったりするわけだが、上記で仮定した使いかたをするような読者が、こうした語への説明を必要とするだろうか。複数形の作りかたといった中学レベルの話は、今さら不要ではなかろうか。本書の読者が求めているのは英語のニュアンスに関する情報であって、初歩的な文法規則ではないはずだ。無駄な部分を削れば、本書はもっと薄く読みやすくできたのではないか。はっきりいって、私は通読するのに疲れた。

本書のよい部分は例文とその解説とにある。だから実は、文法自体の解説の切れ味は、あまりよくない。また、「従来の英文法書」(p.iii)を批判しつつも、(例文ではなく)本文解説やリードの部分では、まさに「従来の英文法書」の顔を覗かせていることがある。また、イギリス英語に関する記述のチェックは少し甘いようだ。

たとえば本文解説p.275にある「fancy(なんとなく〜だと思う)」という意味でのfancyの使い方は、かなり文学的だろう。この使い方を知ったのはグラナダTVの『ホームズ』だった。たしかにホームズは“I fancy that ...”と言っていたのだが、“Pray continue.”と同じくらい現代では言わないのではないだろうか。(文学的効果を狙って書くことはあるだろうが。)

また、p.415のeitherの説明は、解説と例文とがいまいち一致していない。解説では

2つのもの、または2人の中で、「どちらか」という場合にはeitherを用いる。

と説明しておいて、

Parking meters can be found on either side of the street.
パーキングメーターは道路のどちら側にもあります。

という例文を持ち出すと、読者は困惑するのではないか。この例文でのeitherは「each of two」という意味なので、次のような例文のほうがよかっただろう。

You can park on either side of the street.(OALD7)

この意味は、道のどちら側に駐車してもかまわない――ということだ。なぜeitherを使うのかというと、ふつう同時に1台の車しか運転しないので、どちらか一方に止めざるをえないからだ。

それから「2000年代は(2000、2001、2002、……2009)は、正式にはthe first decade of the twenty-first centuryという」(p.453)のは単純に間違いだ。残念ながら2000年は21世紀ではない。そもそも正式な表現があればBBCが名称を提案したりしない。詳しくはWikipediaの2000sの項を参照。

数字関係は他の英文法書と同様弱くて、p.456の説明では「1807年」の読みかたが不明だろう。また、bがbillionの略だといった説明もない。サブプライム問題以降、ニュースでよく見るようになった。それから累乗の表現では、「e^x」を「e to the x」と読むという解説がない。ついでにp.543の「参考欄」で、印欧語族では「1と2は、個と集団という根本的な違いがある感覚」というのだが、双数はどうなったのか。

しかし最後に繰り返すが、英語を教える立場の人間にはmustに近い本だろう。持っておいて損はないし、通読する価値はある。疲れるけれど、役には立つ。

Tags: 言語
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Link Wrery [unres]


2008-04-11

Link ネットの所場代、年千円

このところ寒い日がつづく。4月にもなって暖房を入れるのは癪なので、日本海みその冬版を口ずさみつつ、しのぐ。

イー・モバイルのADSLコースはメールサービスを提供していないので、利用者は自前で用意する必要がある。OP25B規制が実施されていると厄介だと思っていたのだが、同社は制限をかけていなかった。だから、MelonなどのローカルSMTPサーバーを使ってメールを送ることができる。

ただし、いまはMelonを使っていない。もうGmail一辺倒になってしまったからだ。所有しているドメイン(10days.org)でGoogle Apps Team Editionを申し込み、DNSサーバーのMXレコードを書き換えたので、10days.org宛てのメールはすべてGoogleを通すことになる。現在借りているレンタルサーバーが全アカウント合計で300MBの容量制限なのに対し、Googleは1アカウントにつき6GB。衆寡敵せず。

Google AppsにはWebサイトを構築する機能もあるから、独自ドメインさえあればレンタルサーバーすら不要だ。Value Domainを利用してドメインを取得するとすると、ネットで自前の場所をもつのに必要な年間費用は、わずか1000円ということになる。

Tags: web

2008-04-12

Link 難癖の難癖

先日買ったルビ訳の『ホームズ』シリーズは、各短編の扉に1ページの解説が施されている。これがネタバレありのオタクな話で、かなりはっきりと好き嫌いが分かれそうである。私は好きだ。

解説には作品への批評や難癖もあって楽しめるのだが、難癖に難癖をつけられる箇所を見つけたので、書いておく。「青いガーネット」の解説で

「この宝石でガラスが切れたのでダイヤだろう」とピータースンは言っているが、ガーネットは柔らかく、ガラスは切れないはずだ。

とある。原文はどうなっているのだろうか。

A diamond, sir! A precious stone! It cuts into glass as though it were putty.

見ればわかるとおり、cutは現在形である。だから、ピーターソンはダイヤモンドの一般的な性質を述べたにすぎず、実際にガラスを切ってみたわけではない。「a very honest fellow」と形容されているピーターソンが、他人の宝石をそんなふうに粗末に扱うわけがないではないか。

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2008-04-14

Link True Image Personal2を使う

Acronis True Image Personal 2 いま使用しているPCのHDD容量は200GBで、そのうち40GBがC:に、残りがD:に割り当てられている。ところが先日見てみると、C:が残り6GBほどになっており、あまり余裕がない。一方D:は半分近く空いている。そこで、C:への割り当てを増やすことにした。

パーティションを切り直すことになるわけだが、そのためにはKnoppixに収録されているQtPartedを使用する。gpartedのLive CDはXが表示されず、Partition Logic 0.69はSATAのHDDに対応していないようだった。

QtPartedはパーティションを編集するためのソフトであって、これだけでは作業できない。ドライブ全体をバックアップ・復元するソフトウェアが必要だ。以前はこの用途にntfsprogsを使ったのだが、今回は半年前に購入したまま放置していたAcronis True Image Personal 2を使ってみることにした。

謳い文句には「Windowsが壊れても数分で元通り」とあるのだが、ここで例示されているのは使用量が2.09GBの場合なので注意。大ざっぱな見立てでは、バックアップには1GBあたり1分〜2分かかるようだ。復元も同様。

Linuxベースの起動ディスク(CD-ROM)が作成でき、そこから起動するとC:が復元できる。この起動ディスクはSATAの内蔵HDDは認識したのだが、eSATAで接続された外付けHDDは認識しなかった。(インターフェイスはREX-PE30S、外付けケースはSA-DK1EU。)外付けHDDはUSBでも接続できるので、復元時にはそちらを用いた。

多少の時間はかかったが、True Image Personal 2はGUIで手軽に使えるのがよい。値段以上の価値はある。

Tags: PC

2008-04-15

Link 二重目的語と受動態

現代英文法講義 giveやbuyなど二重目的語をとる動詞が使用された文の受動態については、文法書や語法書のあいだで記述が対立して興味深い。特に、buy型(与格構文の際に前置詞forを従える動詞)について、意見が対立する。

たとえば安藤貞雄『現代英文法講義』(開拓社)では、次のように書かれている。

buy Mary a bookのIO(=Mary)を主語とする受動文は容認可能であるが、DO(=a book)を主語とする受動文は容認されない(p.355)。

一方で、デクラーク『現代英文法総論』(開拓社)には、こうある。

forに導かれる前置詞句に対応する間接目的語は、通例、受動態の主語にはならない(p.280)。

そして、「*She was bought a dress.」が容認不可の例として挙がっている。『表現のための実践ロイヤル英文法』もデクラークに近いが、buyについては「giveの意味が含まれている」から「I was bought ...」も容認可能だとしている(p.109)。ただし不自然だという。とあるメーリングリストでのアンケート集計では、容認派と拒絶派が2:1に分かれている。

Advanced Grammar in Use この対立を見て「使える」と考えるか「避けよう」と考えるかは、その人の性格によることだろう。個人的には、関係代名詞が入るなどして文が長くなった場合、容認不可とされているものも目立たなくなり、実際には無意識のうちに使用されているのではないかと思う。Advanced Grammar In Useの「文脈に適したほうを使え」というあたりが正解なのではなかろうか。

give型動詞については大きな対立はないのだが、DOを主語の受動文にした場合に「given me」となるのを「違和感がない」(p.109)と『ロイヤル』が書く半面、安井稔『英文法総覧』(開拓社)は「情報構造からみても、非適格文であると言える」(p.302)という。江川『英文法解説』を開いてみると、「避けたほうがよい」とあった。

ちなみにデクラークは、give型動詞でもbring、do、pass、telegrath、writeはIOが主語にはなれないと書いている(p.280)。このうちwriteについては、SwanのPEUでも同様に述べられている。

Tags: 言語

2008-04-16

Link ルービックキューブ

このまえ知ったのだが、TVアニメ「あさりちゃん」の主題歌は、縦読みになっているという。アイウエオ作文と言ったほうが正確かもしれない。

あきれた あの子は あさりちゃん
さっぱり さえないふりしても
りゆうも りくつも いらない子

サビの部分など、現代では放送が憚られるような歌詞だ。

ルービックキューブ ホームページの意匠として立方体を採用したとき、色がルービックキューブと違うと言われたことがある。私にとってルービックキューブはダッコちゃんやフラフープと同じで、頭にはあっても実際に遊んだことのない玩具だったので、そもそも思い浮かばなかった。

立方体の利用を考えたのは、インフォスィア(Infosphere)の車内広告を見たときに、sphereよりcubeのほうが多面的でいいのにと思ったことに遡る。その当時、私の頭にあったCubeはNeXT CubeBorg Cubeで、さらにマンダラートを取り入れた。立方体の各面の真ん中がどれも同じ色になっているのは、そういう次第である。

昨年からドイツのカードゲームで遊んでいるうちに、世界を席巻した立体パズルの存在を急に思い出した。それでアマゾンで注文し、先週末に届く。いまは1日に数十分ずつ遊んでパターンの把握に努めているわけだが、たしかにこれはテトリス級の大傑作だと実感した。

3×3マスというところが絶妙の難易度になっている。それぞれの小立体はシールが何枚貼られているかによって3通りに場合分けでき、動きのパターンをあるていど制限している。ある小立体は特定の場所にしか動かないという事実を理解するのが第一だ。

基本的な作業は、小立体を特定の場所に移動するときに他の小立体の配置を崩さないように事前に「退避」し、移動が終わったら「復元」する繰り返しである。この退避・復元のパターン認識が立体感覚を要求し、そうした能力が貧弱な私には刺激になる。

しょせんは玩具なのか、回転に引っかかりがあるのが残念だ。私は正規品を購入したけれども、模造品が「6面立体パズル」という名で販売されており、正規品の1/3ほどの価格で入手できる。私としては、3000円出してもいいから滑らかに回るキューブがほしい。

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2008-04-18

Link デフォルトの置きかた

コレド日本橋まで出向く。トキアとかオアゾとかコレドとか、近年再開発された建築物は名前が似ていて憶えられない。早大大学院は、ここの5階に入っている。

大学はおそらく国内でも有数のIPアドレス所有組織だろう。むかしの一橋大でも、電通大と6Mbpsで接続されていた時期から、クラスCのグローバルIPアドレスが割り当てられていた研究室もあった。もっとも、その先生は初ボーナスでSunのワークステーションを買ってしまうような人だったから、人選としては間違っていなかったが。

多くの大学でそうだと思うのだが、教職員が研究室でインターネットに接続しようとする場合、接続機器にグローバルIPを与えるための申請を事務に対して行なう。1週間ほどで許可が降り、その機器が晴れて使えるようになる。

ただし、その際に割り当てられるのは固定のグローバルIPだ。よって、接続機器ではネットワーク関係の設定を行なわなくてはならない。この設定は、少なからぬ研究室にとって意外と厄介なのではないかと思う。自宅やホテルと同じように、LANケーブルを刺すだけで使えたらいいのにと考えている向きは案外いるのではないか。

おそらく研究室で一般的にしたいことといえば、無線LANが使いたいとか、プリンタ共有がしたいとか、ファイル共有がしたいとか、そういった類の話だ。もちろん固定グローバルIP環境であっても上記の環境は整備できるが、サブネットがうんぬんといった若干専門的な話は避けられない。それなら最初から、研究室単位で小型ルータの使用をデフォルトにしてもいいと思う。ほとんどの人間は、固定IPよりも接続の手軽さに価値を見出すだろう。

デフォルトに関連する話題をもうひとつ。

Macにスティッキーズという付箋ソフトがある。Windows版でも模造品が数多く作成されたが、その中には内容とは別に付箋のタイトルをつけさせるものが少なくなかった。しかし、付箋に書くようなメモていどの内容に題名など不要であることが多い。

Macのスティッキーズにタイトル欄はなかったが、ウィンドウシェード(ウィンドウをタイトルバーだけの状態にすること)をすると、内容の1行目が自動的にタイトルとして表示されていた。これがデフォルトになっているところが、細部を疎かにしないMacの一例だと感心したものだ。ちなみに、Windows版で同様なことを実現しているソフトとしては、SteckiezStickypaperがある。私は後者を日常的に使用している。

Google Calendarこれと似たことを、Googleカレンダーを人に紹介したときに思った。右図にあるとおり、「タイトル」「日時」「場所」「説明」と4つの欄があって、実際のスケジュール画面にはタイトル(の一部)しか表示されない。ある方に説明すると、すごく嫌そうな顔をして、面倒臭そうだと言う。また、タイトルの一部だけではなく全部表示してほしいときもあるという。

よく考えてみれば、上の感想は無理もないことだ。タイトル・場所・説明は1つのテキストエリアでよく、場合によっては1行目をタイトルにすれば十分である。もっと言えば、日時のうち時刻のほうは不要かもしれない。時刻が本質的に重要なら中身のところに書いておくだろう。

もちろん設計意図は理解できる。タイトルがあるのは普通だし、場所を独立させればGoogleマップと連携ができる。時刻を入力させればアラーム設定が使える。しかし利用者の立場からすると、お得意の構文解析があるんだったら場所や時刻がどこに記載されているか勝手に判断してくれ――と考えても不思議ではない。

こうした発見の機会があるから、PC初心者の操作を後ろから見るのは悪くない。

Tags: PC

2008-04-19

Link 昆虫の神経

脳や神経科学については一般向けの啓蒙書が出回っていて、我々はその恩恵にあずかることができる。ところが上で扱われる動物は脊椎動物がほとんどで、無脊椎動物の脳が取り上げられることは滅多にない。昆虫についての啓蒙書は、その生態を取り上げて不思議さを強調したり、せいぜい行動を進化論的に説明する試みがなされるのが関の山だった。

昆虫 そんな中で、水波誠『昆虫――驚異の微小脳』(中公新書、2006年)は、昆虫の脳や神経回路について真正面から扱った新書として非常に貴重な本だ。どうせ場末だからと冷やかし半分で覗いたブックオフ武蔵野緑町店に感謝したい。

水波(2006)は、体積1立方ミリに満たない昆虫の脳を「微小脳」と名づけ、哺乳類に代表される「巨大脳」との異同を解明しようとする。ここで重要なことは、昆虫と哺乳類とが比較できるほどの共通部分が見つかった点だろう。まったく無関係なものなら比べようがないからだ。

節足動物の神経系は腹側に走る一方、脊椎動物のそれは背側に走っている。だから従来は、両者は本質的に異なる進化を遂げた生物だと考えられてきた。ところが1990年代になって、神経系の位置を決める遺伝子が節足・脊椎動物双方に互換性があることが発見された。このことは、「無脊椎動物と脊椎動物が、進化の途中で分岐する前の共通の祖先動物において、すでに中枢神経系の形成のための基本的プランが確立された可能性を示している」(p.28)。

昆虫は全動物種の2/3を占める、地上で最も繁栄した動物だ。これは、植物の最大勢力である被子植物と共生関係にあるところが大きい。その昆虫は進化の早い時期に外骨格という構造上の制約を背負っているため、変化への適応手段として(1)短命多産の戦略をとる一方で、(2)精度より速度を優先する脳と神経系(微小脳)をもつことで体積からくるニューロン数(100万未満。ヒトは1000億)の制約に対応した。直接的な関係はないけれども、(1)については被子植物と同じ進化だなあと思ったりした。

同書ではいくつか神経系の例と神経回路のモデルが挙がっている。私の個人的な興味が視覚に偏っているので、そちらを集中的に取り上げてみたい。においの情報処理や学習に関する部分などもおもしろくて、昆虫は臭いが手に取るように(これは比喩ではなく、触角を通じて触覚同様に――ってこれはシャレではなく)検知できるようだが、その感覚は残念ながら味わえないし、飛翔系についても貧困な想像力が及ばない。その点視覚なら、何とかついていけそうだ。

昆虫の眼は複眼だが、実は空間解像度はかなり低く、視力に換算すると0.02くらいしかないという。その一方で時間解像度はきわめて高く、ヒトが15Hz〜60Hzくらいの処理速度なのに対し、ハエは150Hzで時間分割している。ハエにとっては、テレビや映画の映像はパラパラ漫画のように止まって見える。色については、紫外・青・緑が昆虫の3原色になっている。

さて、網膜で受容した空間情報は、ラミナ・メダラ・ロビュラ複合体という3つの領域で順次処理されていく。ラミナの役割は輪郭を強調することで、ここでは側抑制と呼ばれる情報処理システムが使われている。簡単に説明すると、特定箇所でニューロンが興奮状態になると、同時にその周囲には興奮を抑制する命令が出される。すると、明度に変化がない部分では興奮・抑制が相殺されて、信号が増幅されない。一方で、物体の輪郭など明度に変化がある部分では抑制が効かず、信号が増幅される仕組みだ。

次のメダラやロビュラ複合体には、動きを感知する仕組みがある。メダラで局所的な動きが感知され、ロビュラで統合されるらしい。pp.59-65にかけての神経計算モデルは実におもしろいので、一読の価値がある。あとは、ミツバチがヒトと同じような錯視を示すあたりも驚きだ。

昆虫には複眼のほかに単眼があって、こちらは明暗専用の受容器だ。体が軽いため飛翔姿勢が乱されやすい昆虫にとって、明暗変化は重要な環境情報となる。単眼で得た情報をもとに姿勢を大まかに保持し、さらに複眼から得た情報で微調整を加える――というのがバッタの飛翔方法であるという。また単眼でも速度・感度のどちらを重視するかによってトレードオフがあって、2シナプスで脳に直結するミツバチは速度重視、3次ニューロンで情報を収斂させるゴキブリは感度重視になっている。

ところで、自然界において明暗強度の差は100万倍以上も異なるので、光強度そのものを視覚的に捉えるのは難しい。そこで動物の視覚系は、光の強度変化率を扱っている。そのため昆虫の単眼系では、光強度を対数変換してから直流成分を取り除き、信号を変調させている。(対数変換で変化率が取り出せることを確かめるには、文系出身者は経済学で習う弾力性概念を思い出すとよい。)

同書を読んだ私の嬉しさは、次の1段落(p.122)に集約される。

昆虫の飛翔の研究は、行動のしくみを1つ1つのニューロンの働きに還元して理解したいと考えている私たちを大いに勇気づけてくれる。そのような研究は、脳を構成するニューロンの数がほ乳類などに比べるとはるかに小さい昆虫であっても、決して容易ではない。しかし微小脳のしくみの真の理解に到達するには、そのような研究を積み上げていく以外にはないし、またそれは十分可能なのである。

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2008-04-22

Link メガネを新調する

先日、中野のマリコ眼鏡店で室内用のメガネを新調した。以前に使っていたものは2000年に購入したもので、拭いているとレンズが外れてしまうほど、枠の金属の練りが弱くなっていた。

昭和1桁から営業しているだけあって、5mの奥行きをもつ立派な検眼設備である。潜伏斜視の確認や左右バランスの確認など、抜け目がない。あれこれ計算した結果、最後は現在から変えないということで落ち着く。例のごとくレンズは特注となり、受け取りは1週間後。「25分でできる」と謳う格安メガネ店で聞いてみても、同じく取り寄せになると言われた。

フレームは出所不明のeight G(G-114)と増永眼鏡のKOOKIとのあいだで揺れたが、前者にする。チタンを針金のようにしつつ耳当てにシリコンを巻いたところが気に入った。寸法も50□18で、私のPDに合っている。ただしパッドがハメコミ式で小さい。安物なので、持ちに関しては不明だ。

レンズだけれども、今回はごく平凡にHOYA NULUX 1.60にしている。プラスチックレンズは、屈折率1.60あたりが枯れた感じがする。ここを超えると収差が目立ち、私はいまだにSEIKO SSV-AZ(屈折率1.67)に慣れない。今回は、見え方に関しては最初からまったく問題ない。もしこれが屋外用になると選択に迷いそうだが、むかしに戻ってガラスレンズにしそうだ。1.7AE1-SVなど、アッベ数が52もある。

日記を書くに当たってレンズの光学性能を調べてみた。純粋に光学性能だけを突き詰めると、現在最も性能が高いのは人工サファイアレンズだという。屈折率1.77、アッベ数72という恐ろしい数字だが、値段も1組200万以上し、年間数枚しか制作されないという。中東の大富豪が買ったりするのだろう。

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2008-04-23

Link 猫の町

いまの住居を下見に来たとき、「猫にエサを与えないでください」という看板が階段に掲げてあるのを見かけ、妙に思った。ペットを飼うなではなくエサをやるなとは、どういうことだろう。

その後、納得した。路地で猫を見かけない日はないくらい、町内猫だらけなのだ。町ぐるみで飼っているのではないかと疑いたくなる。どうも動物と縁の深い地域のようで、近所には「象小屋の跡」があり、享保年間にベトナムから連れられた象が飼われていたらしい。少し離れたところには、生類哀れみの令による犬小屋があったそうだ。区には猫についての特設ページまである。

買い物の帰り、何かごそごそしているので目をやると、猫が車のタイヤで爪を研いでいた。ゴムを削る感覚は、たしかに気持ちいいかもしれないなあ。まあ、これだけ猫が見られるおかげで、動物を飼いたいという欲求は湧かない。

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2008-04-24

Link ×TE4571E、○NP-BBRL

イー・モバイルのADSL環境になって1カ月近くたつ。回線品質はすばらしいのだが、貸与品であるADSLモデム内蔵ルータTE4571Eが、忘れたころに不調になる。DNSが引けないときがあるのだ。IPアドレスを直打ちしてアクセスするとOKだから、キャッシュサーバーに問題があるのだろう。検索してみると、「イーモバイルADSLセットサービスの不調」で同様の状況が記されている。

PPPの再接続では直らず、ルータ自体を再起動しなくては回復できない。ルータ再起動だとADSL回線の接続から行なわれるので、接続が確立するまでに1分ほどかかる。先掲のブログサイトに「イーモバイルADSL TE4571EをADSLモデムとしてテストしてみる」という記事があって、Windows XPのPPPoE接続機能を利用する方法が掲載されている。これで対処してもいいのだが、PCにグローバルIPを持たせたくないので、家庭用の有線ルーターを買うことにした。

NP-BBRL 家庭用ルーターは、バッファローのBBR-4HGがロングセラーをつづけている。私も数台購入した記憶がある。この製品は売れているだけあって機能も性能も十分なのだが、けっこう発熱が大きく、夏場のハングを何度か経験している。そこで今回は、アイ・オー・データ機器の最底辺ルーターであるNP-BBRLを選んでみた。IPv6ブリッジがないなど割り切った機能が逆に気に入った。評判を見ると、「鉄板並みの安定性」という呼び声もある。

結論。これは名機ではなかろうか。設定画面は古色蒼然としていて修飾がほとんどなく、ある種わびさびを感じる。よくありがちな基本設定・詳細設定などの区別もない。それでいてツボを押さえた設定ができ、DNSの設定も個別にできる。(イー・モバイルのDNSサーバーはあまり信頼できないので、セカンダリで別業者のサーバーを指定しておいた。)単機能だけあって、再起動の所要時間はわずか4秒。すばらしい。3000円未満でこの性能は天晴れだ。

Tags: PC

2008-04-25

Link ディスクアクセス

Gmailが快適だ。おそらく次に買うPCにはThunderbirdをインストールしないだろうと思われるほど快適だ。ただし、Internet Explorer 6/7やFirefox 2.xのJavaScript処理は低速なので、できればSafari 3.xかFirefox 3.xを使いたい。私はSafari 3.1.1をGoogle Apps専用ブラウザとして利用している。キーボードショートカットにも慣れてきた。

以前は、Gmailの体感速度がローカルアプリに勝るはずはないと思っていた。しかし実際に使ってみると、場合によってはGmailのほうが軽快に感じられる。たとえばThunderbird 2.0.0.12では、複数アカウントから受信しつつ迷惑メールのフィルタリングをしているときなど、如実に反応が鈍くなる。

この原因の1つはディスクアクセスだろう。Thunderbirdで複数のアカウントを同時並行して受信しようとする場合、ランダムアクセスが多発する。一方Gmailでは、メールサーバーとの連絡はGoogleがやってくれる。ローカルPCは、Googleから送信されるメール一覧を取得するだけでよい。これはメモリ上で処理されるので、ずっと高速に感じられる。

Windows Vistaで速度が乗らない理由の1つに、バックグラウンドで走るサービスの多さを挙げることができる。こうしたサービスで真っ先に思い浮かぶのは検索インデックス作成とウィルス検知とだが、どちらもディスクを舐めるような処理だ。CPUコア数は増えてもディスク数は増えていないから、これらの処理はフォアグラウンドで走るアプリの体感性能を悪くする。もちろん、Vistaのシェル部品が華美で大容量なことも、ディスクアクセスを増やす一因となっている。

最近は、Windows XP自体をフラッシュメモリに乗せてもいいのではないか、思うことがある。Windows Mobileと違ってProgram FilesやDocuments and Settings、Tempといった系統は最初からHDD保存を前提にしておき、システムの部分だけメモリに乗せる。フラッシュメモリは基本的に書き込み禁止で、更新の際にだけ書き込めるようにする。HDDからSSDへの移行が済んでしまうと意味がなくなるけれども。

Tags: PC

2008-04-26

Link ヒントのずれ具合

BBC Learning Englishでは、英語学習者のために文章とは別に単語・熟語欄が設けられている。

単語欄に掲載される語は、非母語話者には解釈が難しいであろうと英国人編集者(だと私は勝手に仮定しているのだが)が想定したのだろう。これが、非母語話者のひとりである私の難易の感覚からずれていることが多いのを、私は興味深く思っている。

たとえば、ペンシルベニア州での民主党予備選挙でヒラリーが勝ったことを伝えるニュースは次の1文で締めくくられていた。以下を見て、どこで引っかかりを覚えるだろうか。

Hillary Clinton's not yet turned the tables but she's proving hard to beat.

私は最後の「proving hard to beat」で引っかかりを覚えた。hard to beatは補語であり、butで逆接になっていることから推測すると「簡単には負かせられない」ということかと思った。念のために『英辞郎』を引いてみると「飛び切り上等」と書いてあって、なんのこっちゃという次第。これはたぶん、「非の打ち所がない」から連想される訳なのだろう。

BBCで解説されているイディオムは「turned the tables」である。しかし、これが形勢逆転の比喩であることは想像がつくと思う。なお、解説は次のとおりだった。

changed a situation so that you now have an advantage over someone who previously had an advantage over you

ここから得られる教訓は、初心者にとって何が難しいかを推し量るのは意外と難しい、ということだ。「事実を集める前に、理論づけをしてはいけないよ、ワトソン」。

ちなみに、なるべくBBCやVOAのニュースを聞くようにしている理由のひとつは、数字が頻繁に出てくることだ。私は英語で桁の大きな数字認識が自動化できていなくて、たとえばseven hundred million→7・10^2・10^6→7・10^8→7億と脳内変換しないと実感がわかない。数字で桁が違えばそれこそ桁違いに問題なわけだから、早さと正確さを両立させねばならない。ニュースは、ちょうどよい訓練になる。

Tags: 言語

2008-04-27

Link 鼠→鼠→操球!

猫の話題を書いたからではないと思うが、愛用のマウスが高周波(約18kHz)の異音を発するようになってしまった。PCがスリープの状態では音は出ないから、本来もっと高い周波数を放射していた部品が経年劣化して可聴域にまで落ちてきたのだろうか。この手の音は極端に苦手で頭痛や耳鳴りが誘発されるため、すぐに買い換える。

Optical Mouse 2000 新しいマウスはMicrosoft Wireless Optical Mouse 2000。私にとって10年ぶりのマイクロソフト製マウスだが、無線式が2000円台前半にまで値段が下がっているのは予想外だった。もっと立派な製品にしたいのだが、なぜかマウスは高級品になるほど異形で、左右対称で平凡な形状のものは安物ばかりである。

安い分、ハードウェアとしての作りは褒められたものではない。それまで使っていたロジクールMX-300は手に持った感触といいボタンのクリック感といい絶妙の出来で、そのため予備を含め3台も買ってしまったわけだが、新しいマウスは大味な印象を受ける。ボタンはやや堅く、ホイールの回転も若干ぎこちない。

肝心の音についてだが、密かに懸念していたとおり、マウスを動かしたりホイールを回すと若干の音が出る。これは、電池寿命を伸ばすために出力の強弱を切り替えているためだ。MX-300の音よりも周波数がかなり低い(約6kHz)ので耐えられないことはないが、嫌な感じではある。

こういった微小音は店頭では確認できないし(ファンレスで静音などというのは当てにならない)、ネットの評判を調べようが一般人は聞けども聴こえないので問題にもされない。早く老化して鈍感力を養いたい。

なんとかやり過ごして数日間使っていたら、右手親指の付け根が痛んできた。電動歯ブラシを使っていると中指が痛む。手首も少し重い。コードレスマウスは電池を入れるぶん背が高くなっていて、それが負担になっているようだ。こらあかんとばかり、代替品を探しはじめる。

マーブルマウス あれこれ悩んだ上で選んだのが、ロジクールのマーブルマウス(ST-45UPi)だった。マウスという名前だが、トラックボールである。

トラックボールをはじめて使ったのはApple PowerBook DuoだったかKensington Turbo Mouseだったか、とにかく一昔前のことだ。Turbo Mouseはボールがビリヤードの球くらいあって、デザインも使い心地も最高だった。Keinsingtonの現行モデルTurbo Mouse 5の美しさに遠く及ばないのは残念なことだ。

しかし、ホイール付きマウスの便利さ目覚めて以降、やがて使わなくなってしまった。トラックボールには親指で操作するものと人差し指・中指で操作するものとがあり、私は後者を好む。しかし、後者のタイプでスクロールホイールを搭載するのは難しい。Kensingtonの最高機種であるExpert Mouse 7は、ボールのまわりにリングを配置させ、スクロールホイールの替わりとしている。おもいろい試みだが、操作感はイマイチだった。

目を開かせてくれたのは、上記マーブルマウスのAmazonレビュー記事で紹介されていたWheel Ball ver.2.00である。このソフトを使うと、ボタンを押しながらボールを転がせばスクロールできる。これだけだ。たったこれだけで、スクロール問題が解決できるとは! このソフトをKensingtonに送りつけたくなった。

マーブルマウスのほうは、感銘を受けるような点はないものの、ボールは軽快に動くしボタンのクリック感はマトモだし、3000円のトラックボールとしては優秀であると思う。というより、マイクロソフトがトラックボールから撤退しているため、しっかりした作りの入門機が同機とKensington Orbitくらいしかなくなってしまった。

Tags: PC

2008-04-28

Link 嫌なものには税

何週間か前のこと、NHKラジオを聞いていたら、日本でも2012年までに白熱球の製造・販売を中止する勧告を出すような話を甘利経産相がしているという報道を耳にした。いま確かめてみたら、産経ニュース2008-04-05に記事がある。

オーストラリアや米国カリフォルニア州での動向は耳にしていたから驚きはしなかったものの、とっさに頭をよぎったのはE17口金の球はどうするつもりなのか、ということだった。E17用の電球形蛍光灯もあるにはあるが、寸法が大きすぎる。その後、「ミニクリプトンランプやハロゲンランプなど、電球型蛍光灯に置き換えられない小型の白熱電球は対象外」(家電Watch)と知り、安堵する。

E26口金については別にどうでもいいというのが個人的な感想ではあるのだが、演色性を大事にする目利きの人びともいらっしゃるわけで、一律に中止するのは感心しない。むしろ奢侈品として100%〜300%の税をかけたほうがよいのではないか。ちなみに電球形蛍光灯の演色性能は日本電気のホタルックボールがよいらしい。藤原大蔵「食卓で映える電球型蛍光灯を求めて」(家電Watch)にレビューがある。

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2008-04-29

Link 自動訂正で気になること

Mirosoft Wordの「オートコレクト」といったら「小さな親切、大きなお世話」を体現したもののように世間では扱われている。私もこの機能が好きではなくて、Wordをインストールしたら即座にオフにしていた。

しかし英文を入力していて、自動訂正機能を積極的に使う手もあると気がついた。文頭で「The」を入力するために「Shift+T……」と打鍵しなくても、訂正がかかるのを期待して「the」とキーを叩けばよいのではないか。そうしてやってみると、文頭でSfhitキーが必要ないというのは、けっこう快適である。

主にラテン文字を使用する言語を母語としている人たちは、自動訂正機能を積極的に利用しているのだろうか。同機能を略語変換辞書がわりに利用する方法がTipsとして掲載されていたりして、それなりに存在するのかもしれない。もっともオートコレクトの先頭項目は「2文字目を小文字にする」だから、文頭のShift入力を自力でしている人も多いのだろう。

Tags: PC


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