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十日日記


2008-07-01

Link 何気ない英語の翻訳

科学や工学の専門書は、おそらく翻訳が最も簡単な部類の英文だろうと思う。テクニカルタームに通じており、扱われている内容について一定の理解があれば、日本語に直すことができる。

これに対して、何気ない英語を何気ない日本語にするのは、ずっと難しかろう。たとえば「Welcome to the club.」とは中年男性が口にしそうな言葉だが、その意味するところをうまく日本語にするのは私には難しい。「お前もこっちに来ちまったな」みたいな感じだろうか。

きょう別宮貞徳『実践翻訳の技術』(ちくま学芸文庫)を読んでいて感嘆したのは、次の1文である(p.251)。

He went out as I came in.

この訳が、「彼は私と入れちがいに出て行った」となっていた。「入れちがい」とは、なんと自然な日本語なのだろう。いまの私には思いもよらない。英語・日本語ともども、もっと研鑽を積まなくてはならないと反省させられた。

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2008-07-03

Link 曜日を利用日に

乗換案内の検索に、私はふだんYahoo!路線情報を使っている。このほかInfoseekgooといったポータルサイトや、ジョルダン駅探NAVITIMEのような専門業者のサイトもある。

こうしたページを使っていて不思議なのは、日付を選択するときに曜日が一緒に表示されないことだ。上で掲げたページはすべてそうである。

Yahoo!路線検索

私が路線検索をするときには、平日・土曜・休日の区別があれば十分であることが多い。だから実際には3択で構わないのだが、盆と正月や遠距離・空路を考慮に入れると、日付で検索する形のほうがよい。となると理想的なのは、日付と一緒に曜日も表示してくれることだろう。サンプル画面を用意してみた。

路線検索改善案

土曜・日曜で色を変えたのはオマケである。色を変えるとなると祝日も変更する必要が出てくるので、ほんの少しだけ手間が増える。しかし、メニューに曜日を加えるのは難しいことではない。Yahoo!に要望を送ろうと思ったのだが、宛先が不明なので、ここに記すことにした。

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2008-07-04

Link Gmailでメールが消えた

Gmailでメールが消えた。クララが立ったくらい信じがたい話だが、紛れもない事実だ。昼にいただいたメールの返事を夜になって書こうとしたら、そのメールが見つからない。ベータ版とはいえGmailでこんなことを経験するのは、もちろん初めてだ。

ほとんど無意識の操作に近かったのだが、ざっと見たときに「e」キーを押してアーカイブ化したように思う。その瞬間に妙なことでも起きたのだろうか。使用していたブラウザはFirefox 3.0で、昼に使っていたOSはWindows XP Professional SP3だった。夜に使用していたOSはWindows XP Home SP3で、ブラウザは同じ。

Weave思い当たる節と言えば、Mozilla Weaveがバージョンアップしてから著しく不安定で、画面を閉じたあと「Syncing with Weave...」と表示させたままになってしまうとか、Firebugが新しくなってGmailでもオンになっていたのに気がつかなかったくらいか。その後はメール消失がないようなので、本当に偶然だったのかもしれない。

追記。これを書いてから寝た翌日の朝、Gmailにアクセスしたら次の画面が出てきた。私のアカウントで何か問題が起きていたのかもしれない。いまは平常どおり使えている。

画像の説明

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2008-07-05

Link 単語帳2年目

Merriam-Webster's Vocabulary Builder 昨年の6月にMerriam-Webster's Vocabulary Builderという単語帳を始めた。その後、英米の単語帳に興味が出てきて何冊か買ってみたものの、これほどの出来のものは未だ見つからない。ちなみにリンク先のGoogleブック検索で、一部が閲覧可能になっている。興味のある方は立ち読みがわりにご覧ください。この本はアマゾンで655円で買える。576ページあることを考えれば、コストパフォーマンスは高い。

通勤時に少しずつ読んでいて、ようやく半分を越したところだ。いまは電車に乗っている時間が片道30分ほどあるので、今年中の通読を目標にしたい。一通り読んだところで内容を憶えているわけがないから、2巡目から暗記にとりかかろうと考えている。もうすでにボロボロになっているため、そのころにはもう1冊必要かもしれない。

最近読んだ中で印象に残った語根は「UBMR」で、これはラテン語のumbraすなわち「影」だという。子供のころに綴りが憶えにくかった単語に傘(umbrella)があったのだが、影を作るものというものだったのだなあと納得する。penumbraを『スーパーアンカー英和辞典』で引くと天文学用語として「半影部」とか「皆既食の周辺の半影の部分」と出ている。同書の例文は

This area of the investigation was the penumbra where both the FBI and the CIA wanted to pursue their leads.

で、比喩として使うとグレーゾーンみたいな意味の言葉だとわかる。

きょう読んだところでは、「GNI/GNO」がto knowというのがよかった。ignorantとかrecognizeとか、思えばそういう語根である。また、「CAD/CID/CAS」がto fallというのも知らなかった。accidentは天から降りかかってくるものだ。少し前から、戦闘での軍人死傷者を意味するcasualtyがcasualとどのような関係があるのか漠然と疑問に思っていたので、ひじょうに有用だった。

書きたかったのはそんなことではなかった。何か月か前にfromとsinceとの違いを述べたときに、「from+時点+方向の前置詞」で時間の幅を表わすことができるが現在完了の例が記憶にないと書いたのだけれど、同書を読んでいてお目にかかることができた。ただし挿入なので、ビンゴとは言いがたい。

Human cultures in all eras, from the Ston Age onward, have left behind artifacts from which we can learn about thier lives.

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2008-07-06

Link お笑い電子政府:国保の巻

1カ月間だけ加入した国民健康保険を脱退する必要がある。

中野区に転入したとき、住基カードを発行した上で電子証明書を取得した。今回は接触型カードなので、読取装置が数千円で買える。前いた大阪府枚方市など非接触型カードになっていて、装置が数万円するというアホらしい状況だった。来年は確定申告するので電子申請に慣れておこうと思い、予めシャープの機械を買っておいたのだ。

電子申請システムによる手続に関する情報国民健康保険に加入するとき、初めて使う機会が訪れた――はずだった。電子政府の総合窓口にアクセスして、社会保障国民健康保険に関する届出等資格取得の届出(転入したとき)と進んでいくと、現れたのは「提出先窓口まで提出して下さい」という文字列。画面写真のとおり、「電子申請システムによる手続に関する情報」欄には何も書かれていない。

ないものは仕方がないので、中野区役所まで足を運んだ。並びはしたものの手続き自体はスムーズに済み、使わずじまいになる保険証も即日で発行してもらった。さて帰ろうかとしたときに目に止まったのが、掲示板に貼られていた電子申請の案内だった。案内には、電子申請ができると書かれてある。ひょっとして、無駄足だったのだろうか。

自宅に帰って中野区役所のページを調べてみて、ようやく事情を飲み込んだ。(1)加入については不可能だが、脱退については電子申請可能であること。(2)手続きは電子政府の総合窓口ではなく東京電子自治体共同運営サービスから行なうこと。

ちなみに、国民年金への加入届も東京電子自治体共同運営サービスから行なえる。この件について「電子政府の総合窓口」では案内がいっさいないが、地方自治体は政府とは無関係だというのが言い分なのだろう。英語ではlocal governmentというけれど、日本語で「政府」というと国の機関だけだものなあ。とにかく、以上が今回語るための前口上である。

さて、今回は国保からの脱退なので、電子申請できる。休日を利用して、操作してみることにした。こうしたWebサイトは使い勝手が独特だと相場が決まっているから、日本を巣食うといわれるIT怪獣ゼネゴンのなせる業を堪能させてもらうことにしよう。

表レイアウト

まず、利用者IDとパスワードが必要だ。さっさと発行する。いかにも役所の文書を彷彿とさせる表レイアウトの画面に親しみを抱いた(私も罫線は好きだ)ので、画面写真を撮っておいた。上図において画面右下のディスプレイボタンを押すと、新しくウィンドウが表示されるので、IDとパスワードを入力する。すると、次のフォームに切り替わる。

入力フォーム

「*印は必ず入力してください」とあるので、フリガナを入力したあと氏名を入力しようとすると……できない。世帯主や電話番号は可能なのに、氏名だけ入力できない。IMEがおかしくなったのかと思ってペーストしようと思ったら、それもできない。ソースを見ると、

<input maxlength="20" name="id_publisher_name" onblur="collect_chkRequired(this,'氏名');collect_chkZenkaku(this,'氏名');collect_chkLength(this,'氏名','20');" readonly="readonly" style="padding: 0px; position: absolute; left: 160px; top: 208px; width: 360px; height: 24px; text-align: left; color: rgb(0, 0, 0); background-color: rgb(255, 255, 255); font-family: 'MS 明朝'; font-size: 16px; font-weight: normal; font-style: normal; text-decoration: none; ime-mode: active; letter-spacing: 0px;" tabindex="2" value="" type="text">

readonly属性がかかっているではないか。

ここへきてようやく赤枠で囲まれた――少なくともそのように意図された文字を読んでみると、

入力をする前に、画面下の「電子証明書引用」ボタンを押し、公的個人認証サービスの電子証明書を読み込ませてください。届出者のお名前を自動転記します。

とある。つまり、名前は自分で入力してはいけない、ということだ。なぜ「名前だけ」ダメなのか理解できない。それに、入力できないならそれらしい意匠にしてほしい。

USB接続の読取装置に住基カードを入れて、ボタンを押す。Javaのアイコンが出たあと、エラー。コンソールには、次のように書かれていた。

java.lang.NoClassDefFoundError: org/apache/xml/utils/PrefixResolver
 at jp.co.nec.eapli.common.Manager.<init>(Manager.java:235)
 at jp.co.nec.eapli.common.Manager.<init>(Manager.java:242)
 at jp.co.nec.eapli.common.SetupManager.<init>(SetupManager.java:2364)
 at jp.co.nec.eapli.common.SetupManager.getInstance(SetupManager.java:1916)
 at jp.co.nec.eapli.common.cert.ServerInterface.init(ServerInterface.java:202)
 at jp.co.nec.eapli.common.cert.SmartCardServerInterface.<init>(SmartCardServerInterface.java:32)
 at jp.co.nec.eapli.common.cert.SmartCardPanel.init(SmartCardPanel.java:61)
 at jp.co.nec.eapli.common.cert.SmartCardCertPanel.<init>(SmartCardCertPanel.java:175)
 at jp.co.nec.eapli.common.cert.applet.SignerApplet.makeCertPanels(SignerApplet.java:191)
 at jp.co.nec.eapli.common.cert.applet.SignerApplet.start(SignerApplet.java:264)
 at sun.applet.AppletPanel.run(Unknown Source)
 at java.lang.Thread.run(Unknown Source)
Caused by: java.lang.ClassNotFoundException: org.apache.xml.utils.PrefixResolver
 at sun.applet.AppletClassLoader.findClass(Unknown Source)
 at java.lang.ClassLoader.loadClass(Unknown Source)
 at sun.applet.AppletClassLoader.loadClass(Unknown Source)
 at java.lang.ClassLoader.loadClass(Unknown Source)
 at java.lang.ClassLoader.loadClassInternal(Unknown Source)
 ... 12 more

そういえば装置のUSBケーブルを外していたのを思い出し、差し込んでから再度試すと、今度はFirefox 3.0が異常終了してしまった。そういえばちょっと前にJava6にした覚えがある。それに、Firefoxは動作保証対象外かもしれない。

いちどPC自体を再起動したのち、公的個人認証サービスの「JPKI利用者ソフト」を使って、動作確認を行なう。動作確認はOKで、自分の証明書も見ることができた。念を入れて、JREに再度キーを登録しておく。

キーの登録

ついでにランタイムの対応バージョンを確かめようとしたのだが、中野区のページではブラウザについてしか書かれていなかった。(さらにNetscape 7.2は対応しているもののFirefoxについては記載がなかった。)そこで東京電子自治体共同運営サービスにアクセスすると、こちらはトップページに「7月1日 JAVAの対応バージョンについて」とあり、クリックすると以下の情報が得られた。

・Windows2000、WindowsXPをご利用の場合
    JRE 1.4.2_17 , JRE 5.0 update15 , JRE 6 update6
    J2SE SDK 1.4.2_17 , J2SE 5.0 update15 , JDK 6 update6
・WindowsVistaをご利用の場合
    JRE 6 update6
    JDK 6 update6

JRE 6 update6を使っているので、Javaのバージョンは問題なかろう。ブラウザが原因か。同じくトップページに書かれていたInternet Explorer 7についての注意事項も読んで、今度はIEで挑戦してみる。が、やはりダメ。Javaで同じエラーが出て、先に進めない。

いちおう私にとってITは飯の種なので、世間一般の水準よりも周辺知識があるほうだと思う。それでもこの有様だ。ちなみにこの申請ページでは、旧保険証のスキャン画像を添付することになっているのだが、「ファイル名は半角英数字としてください」と断り書きがある。これで一般の方に通じるのかどうか、私には疑問だ。

この話が「お笑い」なのは、住基カードと一緒にもらった東京都のパンフレットの表紙が手元にあるからだ。お年寄りの方が、「窓口に行くのは大変だ」と独白しているのだが、たぶん窓口に行くほうがずっと楽だろう。1時間以上費やして失敗することもない。

パンフレット

もう少しマジメな話をすると、国民健康保険の脱退に電子証明書は不要だろう。なぜなら、電子申請しても国民健康保険証は区役所に郵送することになっている。そして何より、ダウンロードしたPDFの申請書に必要事項を記入して郵送すれば、それだけで受理されるのだ。本人確認も必要ない。それなのに、わざわざ住基カードを使って電子申請するのもアホらしいではないか。

都民としては、このサービスを使って国保の脱退手続きを行なった者が過去に何人いるのか、ぜひ知りたいものだ。私は年100人もいないと思う。道路や箱物の公共事業が税金のムダ遣いとして批判されるけれど、それらは形として残るだけいい。また目につきやすい。これに対してITシステムなど、ほとんど何も残らない。

そういうわけで、私はPDFファイルをダウンロードして、記入例にならって必要事項を手書きした。これもなかなかおもしろくて、「太線の中だけ記入してください」と書いてあるのに、しょっぱなから太線の外側に丸を書き込まなくてはならない。(加入か喪失かの選択をするため。)

PDFの申請書

記入例

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2008-07-07

Link 美しいキーボード

控えをとるのに使用している外付けHDDケースは、ラトックのSA-DK1EUだ。eSATA/USB 2.0接続のカートリッジ式で、HDDの冷却もしっかりしており、事務所では実用的だと思う。ただし40mmファンが2つ高速で回っているため、音に敏感な人間が自宅で使うのは厳しい。

センチュリー 冷やし系HDD検温番 数カ月前にEさんから外付けHDDの推奨品を尋ねられたとき、ざっと調べているとセンチュリーの冷やし系HDD検温番が目に止まった。ファンが80mmと大型でオンオフができるようになっているし、温度センサーがあるのもよい。また、本体の電源がハードウェアスイッチになっているのも単純で気に入った。問題は紅色をあしらった色遣いだけだと思っていたところ、色違いのマットブラック版が出たので、購入することにした。

使ってみたところ、ファンは5V-0.15Aで最低でも1600rpmあるので、そんなに静かではない。1000rpmを切るくらいまで落ちればよいのだが、それくらいの冷却効果ならオフにしておいたほうがマシという判断かもしれない。スイッチがあるのはよいことだ。

そんなことよりも、ある店で展示されていたHP 2133 Mini-Note PCには驚かされた。私は漠然と工人舎のミニノートPCを想像していたのだが、質感がまったく違い、MacBook Proのような出来映えである。特にキーボードの美しさにはほれぼれする。キーピッチは17.5mmとゆとりがあるので、手の大きな私でも楽に打鍵できる。

Tags: PC

2008-07-08

Link 紀伊國屋書店新宿本店地下

新宿三丁目で本を買うときには、紀伊國屋書店とジュンク堂との二者択一になる。私はたいてい後者を選ぶ。梅田店にしろ新宿本店にしろ、なぜか紀伊國屋では落ち着かない。新宿南店はけっこう好きなのだけれど。

新宿本店の地下は食堂街になっている。ここでご飯を食べて、2回連続で腹をこわしてしまう。料理はおいしかったし、行った店も異なる。人に言わせると、水が合わないのだろうということだった。

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2008-07-10

Link so...thatの主語にso

あいかわらずVocabulary Builderからネタを出す。so...that構文の「so ...」部は補語や修飾語に出現すると期待されがちだが、主語に現れることもある。それがp.279に出ていた次の例。

Some patients were transfused with animal blood, and so many died because of the procedure that it was outlawed in most of Europe by 1700.

(患者の中には動物の血を輸血された者もいた。死者があまりに多かったため、この術式は1700年までには広くヨーロッパで違法となった。)

この「係り結び」に気がつかないと、thatの役割を関係詞と誤解してしまうかもしれない。

Tags: 言語

2008-07-11

Link 横向きに噴出するスプリンクラー

7月10日は浅草寺の功徳日にあたり、なんと御利益が4万6000日もつづくのだそうだ。色違いのシーツを5枚もつける日本文化センターも真っ青の大盤振る舞いに感銘を受け、教えてくださったTさんと雷門で落ち合って参詣する。

帰りに通りを歩いていたら、突然、左手のビルからシュシュシュという音が聞こえた。目をこらしてみると、奥まった玄関の両側に水道管がついていて、そこから水が横向きに噴出されている。玄関には小さな水たまりができた。

なんのために設置しているのか訝しんでいたら、Tさん曰く、ホームレスが寝そべらないようにするためではないか、という。この発想は思いつかなかった。

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2008-07-12

Link 仮想記憶をRAMディスクに

自宅で使用している機械の主記憶を3GBにした。気をよくした挙げ句、もはやページングファイルは必要なかろうと思って消してしまった。すると、Adobe Photoshop CS2で副作用が出る。

仕方がないので、Gavotte Ramdiskを使って512MBのRAMディスクを作成し、そこに478MBのページングファイルを置くことにした。それから1カ月ほど経つが、特に問題なく稼働している。

Tags: PC

2008-07-13

Link 洗濯と蜘蛛

金曜の夜に洗濯物を抱えてコインランドリーに足を運ぶと、次のような貼紙がしてあった。

突然ですが、今日と明日お休みします。

今週は量が多いから金曜・土曜と分けて洗濯しようと思っていただけに、唐突な知らせに店の前でしばらく立ち尽くした。

日曜日の朝。店に行ってみると、2日分の客が一時に押しかけ、たいへんな混雑になっている。ふだんは乾燥まで済ませてしまうのだが、今回はワイシャツだけ別にしておいた。乾燥機を使うと皺になりやすいし、きょうは朝から暑くて乾きが早いと思われたからだ。

シャツを干そうとして窓を開けると、目の前に蜘蛛がいた。洗濯紐と洗濯ばさみを足場にして、小さいながらも立派な巣をかけている。巣の中には昆虫の死骸らしきものもあって、餌場として機能しているようだ。このところ家の中で蝿を見ないので、金鳥「虫コナーズ」が効いたと判断していたのだが、この蜘蛛も貢献していたのかもしれない。

蜘蛛は益虫だし、私は好きなので、洗濯紐の左半分を譲ることにした。

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2008-07-14

Link 左右の別

あたしゃ細かいところが気になる質でして――とはコロンボ警部補が言いそうな台詞だ。私は、日常生活で発生する細かい出来事を楽しみたいと思っている。

日曜日、紀伊國屋書店の新宿南口店4階を散策しているとき、親子連れらしき2人が上りエスカレーターでフロアに入ってきた。1人は20代男性、もう1人は50代女性のように見える。男性が前を歩いている。

男性はフロアに入るなり「左」と言って、そのまま右(!)に折れていった。女性は前を見ていなかったのか、声を聞いて左にしばらく進んだのち男性がいないことに気がつき、「そっちは右だよ」とつぶやきながら後を追いかけていた。

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2008-07-16

Link 東へ西へ

どうも心が上の空にあったのか、電車にまつわる頓馬な失敗を2日つづけてしまう。

おとといの夜、丸ノ内線でうとうとしているうちに寝過してしまった。東高円寺で降りて反対側のホームに移動しようとしたのだが、この駅はホームをまたげないようになっている。(わざわざ張り紙がしてあった。)おかげで、乗越料金と戻りの電車賃あわせて320円を余計に支払って帰宅した。

きのうの朝、赤坂見附で電車を待っていると、銀座線が人身事故で運転中止のため振替輸送をしているという告知を駅員が行なっている。そこで永田町まで歩いて、半蔵門線に乗り換えた。押上行きが発車するところだったので、あわてて飛び乗る。

半蔵門線は、座席がぜんぶ埋まって立っている乗客が数名といった感じで、想像したよりもずっと空いていた。そして私は単語帳に目を通しはじめたのだが、訝しい視線を感じる。ふと気がついて顔を前にやると、「女性専用車両」のステッカーが目に入る。周りを見渡しても、たしかに男が私しかいない。気づいた次の駅で、逃げるようにして隣の車両に移動した。

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2008-07-18

Link 人に怒りを感じなくなった経緯

最近、ある人の人格形成にかかわるエピソードを聞いた。自分の人格に関心がないためか、そういう視点で我が身を省みたことがなかったので、新鮮な驚きだった。人の過去の話を聞いているうちに、自らの過去の記憶の一部が蘇ることもあった。次に述べることは誰にも打ち明けずに20年以上胸の内に秘めていたのだが、もうそろそろ書いてもいいころかもしれない。

周囲の者がどう受け止めているかはともかく、私自身は他人に対して怒りを覚えることがまったくない。少なくとも思春期を迎えて以降というもの、記憶に残るかぎりにおいては、人に腹が立つことはなかった。(気の毒に感じることはある。)かといって、怒りの感情がないわけではない。憶えている中で最大の怒りは、9歳のとき、自分自身に対するものだ。

5月から7月のあいだだったと思うのだが、はっきりしない。ある日、友達の誕生日会に行くことになった。プレゼントとして私は漫画本を選び、書店で買ってきた。それを見た6歳の妹は、漫画を読みたがった。妹は7歳にしてアガサ・クリスティを愛読するような知性の持ち主だったので、漫画くらいはわけもない。

私は断った。本を読んでしまうと、せっかくの贈答品が「中古品」になってしまい価値が下がると思い、私自身も手をつけずにいたし、物の扱いがぞんざいな妹のことだから、読んでいるあいだに本を汚したりすることも起こりうる。

その日は習い事か何かで、誕生日会に行く前に家を留守にしなくてはならなかった。私は自分の留守中に妹が本を読んでしまうことを恐れ、感情にまかせて口汚く脅した。内容は憶えていないが、小学生が喧嘩の際に言いそうなことだったと思う。そして、後ろ髪を引かれる思いで家を出た。

帰宅してすぐに、妹が本を読まなかったかどうか母に尋ねた。すると、本人は漫画をとても読みたがっていたが、「読んだらお兄ちゃんが怒るから」と怖がって手を触れなかったという。

この話を聞いたとき、私は努めて平静を装っていたものの、内心では愕然としていた。妹に対して申し訳ない気持ちが浮かんだあと、次に襲ってきたのは自分自身に対する憎しみにも近い強い怒りだった。もう取り返しがつかない。自己の行為をこれほど恥じた経験は、後にも先にも一度もない。長い年月を経て、怒りは悲しみに変化する。思い出すと、いまだに泣きたくなる。

それ以来、人の行為に対して怒りを覚えそうになったとき、自分がそれに値するだけの人間かという疑念が先に浮かぶようになった。そうこうしているうちに、やがて怒りそのものをあまり感じなくなってしまった。しかし今でも、強い感情が契機となって上の出来事を思い出すことがある。

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2008-07-19

Link 4トン2台手配しました

帰宅すると、FAXの留守電ランプが点滅している。わが家の機械(ブラザーMFC-880CDN)は「見るだけ受信」という機能があって、用紙の上部を画面表示させた上で印刷するかどうかを決定することができる。

それで画面表示させてみた。小さな画面に縮小表示させるから明確には読み取れないのだが、「請求書」と書いてある気がする。請求書? 私は通販好きで買い物はするけれど、FAX番号を書くことはない。もしかして架空請求詐欺にはFAX版もあるのだろうか。

怖い物見たさで印刷を実行してみると、自動検眼システム一式15万円の請求書だった。宛先は新宿区内の眼鏡屋になっているので、単なる間違いFAXと思われる。自動検眼システムというのは、おそらくオートレフというやつで、両目を当てると視力が測定できる小箱のような機械のことだろう。あれは15万だったのかと、少し勉強になった。

間違いの請求書が届くことは、過去3年で2回経験している。いずれもゲットプラスという通販業者で、実は2回買い物をして2回とも請求書の宛先と内容とが間違っているので、ひょっとして根本的にずれているのではないかと疑っているのだが、これを確かめるためには再度買い物をしなくはならない。

間違いFAXも、過去に何度か経験している。その中でいちばん私を狼狽させたのは、夜中の1時すぎに突然送られてきて、マジックでただ「4t、2台手配しました」と大書してあるFAXだった。翌日にアパートの隣人が引っ越すためトラックを用意すると聞いていたので、かわりに私のところに連絡するよう業者に頼んでおいたのかとか、4トントラック2台だったらアパートの部屋の体積より広いのではないかとか、いろいろ考えてしまった。翌日、隣人が借りていたのが軽トラックであるのを目にして、ようやくホッとしたものだ。

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2008-07-20

Link fascinatingは魅惑的か

「新スタートレック」の「Unification」という2部作(III)で、データ少佐とスポック大使が対話する場面があり、その中でのスポックの「fascinating」という単語の用法に興味をもった。

と書いてもトレッキー以外には理解不能だろうから補足しておく。データ少佐はアンドロイドで、感情機能がない。それでも人間に近づこうとしていて、感情を理解したがっている。いっぽうのスポック大使はバルカン人と地球人との混血だ。バルカン人は論理を重んじ瞑想によって感情を滅却するため、感情をまったく表に出さない種族である。

自分が熱望している感情を捨て去ることをよしとするバルカン人の考え方に興味をもったデータが、スポックに質問したのが次の対話の部分だ。

Data: As you examine your life, do you find you have missed your humanity?
Spock: I have no regrets.
Data:'No regrets.' That is a human expression.
Spock: Yes. Fascinating.

fascinatingの訳語として「魅惑的」というのを、学生時代に単語帳で憶えたような気がする。しかし、この例で「魅惑的」というのは少し変だ。日本語吹き替えでは「驚きだね」となっていた。経緯を記すと先に吹き替えを聞いていて、この「驚きだね」はintriguingの訳かと思って原語を調べたら、fascinatingだったという次第だ。

fascinatingを『スーパーアンカー英和』で引いてみると、「魅惑的な、心を奪う、 非常に美しい」という語義とともに、用例が「fascinating diamonds(非常に美しいダイヤモンド)」「a fascinating smile(人をうっとりさせる魅力的な微笑)」となっている。これらはたしかに「魅惑的」という日本語と合致する。

ところがOALD7の用例は、かなり違う。

  • a fascinating story / subject
  • The results of the survey made fascinating reading.
  • It's fascinating to see how different people approach the problem.
  • I fail to see what women find so fascinating about him.

上の3例などは、知的な興味を表現した言葉のように見える。OALD7での語義は、「extremely interesting and attractive」となっていた。「魅惑的」ではattractiveの訳にはなってもinterestingとは言いがたいのではなかろうか。動詞のfascinateとは少し違うようなので、注意が必要だ。

「魅惑的」とはどういうものかというと、それは下のCMでの小雪の上目遣いとかを指すのではなかろうか。ちなみに背景音楽は「ウィスキーが、お好きでしょ」で、この曲を初めて聞いた中学時代の私は石川さゆりのファンになった。

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2008-07-21

Link 15年ぶりの出会い

子供の頃にほしかったものの果たせず、本意ない気持ちを大人になってから思い出して購入する本がある。たとえば私の場合、『荀子』がそうだった。そしてこの前、新高円寺のブックオフで百円コーナーに陳列されている本を見たとき、15年前の記憶が蘇った。

ネーミング辞典 『ネーミング辞典』(学研、第2版、2000年)を最初に見たのは中学3年のときだ。エレクトーンの授業の帰りに寄った、大阪府枚方市御殿山の水嶋書店に並んでいた。この書名はかなりミスリーディングで、実際にはテーマ別に分類された8カ国語単語帳である。たとえば「馬・鹿・牛」と書かれた見開き(pp.342-343)の最初の項目は「馬」で、下の表のように単語がひたすら並んでいる。

画像の説明

こういうのを眺めていると、飽きない。たしかに同語族の言語は単語が似通ってはいるが、基本的な語彙の中ではけっこう違ったりする。それに、ラテン語とギリシャ語はかなり違う。古代ローマの東方ではギリシャ語が共通語だったし、ローマ人のエリート階層たちもギリシャ語の素養は重要だったはずだが、その習得はそう容易ではなかったのではないか。

当時、この辞典を買うか買うまいかで相当に悩み、結局あきらめた。たぶんそのお金は蔦屋書店(いまのTSUTAYA)に流れたように思う。それが百円で並んでいるのを見て嬉しさを覚えたのと同時に、15年前の思い出の価値も値下げされた気がして、なんとなく切なかった。すぐに買ったのは言うまでもない。

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2008-07-23

Link オセロと太鼓

この連休は、根を詰めた作業を2日つづけて頭がだいぶ疲れてきた。こういうときには、体を動かすのがいちばんだと思う。そこで新中野・代々木間を歩いて往復した。

街を歩けばさまざまな人間模様を眺めることができる。特に新宿は、マイクロフト・ホームズの言う「the spot」(ギリシャ語通訳)だ。

"To any one who wishes to study mankind this is the spot," said Mycroft.
(人間観察を探求する者にとって、ここは打って付けの場所だ。)

若いホームレスと中年のホームレスがそれぞれゴザの上で胡座を組んで、百円ショップにあるような小さい盤でオセロをしている。黒がかなり優勢だが、通りがかっただけでは2人のどちらが黒かはわからなかった。

甲州街道で赤い自動二輪が信号待ちをしている。運転しているのは若い男性。暇になったのか、ハンドルから手を離して、バイクの背中の部分を太鼓がわりに叩きはじめた。なかなかいいリズムだ。若者はバイク叩きに夢中になっていたのか、信号が変わってもなお太鼓叩きをつづけていた。やがて隣の車の通過で我に返り、西へ走り去っていった。

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2008-07-26

Link 加減法とステレオ放送

ときどき昔の教師根性が顔を出して、数学や科学の身近な応用例を見つけると、ついメモってしまったりする。最近では、連立方程式の加減法とステレオ放送との絡みについて。

テレビのステレオ放送では、左右の音声が単純に分離されて送信されているわけではない。それだと、モノラルテレビで左(主音声)しか聞こえなくなってしまう。ではどうしているかというと、主音声で左+右、副音声で左−右の信号を送っている。記号を使って、L+R、L-Rとしよう。

これを合成するには、連立方程式の計算に出てくる加減法を使えばよい。復号時に辺々を足せばRが消去されて2Lになるし、引けばLが消えて2Rになる。こんな感じで、消去することを前提に設計されている。こんな話に、いまどきの子供は感心してくれるかなあ。

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2008-07-27

Link 「4」の斜め線

ある方が子供のころから疑問に思っていたことのひとつに、「4」の形状があるという。斜めの線の上側が縦棒とくっついている場合もあれば、離れている場合もある。これらを同じ数字として扱うことが妥当なのかどうか、子供心に悩んだそうだ。

こういう天才的な着眼を聞くと、興奮せずにはいられない。私も子供時分に「4」には違和感があったけれど、それはMacで「Times Roman」という書体を初めて見たときで、4の横棒が太いことだった。当時の私はCentury系の数字を当然視していたから、4の横棒は細いのが普通だと思い込んでいたのだ。

アラビア数字はアラブ世界のインド数字が元で、起源は古代インドのブラーフミー数字に遡る。以下に、Wikipediaから頂戴したブラーフミー数字を掲げよう。

ブラーフミー数字

アラビア数字の起源は「角の数」だという説を耳にしたことがあるのだけれど、これらの数字を見ると、あまりそういう気がしない。むしろ、一筆書きと考えるほうが自然だと思う。つまりブラーフミー数字の「二」を一筆書きすると「Z」みたいになるし、「三」を一筆書きしようとすると「∃」みたいになる。ブラーフミー数字の4は四つ角が起源のようだが、「+」を一筆書きすれば、いまの「4」みたいになる。だから、4の斜め線はcursive handwritingの名残だと言われることがあるそうだ。

さて、4の斜め線の上側が縦棒と離れていても同一文字だと考えてもよいという根拠を、この方が腑に落ちるように説明できるだろうか。私は説明を2つ立ててみた。

1つは、漢字や仮名の気脈をもって説明する方法。たとえばいま画面上で「さ」という文字を見たとき、2画目と3画目はつながっているだろう。しかし手で書くときには、2画目と3画目は離して書く人が多いのではないか。ただ、離して書くにしても、2画目で撥ねてから3画目に入るまで、目には見えない線でなんとなく連結している。これを気脈というが、「4」についても同様で、斜め線と縦棒とを離して書いていたとしても、気持ちではつながっているのだ、という話。もちろん、やがて鈍感な人は気持ちを理解せず、完全に切り離していたかもしれない。

もう1つは、左側からの書きやすさをもって説明する方法。「4」を一筆書きで書こうと思ったら、右か下から書きはじめる必要がある。べつに2画になってもいいじゃん、書きやすければ――と考えた人がどこから書きはじめるかというと、たぶん左上に位置する斜め線からだろう。こうして斜め線はオマケの立場から地位を向上させて、縦棒から分離独立することになった。なにしろ現代の欧州人が手で書く4など、豚のしっぽみたいに見えることがある。

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2008-07-29

Link 電子マネーあれこれ

また間違いFAXが来た。どうやって伝えていいのかわからないからここに書くと、愛賀ちゃん、暑いけどレッスンがんばろうね、とのことです。あと、8月1日はお皿とフォークがいるらしい。これを読んで思い当たる節のある方は、愛賀ちゃんに連絡してあげてください。

さて、小銭を使うのが面倒なので、電子マネー機能を備えたカードを数枚つくってみた。いまのところ便利に使っているのは、三井住友VISAカードの「iD」だ。クレジットカードと自動的に連動するので、いちいちカードにお金を貯める必要がないのが楽である。最近は、いつも寄る職場近くのコンビニエンスストアでも、もっぱらiDを使っている。

ちょっとした問題もある。ひとつは、読み取り装置の反応が思ったほど早くないこと。レジの店員がボタンを押してから機械が読み取り可能状態になるまで、数秒の間がある。小銭を払う時間が惜しくてカードにしているのだから、できればコンマ秒で動いてほしい。

また、「iDでお願いします」というと、Edyと勘違いされることがある。この名前の衝突はよくない。Edyも作ったのだが、チャージがめんどくさくて使っていないのだ。「アイデー」と言えば確実に通じるような気がするが、そこまで羞恥心を捨て去ることができない自分の弱さを痛感する。

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