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十日日記


2008-05-13

Link 緯度と経度とクロノメーター

VOA Special Englishという、米国報道機関としては珍しい英語学習者向けのサイトがある。ニュース原稿を通常の2/3の速さ(約100wpm)で読み上げるのが特徴だ。ジャンル別にいくつかコーナーがあって、その中のExplorerという科学物の特集記事を私は好んでいる。最近では、4月1日付けの「The Story of Finding Longitude: It Was All a Question of Timing」がすばらしかった。

経度(Longitude)をいかに測定するか。18世紀まで、人びとは海洋で経度を測定する術を持たなかった。緯度は北極星を見ればわかるが、経度は星だけでは不十分で、時刻に関する情報がいる。イギリス王立天文台では16世紀から問題に取り組みはじめ、最初の40年間をフラムスティードが、次の40年間をハリーが担当し、月の軌道情報を収集した。そして1766年、ついにマスクリンが月・星の位置から経度を割り出す方法をまとめた。

ところが、この方法には実用面での欠点があった。面倒なのだ。経度の算出に平均4時間を要したらしい。そこでまったく別の角度から問題に取り組んだのが、イギリスの発明家ハリソンだった。彼は天体から時刻を得るのではなく、船内でも使える時計を作ればよいと考えた。(当時の時計は振り子時計で、揺れる場所では使えない。)いくかの試作器を経て、1757年に高精度の機械式時計が完成した。製作コストが下がるにつれ普及していき、1815年には5000台の時計が船内で使われることになったという。その高精度の時計は、クロノメーターと呼ばれる。

だいたいこんな内容である。この記事は、「Today, the solution to the problem is so common that it is difficult to understand that there was a problem at all.」(時計が身近すぎて、経度測定問題の存在を理解することが難しくなっている)と締めくくられている。私にはそのとおりで、長年ぼんやり考えていた疑問が少しずつ解消してきた。

たとえば大航海時代の航路開拓がどれほど危険なのかが、ようやく理解できた。東西の位置がわからないのに東西方向に船を向けるのだから、相当な勇気がいるだろう。インド航路はアフリカ大陸を沿うようにして回っているが、それも当然だ。また、伊能忠敬の地図が東西方向にずれている理由にも納得がいった。

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渡辺 慎太郎(na@10days.org)

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