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十日日記


2008-06-24

Link 文脈から推測

実践翻訳の技術 英文読解において「文脈」という言葉を使うと、曖昧な印象を与えることがある。特に、文法一本で読解にあたろうという態度の人には、そう見えることがあるらしい。それでも文脈は頼りになる。今回、別宮貞徳『実践翻訳の技術』(ちくま学芸文庫、2006年、元1980年)を読んでいて好例を見つけたので、ここに記しておく(pp.110-111)。

The Boyfood of Albert Schweitzer

Albert Schweitzer did not find his father's sermons very interesting; in fact they often made him sleepy. But he enjoyed the music and singing at church.

One thing disappointed him at church. There were no prayers of animals. Being a sensitive child, he had already noticed the needless suffering among animals in the village.

この文章を一読するとしよう。最初の段落の第2文を読んだとき、文脈からして唐突な印象を受けると思う。最初の文には「父の説教がつまらない」とあるのに、次の文では「教会の音楽は楽しい」とある。次段落では、教会(church)を媒介してシュバイツアーの動物への慈しみへと話題を変化させている。

白状すれば、私は2段落目に入ったときに文章を頭から読み返した。教会の話題がつづくから、「父親」だと思っていたfatherは実は「神父」のことだったのかと誤読の可能性を疑ったからだ。しかし読み直すと「his father」とあるので、父親で間違いない。となると、文のつながりを破綻させない解釈は絞られる。父親は聖職者に違いない。

すでに就寝の支度をととのえたあとだったので伏臥して読んでいたのだが、気になったので「SchweitzerをWikipediaで引く」とメモ帳に書いておいた。朝起きて思い出し、Wikipediaをあたってみると、「牧師の子として生まれる」とあるので、推測が正しかったことがわかる。

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渡辺 慎太郎(na@10days.org)

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