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十日日記


2008-06-01

Link ことばの話題3つ

その1:「いくらとなんぼ」。英語での「how much」に当たる日本語として代表的なものには、「いくら」と「なんぼ」とがある。前者が東日本、後者が西日本――と単純に二分されがちだが、この語の分布はもう少し複雑だし、フォーマルさにも違いがある。関西人の私には、「いくら」は「なんぼ」にくらべてヨソ行きの言葉であるという感覚がある。もっと言えば、「なんぼ」は死語に近い。

ところが数年前にラジオで方言学の教官が語っていて面白かったのは、九州の一部地域では、この感覚が逆転しているということだった。つまりインタビュイーは「いくら」「なんぼ」のどちらを使うか尋ねられ「どちらも使う」と答えるわけだが、「高級百貨店で使うとしたら」という問いには「なんぼ」だと即座に返答したそうだ。私が大阪北部方言でヨソ行きっぽく値段を問うなら「おいくら」となるので、この違いは興味深い。

その2:「時間と論理との関係」。時間的関係を表わす機能語の中には、同時に論理的関係としての意味をもつものがある。これらが英語・日本語で比較的きれいに対応しているので、少し興味をもった。

たとえば「since」には、継続的という時間的意味とともに、理由という論理的意味を持っている。日本語の「から」も同じだ。また、「while」には同時性を表わすと同時に逆接でもあるのだが、訳語となる日本語の「ながら」も似ている。ちょっとおもしろくないだろうか。

その3:「lは/j/に通ず」。例によってLR聞き分け訓練をつづけていて、あいかわらずcrとclとの区別が付いていない。ただ、聴きつづけているうちに思ったことがあって、lは比較的/j/の音に近いということだ。フランス語でllを/j/と発音する(例:Marseille=マルセイユ)文字規則を初めて知ったときには馬鹿げている思ったのだが、馬鹿は私だった。

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2008-06-04

Link アシクロビルが安くなっている

5月21日、ひさびさにヘルペスの前駆症状を感じたので、アシクロビルの服用を開始する。効能あらたかで、3日後にはカサブタができ、5日後には完治した。なお、プロドラッグであるバルトレックスは、私にはきつい感じがして合わない。

カプセルが残り少なくなったので、インターネットで注文する。塗り薬が薬局でふつうに買えるようになったからか、それとも円高の影響か、かつて100カプセルで11000円ほどしていたアシクロビルの価格も、いまや7600円まで落ちた。

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2008-06-05

Link 耳栓にネットの裾野を見る

家にいると、ときどきブーンという低いうなり音が聞こえるときがある。近所のエアコンの室外機か、あるいは自動販売機のコンプレッサーか、とにかく機械の動作音という感じがする。

誰が悪いわけでもないので、自衛するしかない。音楽を流すのが常套手段だが家にスピーカーもないので、別の手を考え、耳栓に思い至る。前に耳栓を買ったのは、大学図書館が改装されて、高周波を発する盗難防止ゲートが据え付けられたときだから、おそらく5年以上前だ。

はじめ私は特に種類にはこだわらず、むかし買った「科学の耳せん」と銘打たれた発泡ポリマーの黄色い耳栓にしようと、何気なくアマゾンで検索してみた。2組(4個)で税込み578円で、だいたい前に買ったときと同じような値段だ。しかしカスタマーレビューには、次のように書かれている。

中身はアメリカで1ペア約10円で手に入るE-A-Rブランドの商品と同じだと思います(amazon.comでAearo ear plugsという名前で見つかる)日本での流通・販売コストを考えてもこの価格設定は高すぎないでしょうか?

実に有益なコメントだ。考えてみれば、台所スポンジと大同小異のポリマー製品である。「科学」とか「NASA」といった魔法の言葉に騙されていたのかもしれない。ちょっと興味をもったので、簡単に調べてみることにした。

今回は、ひさしぶりにネットの世界の裾の広さを思い知らされた。たとえば「自分の耳栓を探す為のサイト」では、各製品を写真付きで紹介し、さらに周波数別の遮音性能まで載せている。あるいは、kdreakの耳栓日記というブログもある。耳栓をネタにブログなんて、世界にそうはないのではなかろうか――と思っていた矢先に、みみせんまみれという別のブログも見つかる。

例のサイトに従ってYahoo! オークションを当たってみると、Moldex社の耳栓がよりどり3組で350円(送料込)だったので落札してみた。素人なので1組ずつ、「CAMO Plugs」「GOIN' GREEN」「SPARKPlugs」を選んでみる。米国の通販サイトでは200組で23ドルだから、けっこういい商売かもしれない。

3種類を試してみた結果だけれど、白状すれば違いがよくわからない。ただし、なんとなくSPARKPlugsがよい感じがする。こんどModlex社の「Purafit」と、Aearo社の「E-A-R-soft Yellow Neons」とを買って試してみるつもりだ。

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2008-06-06

Link 底辺PC体験記

Lenovo 3000 N200(80769CBJ)が数日前に届いた。この機械は実売54,810円と、PC格差社会の最下層に位置するノートPCなので、愛情を込めて底辺PCと呼びたい。筐体はフラットペッドスキャナーのように大きいので、鞄への収納に注意が要る。本体を封筒に入れるMacBook AirのCMにあやかって、ゴミ袋に入れて持ち運ぶことにしている。雨対策にもなって都合がよい。

Windows Vistaについては前にも触れたとおり、こんなものではないかという感じ。もちろん気に入った部分もあって、たとえば「マイドキュメント」のパスが「C:\Documents and Settings\USERNAME\My Documents」という長いものから「C:\Users\USERNAME\Documents」へと変わったのは手放しで喜びたい。

メイリオは、UI用フォントとしては現状では失格だ。PCのメニューにはカタカナが多いため、場所をとる。だからこそ半角カナがメニューで多用され、カナ部分を横幅2/3に長体化したMS UIゴシックが生まれたのではなかったか。なのにメイリオでは平体になっている。

もっとも、メイリオが全面的に悪いのではない。Win32アプリでのClearTypeは垂直方向へのアンチエイリアスがかからない(WPFならかかる)ので、そもそも漢字や仮名には向いていない。ClearTypeを無視して独自に描画するSafariのほうが、メイリオにかぎっては綺麗に描画する。そのSafariは禁則処理も満足にできない程度の日本語表現力なのだから、皮肉なものだ。

IEとSafariでのメイリオ比較

UACなどは、まだオンのままにしている。一応テスト目的なので、なるべくデフォルトの設定で済ませたい。とはいっても壁紙は無地にし、Windowsサイドバーも無効にしてしまった。かわりにクイック起動バーを画面右端に置こうとして、少し苦労する。ちょっとしたコツが必要なので、リンク先のビデオを参照。

SugarSyncはあいかわらず便利だ。いまは45日間の無料体験期間だが、おそらく正式に申し込むだろう。

底辺PCは液晶の品質がよくない。視野角が狭い上、白飛びする。これはWebなど画面上の色を扱わなくてはならない人間にとっては、きっちり押さえておいたほうがよい。私自身、文字色に微妙な灰色を使ったことがあったので反省した。

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2008-06-08

Link 豚の肉入ってますか

きのう駅前の食料品店で買い物をしてレジの1つでお金を支払おうとしていたところ、隣のレジからたどたどしい日本語が聞こてきた。見ると、小学校低学年くらいの可愛らしい女の子が手に商品を持って、レジの婦人に尋ねている。「あの……これに肉入ってますか?」「うん、なーに?」「これに、豚の肉入ってますか?」。質問の意味を了解したレジ担当者は「入ってないわよー」と答える。その子は嬉しそうに母親と思しきスカーフの女性の元へ走っていき、彼女の母語で何かをしゃべっていた。ねだっているのだろう。

ここまでなら単なる微笑ましい話だ。日本にあっても子供のころから戒律に従って生きているのだなあと思ったりした。が、ふと何を買いたかったのか気になって目をこらしてみたら、少女が手にしていたのはスイカ味のアイスキャンデーだった。アイスキャンデーに肉。たいへん慎重な性格の持ち主なのか、それとも少し考えが及ばなかったのか、いろいろ想像をたくましくしてみたが、よくわからない。

なお、アイスキャンデーはWikipediaによると和製英語らしい。アメリカでは商標が通称になっていてpopsicleと呼ばれ、イギリスではice lolly(あるいは単に略してlolly)と言うらしい。以上はOALDで知ったこと。

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2008-06-12

Link 大江戸線は意外と混む

中野坂上から代々木の事務所(直線距離では小田急の南新宿に近い)に行くときに選択する路線は、(a)丸ノ内線で新宿に出て徒歩、(b)大江戸線で代々木まで行く、の2通りの選択ができる。きょうは(b)を選んでみた。

9時半ごろなので混雑も緩和されていると期待していたら、そんなことはなく、けっこう混んでいる。都庁前でだいぶ降りるかと思えば、それも間違い。新宿では多数の人が降りたが、それと同数に近いほどの乗客が乗ってきた。都営地下鉄の黒字化を牽引しただけあって、わりと乗るものだ。

この話を人にしていたら、光が丘あたりで乗ってくる人が多いらしい。逆に降りるのは、青山一丁目や六本木が多いとのこと。たしかに、新宿から青山一丁目に行くには、大江戸線が一番早い。

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2008-06-18

Link 不快指数

諸般の事情でしばらく実家にいたのだが、けさの新幹線で東京に戻ってきた。

京都駅のホームで列車の到着を待っているとき、何気なく柱に目を向けると、乾湿計を引っかけてあるのに気がついた。気温や湿度だけでなく、不快指数も表示するようになっている。そのときは気温が23℃、湿度が60%ほどで、不快指数を示す針は快適領域の中を指していた。どうでもいいことではあるが、気分がよくなる。

新幹線が名古屋に到着すると、若い女性客が団体で乗り込んできた。そのうちの2人が隣の席に座るなり、無駄話を繰り広げはじめた。運悪く私は耳栓やヘッドホンを棚の鞄に入れてしまっている。音の不可抗力に不快指数が少し上がるが、彼女たちは東京にて研修があるらしく、気の毒に感じてやり過ごした。

彼女たちは小田原を過ぎてからメイクをはじめた。東京メトロのポスターでメイクする女性の絵があって「うちでやろう」というキャッチコピーを出しているのを思い出す。それだけならいいのだが、スプレーを撒かれたのには弱った。臭いが充満するではないか。ここに来て、不快指数ははっきりと不快になった。

この団体はサマンサタバサという、私には初耳のブランドの従業員らしい。Wikipediaによれば若年女性向けブランドだそうで、修学旅行に出かける女子高生を彷彿とさせる従業員たちは、ブランドイメージに適合しているのかもしれない。それはそれでかまわないのだが、東京で研修をするときには団体用にお座敷列車でも手配してくれたほうが一般客としては助かる。

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2008-06-19

Link 物理にあてられる

ランダウ=リフシッツ物理学小教程 新古書店でばかり本を買っていると著作権者に悪い気がするので、たまには新刊書店に足を運んでみる。文庫本売り場で目に止まったのは、ちくま学芸文庫が積極的に理科的な文書の文庫化に取り組んでいたことだ。ランダウ=リフシッツ『物理学小教程』を見たときには本当に驚いた。ちくま学芸文庫は日本のDoverを目指しているのだろうか。

物理法則はいかにして発見されたか ランダウ=リフシッツを電車の中で読めるほどの頭は持ち合わせていないので購入は諦めたが、ちょっとあてられてしまったので、ファインマンの講演録である『物理法則はいかにして発見されたか』(岩波現代文庫)を手にする。ざっと一読しただけだが、著者らしい軽妙な語り口が味わえる。

1本目の講演の第2話において、ファインマンは数学学習の方法を2通り紹介していて、それぞれギリシア式、バビロニア式と呼んでいる。前者は体系的とか演繹的などと言い換えてもいいだろうし、後者は泥縄式とか帰納的などと言ってもよい。物理ではバビロニア式に行くのがいいというのがファインマンの主張だ。「ユークリッド式が困るのは、公理のほうが他のことよりも興味深くて重要であるという印象を与えがちだからです」(p.67)。

著者の誠実さは、物理が誰でもわかるとか、数学なしで済ませるとか、そういったごまかしを行なわないことだ。

数学の深い理解なしにでも自然法則の美しさを肌身に感じとっていただけるようにお話しができたら本当によいのですが、それが不可能であるということばかり強調する結果になるのが、この講義の辛いところです(p.55)。

物理学者が数学以外の言葉に改宗できるとよいのですが、それはできません。自然について学び、自然を理解し鑑賞したいとおっしゃるならば、自然が話す言葉を聞き分ける必要があります。自然が秘密をもらす形式は決まっているのです。こちらが敬意をはらうより先に自然のほうで態度を変えろと要求するほど、私ども傲慢ではありません(p.84)。

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2008-06-20

Link Yahoo!ノートパッド

先月の日記で、複数台のPC使用を前提とした環境で必要なデータを同期させておくための手段を考えた。まとめると、次のようになる。

付箋を複数PCで同期する手段を先月は思いつかなかったのだが、数日前にYahoo!ノートパッドの存在を知った。WebアプリとしてのYahoo!ノートパッドには魅力がないのだが、Yahoo!ウィジェットと組み合わせて使えるのがミソである。Yahoo!ウィジェットの1つに同名のものがあって、このデータをWebアプリ版と同期させることができる。

操作に少しとまどったし、ドラッグ&ドロップができないのは残念だし、Yahoo!ウィジェットの一部である必要もないのだが、それでもデスクトップの付箋データが共用できるのは便利だ。

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2008-06-22

Link 英語は体育か

TOEICの結果が返ってきた。Listening 350、Reading 445で、Total 795点だった。試験中に実感したとおり、LとRとのバランスが悪い。先達に結果を話したら、ほとんど何も準備していない状態で800点弱というのは悪くないと労われる一方、最低900点ないと箸にも棒にもかからないと忠告される。聴き取り能力の向上には時間がかかるだろうから、半年ごとに受験してLを50点ずつ上げることを目標とした。

国際ジャーナリストの英語術 紀伊國屋書店の新宿南口店で買った1冊として、村上吉男『国際ジャーナリストの英語術』(朝日新書、2008年)を紹介する。著者は元朝日の国際部記者。バンコク、ワシントンに赴任しており、ロッキード事件でのスクープで功績があるらしい。

本書はやや雑然と構成されているが、内容を大別すると(1)英語の小ネタ、(2)著者の武勇伝、(3)報道業界日米比較、(4)体験的英語表現法、に分類されるだろう。(1)は第3章の和製英語が該当する。中身は平凡だ。一方、ベトナム戦争やロッキードを扱った(2)はおもしろいのだが、英語とは関係ない。そこでこの記事では、(3)と(4)とを取り上げることとしたい。

事故や事件が新聞記事に掲載されるとき、米国の新聞が時間・場所・人に関してどのように記載するかを記したp.198からの数ページが興味深い。

これほどの大事件でも、日付や発生時間はなく、曜日だけで伝えている。日本の新聞だと、間違いなく、「(○○月)○○日」と報道する(p.199)。

英字新聞では通常、発生時間は入れない。というよりも、時間まで入れるのは、むしろ日本の新聞の特徴と言ったほうがよいだろう(p.200)。

日本の新聞だと、交通事故でも「11日午後2時20分ごろ、台東区西浅草2丁目の路上で」と、日時と場所を特定するが、ニューヨーク・タイムズ紙では“Thursday, in Lower Manhattan”(木曜日に、マンハッタン地区の下町で)となる(p.200)。

日本の新聞では、事故に巻き込まれた人の氏名、年齢が出るが、欧米の新聞では通常、年齢まで書かれることはない。あとでまた触れるが、欧米では個人の人権重視から、事故に関係した人たちの肌の色、国籍、年齢などは、事件の解明のために不可避でない限り報道しない(p.200)。

5Wのうちwho、where、whenについて、日本の新聞は細かく書き連ねるということだ。これに対して米国高級紙では、whatやwhyに重点を置く。取材にかけられる資源は有限なのだから、これはひとつの見識であろう。著者は次のように述べている。

日本の新聞も、目指すところは欧米と変わらない。けれども、何丁目何番地や発生時刻の特定、さらに事故に巻き込まれた人たち全員の性別、年齢などを調べるために、かなりの時間と労力を割くため本質の追及に手が回りにくくなる可能性が出てくる。しかも、いったん原稿にした番地が町名変更で変わっていたとか、年齢も本当のことを言ってくれなかったなどの「直し」が出てくるたびに、事件の本質とはあまり関係のない事柄に多くの時間をとられてしまう(p.203)。

そういった事細かな部分で正確を期そうとすると、官庁や警察の発表をそのまま流すのが最も便利なのだろう。

さて、(4)はオリジナリティに富む内容である。聴話読書の4技能うち「話」をかなり重視しているのが特徴だ。例の挙げかたも、最近は高級ホテルでもルームサービスが音声自動応答になったが、発音が下手だと音声認識されない――といった新しい話題が出てくる。

まず第2章では、著者考案の「Daily Muscle Traning」(p.86)で口のまわりの筋肉を鍛えるべしと説く。これによって英語が話しやすくなるという。つづけて北米英語の発音のうち/{/、/@`/、/l/、/T/(発音記号はSAMPAに準ずる)の発音練習。易から難へと向かうように工夫されている。

ちょっと残念なのは、発音の意識が語頭と語末に集中している点だ。たとえば/l/の発音について、語頭や語末が難しいとは私には思えない。むしろ/fl/とか/kl/など、子音が連続する部分が私には聴き取れないし、おそらくうまく発声できていないのだと思う。

「英語の品格」と題された第4章も、実に興味深い。著者は26歳にしてPh.Dを取得しているだけのことはあって、「高級な」英語表現を行なう重要性を強調している。日本より学歴が強く影響する米国社会では、所属する社会に応じた表現力が求められるわけだ。中学英語でOKなどと言っている英会話本とは明確に異なる。171ページに掲げられている「英語らしい話し方」に近づくコツを引用しよう。

第一に、文章をつなぐような「and」は使わない。第二、「but」と「so」をほかの単語か、別の言い回しにするように努力する。第三、あらゆる事象を主語にもってくるように心がける。そして、第四に、使い古した単語の代わりに、格が上の単語を使うようにする。

たとえば「約」の意味のaboutを、「できるだけapproximatelyと言うようにする」(p.166)とか、become badのかわりに「deteriorate(悪化、劣化、低下、衰退させる)という便利な単語がある」(p.169)など。170ページには、「be in danger → jeopardize」「say again → reiterate」のような「格上げされた単語」の一例が掲載されている。さすがに体験から出ている言葉だけあって、一見すると難しそうに思われるdeteriorateも、COBULD 3では頻度**の扱いになっている。難語というほどではないところがミソらしい。

ちなみに、「さらに上を目指すなら」と、フランス語やラテン語の活用まで述べられている。

なお本記事の題名に取り上げた「英語は体育」というのは、第2章の名前である。体育というのは象徴的な意味で、学校で教えるべき英語は学問ではない、ということだ。つまり、主要教科ではなく副教科だと考えるべきではないか、という。これは木下是雄氏がどこかで書いていたと思うのだが、そもそも「語学」という言葉がおかしい。

個人的には、英語は体育よりも音楽に近いと思う。譜面の読めない歌手がいるのと同様、英文法を知らない話者もいる。言語学も音楽理論も、背後にある生理学的な基礎が未解明であるため、ある程度アドホックにならざるをえない。バイオリンやピアノみたいに英語技能の養成ができるかどうか、などと考えてみる。

最後にひとつ揚げ足をとっておくと、著者自身が「和製英語」に引っかかってしまっている部分があった。p.224での米国・イラン会談について報道した記事の一部だ。

Iraqi officials said the meeting in Baghdad ... was cordial and focused solely on Iraq ... Crocker said that the talks were businesslike and that there was broad agreement with Iran on policy toward Bghdad.

訳では「会談は、誠意ある空気(cordial)の中で事務的(businesslike)に行なわれ、対イラク問題だけに絞って話し合われた結果、全般的な(broad)意見の一致(agreement)がみられたという。」となっている。「誠意ある空気の中で事務的に」という表現にチグハグさを感じとる日本語話者は多いのではなかろうか。

ビジネスライクは日英で意味が異なる代表的な単語で、たとえば『スーパーアンカー英和辞典』を引いてみると、次のように注釈がついている。

日本語の「ビジネスライク」には「事務的な」という否定的含みがあるが、英語の場合はほめるときにのみ用いる。

Tags: 言語

2008-06-24

Link 文脈から推測

実践翻訳の技術 英文読解において「文脈」という言葉を使うと、曖昧な印象を与えることがある。特に、文法一本で読解にあたろうという態度の人には、そう見えることがあるらしい。それでも文脈は頼りになる。今回、別宮貞徳『実践翻訳の技術』(ちくま学芸文庫、2006年、元1980年)を読んでいて好例を見つけたので、ここに記しておく(pp.110-111)。

The Boyfood of Albert Schweitzer

Albert Schweitzer did not find his father's sermons very interesting; in fact they often made him sleepy. But he enjoyed the music and singing at church.

One thing disappointed him at church. There were no prayers of animals. Being a sensitive child, he had already noticed the needless suffering among animals in the village.

この文章を一読するとしよう。最初の段落の第2文を読んだとき、文脈からして唐突な印象を受けると思う。最初の文には「父の説教がつまらない」とあるのに、次の文では「教会の音楽は楽しい」とある。次段落では、教会(church)を媒介してシュバイツアーの動物への慈しみへと話題を変化させている。

白状すれば、私は2段落目に入ったときに文章を頭から読み返した。教会の話題がつづくから、「父親」だと思っていたfatherは実は「神父」のことだったのかと誤読の可能性を疑ったからだ。しかし読み直すと「his father」とあるので、父親で間違いない。となると、文のつながりを破綻させない解釈は絞られる。父親は聖職者に違いない。

すでに就寝の支度をととのえたあとだったので伏臥して読んでいたのだが、気になったので「SchweitzerをWikipediaで引く」とメモ帳に書いておいた。朝起きて思い出し、Wikipediaをあたってみると、「牧師の子として生まれる」とあるので、推測が正しかったことがわかる。

Tags: 言語

2008-06-26

Link 渋谷とエスカレーター

Mさんと夕食をご一緒することになった。

どこで何を食べるかは、いつも人任せにしている。三食が栄養点滴でもかまわないほど、食事に関心を抱いていないためだ。ただし今回は「安い・うまい・多い」の中華料理屋を聞いていたのを思い出し、渋谷で待ち合わせをすることにした。

その店は、上海食堂・福安レストランという。センター街をわりと進んで右手に入ったところにある。日本語のたどたどしい中国人のウエイターがおり、支払い方法もbizarreな感じ。食券の自動販売機があるのだが後払い式になっていて、客が料金を支払うと例のウエイターが自分で食券を買うのだ。風変わりな方式をとっている理由はいくつか思い浮かぶが、あえて触れないことにする。

たしかに料理は量が多い。すた丼も顔負けだ。注文した500円の炒飯を平らげるのに苦労を要した。1000円分の量だという。ビールも瓶(キリン)が350円と、かなり安いらしい。例によって私には料理に興味がないので、この判断はすべてMさんから聞いたものだ。

帰りははじめて副都心線に乗った。副都心線・渋谷駅のホームは半蔵門線のさらに下――地下5階に位置していて、かなり深い。ただし、そのわりにエスカレーターで待たされる感じはなかった。大江戸線の中野坂上やJR中央線の東京駅くらいになると、明らかに長いと感じる。人はどれくらいの時間ならエスカレーターに平気で乗っていられるのだろう。

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2008-06-28

Link Pentium? Pentium!

職場で自由に使えるPCが何台かあって、そのうち1台を主力機として選定する。審査の結果、Lenovoのデスクトップ機を使うことにした。CPUはCeleron D 346(3.06GHz)で、燃費が悪い。幸いソケットがLGA775なので、秋葉原に行って費用対効果の高いCPUを買ってくる。

今回はPentium Dual-Core E2200(2.2GHz)にした。価格は8,980円。ついでにDDR2メモリもDDR2 800の1GB×2として、足回りをよくしておく。BIOSも微妙に対応していて、起動時に警告は出るものの動作はするし、コアごとにオン・オフさせることも可能になっている。

使ってみた感想を書くと、Athlon 64 X2 3800+(2.0GHz)を搭載した自宅の機械よりも心持ち速い。ベンチマークを見るかぎり、Athlon 64 X2 5200+(2.6GHz)に匹敵するようだ。新しいPentiumは、かなりリーズナブルである。

Tags: PC

2008-06-29

Link Core Serverは好感触

さくらのレンタルサーバを借りたことがある人は、スタンダードプランにおけるデータベース機能に難儀した経験があるかもしれない。MySQLが古くて(4.0.27)遅い。WordPressなどの一般的なブログアプリでも、DB に起因する反応速度の低下に気を揉んだことがある。

そういう向きには、Value Domainがxreaの上位版として昨夏から提供しているCore Serverを試してみることを推奨したい。月額500円なので、料金はさくらのスタンダードプランと変わらない。しかし、最大容量15GBでずっと多く(さくら1GB)、PHPも5.2.5と最新に近い。Pythonも2.4.3と許容範囲内だ。データベースはMySQL 5.1.22-RCに加えてPostgreSQL 8.2.4が入っているのが嬉しい。おまけに数が無制限に作れる。1データベース1ユーザという制約があるが、たいした問題にはなるまい。

某サイトの一部をCore Serverに移して、応答速度などを確かめてみた。一定以上の負荷がつづくと強制退会もありうるそうなので、今は10万リクエスト/日あたりに設定している。このときの転送量が1GB/日弱で、CPU負荷が制限の1000 pts(ポイント算出方法は、よくわからない)をときどき上回るていどに収まっている。反応は快適である。強いて言えば、Webの管理画面が素人お断りの出来になっている点が初心者には厳しいかもしれない。

制約を述べておくと、PHPがセーフモードで起動している点を挙げておかなくてはならない。特に Apacheからディレクトリを作成する際にファイル権限の問題で失敗することがあるだろう。CGI版に切り替えるといった対処法がある。

もっと自由を求めるとVPSになるのだろうが、VPSサービスの利用経験が私にはないので何とも言えない。Slicehostの評判がいい。Server Axisも、紙の上ではよさそう。いずれもHosting fu Xen Hostingによる。

Tags: web

2008-06-30

Link ThunderbirdのログをGmailに

Gmailを本格的に使い出したのは今年の4月からで、それ以前はThunderbird 2.0.xを利用していた。もうThunderbirdを使う気はないのだが、メールのログが残っている。Windows Search(従来のWindowsデスクトップサーチ)はThunderbirdの形式には対応しないから、テキストファイルへの出力を検討していた。

そんななか、Google Email Uploaderというユーティリティを知る(「窓の杜」の紹介記事)。このソフトウェアを使うと、OutlookやOutlook Express、Thunderbirdのメールログとアドレス帳をGmailに転送してくれるそうだ。

注意。FAQに書いてあるとおり、通常のGmailアカウントでは同ソフトは使えない。Google Appsが必要となる。私はたまたま自分のドメインでGoogle Apps Team Edition(無料)を使っていたからよいものの、なんだかケチくさい話だ。

作業自体はきわめて簡単で、数回クリックしたあとはアップロードの完了を待つだけだった。エラーが24件あったが、内容は不明。ともあれ、Thunderbirdで管理していた分はすべてGmailに移管できた。その前にはWz Mailを使っていたのだが、こちらのログはmbox形式のテキストファイルなので、ふつうにファイル検索が可能だ。

Tags: PC


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