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十日日記


2009-04-01

Link 大文字と失われたもの

目と耳と足を鍛える技術 佐野眞一『目と耳と足を鍛える技術』(ちくまプリマー新書、2008年)を読んだ。「初心者からプロまで役立つノンフィクション入門」と副題にあるとおり、基本的にはノンフィクション作家志望の人間に向けた書籍である。過去の著作を取材したときの逸話を下敷きに作家の心構えやら時評やらを語る内容で、専ら消費目的で同書を読む身としては、逸話そのものが抜群におもしろい。居酒屋で語られるオヤジの武勇伝を聞くかのようだ。

74歳で初めて結婚した女性のインタビュー、著者が「精神の傷痍軍人」と見立てた中内功の逸話とダイエーの社内教育、正力松太郎の経歴など、どれも強く印象に残る。とりわけ渡辺恒雄や石原慎太郎に対しては舌鋒鋭い。正力松太郎を書いたあとで渡辺恒雄を書かないかという申し出を「即座に断った」(p.77)著者は、次のように締めくくる。

東京ドームの貴賓席で“大勲位”の中曽根康弘元総理と冷や酒を飲みながら野球観戦し、ほろ酔い気分でスポーツ記者を怒鳴りつける。本人は日本の政界、言論界を牛耳る“ドン”のつもりかも知れないが、こういう人物をふつう“小物”という(p.78)。

ところで著者は、ノンフィクションは大文字ではなく小文字の言葉で書くことが必要だと述べている(pp.31-33)。それはわかる。また1947年生まれの著者は高度成長に対し「戦争にも勝る大事件」(p.42)と強いこだわりを持っていて、経済的な繁栄を評価する一方で「この国から確実に古きよきものを喪失させた」(p.42)という。それもよく言われることだ。

これらを読んだときに私が思ったのは、大文字すなわち建前の言葉を重視することは、古きよきものの中に入るのではなかろうか、ということだった。建前の世界を丁重にもてなすことも大事だと思うがなあ。

おまけだが、「経済成長はめざましく、ほとんどの家庭に、テレビ、冷蔵庫、洗濯機という“三種の神器”が怒濤のように入り込んできた」(p.30)というくだりがある。ふとしてみると、我が家には三種の神器が1台もない。私は高度成長前の生活水準なのかと気がつき、ひとり笑ってしまった。

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2009-04-02

Link うっかりEUC(CP51932)とUTF-8化

日本語文字コードとしてEUC-JPを想定したWebアプリケーションがあるとする。「①」や「㈱」「髙」などの環境依存文字を使ったファイルをWindowsのブラウザーからアップロードした場合やデータベースに登録した場合、どのような問題が生じるだろうか。また、これらのデータの文字コードをUTF-8に統一するためにはどうすればよいだろうか。

ここでは例としてCentOS 4.7の環境を取り上げる。関連しそうな標準パッケージのバージョンを述べると、

  • Samba 3.0.28-0.el4.9
  • MySQL-Server 4.1.22-2.el4
  • Perl 5.8.5-36.el4_6.3
  • PHP 4.3.9-3.22.12
  • convmv 1.08-3.EL

となる。

最初に押さえておくべきことは、EUC-JPを前提としたサーバーにおいてWindowsクライアントからJIS X 0208外の文字が入ってしまった場合には、それらの文字コードは「CP51932」として扱うべしという点だ。CP51932はeucJP-msと同じく環境依存文字を含むが、「eucJP-msとCP51932の違い」にあるとおりコードの割り振りが異なる。このあたりは、Wikipediaの「EUC-JP」の項が見やすい。私はCP51932を「うっかりEUC」と呼んでいる。

問題は、Linux側でCP51932に対応していないソフトウェアが少なくないことだ。たとえばSamba 3.0.28はeucJP-msには対応しているが、CP51932には対応していない。これはiconvもPostgreSQLやMySQL 5.0以降も同様である。幸いnkfは対応している。CentOS 4.xにはnkfは掲載されていないのだが、この目的で別に導入することになろう。(ちなみに私が確かめた範囲では、FreeBSD 6.2-RELEASE-p7のiconvはeucJP-msにも対応していない。)

さて、実験のためにファイルを3つ用意してみる。

  • 01㈱テスト.txt → NEC特殊文字(IBM拡張外字にも存在)
  • 02①テスト.txt → NEC特殊文字
  • 03髙テスト.txt → IBM拡張外字(NEC選定IBM拡張外字にも存在)

内部エンコーディングとしてEUC-JPが指定され、スクリプト自身もEUC-JPで書かれたPHPのアップローダーで、これら3ファイルをLinuxサーバーに取り込ませてみる。

次に、Linuxサーバー内のディレクトリをSambaを通じてWindowsから見てみよう。smb.confでは

display charset = eucjp-ms
dos charset = CP932
unix charset = eucjp-ms

梯子高が文字化けすると指定している。右の画像がその結果だが、「03髙テスト.txt」が文字化けしている。一方、「01㈱テスト.txt」「02①テスト.txt」は文字化けしない。(アップローダーの仕様上、先頭に数字が入っているが気にしないでほしい。)

アクセスできませんところが、これらのファイルを実際に開いたりコピーしようとしたりすると、3つともすべて「アクセスできません」というエラーが出る(右図)。恥をさらしてしまえば、私は最初CP51932は名前しか知らず存在意義がわからなったのだが、このエラーに出会って初めて原因を考えはじめた。

ファイル名をCP51932からUTF-8に変更するには、convmvを使う。たとえば「/PATH/TO/THE/FILES」以下にファイルが収録されている場合、

convmv -r -f cp51932 -t utf8 /PATH/TO/THE/FILES --notest

のように指定する。オプションの説明をしておくと、「-r」は再帰的な検索を意味している。また「--notest」をつけないかぎり実際のファイルには反映されない。

ただし重要な注意点がある。convmvとは別に、Encode::EUCJPMSを導入しておかなくてはならない。というのは、convmvの実体はPerlスクリプトでEnocodeモジュールを使用しているのだが、同モジュールはCP51932にもeucJP-msにも対応しない。それを補うのがEncode::EUCJPMSモジュールである。

MySQLのデータベースファイルの中身をCP51932からUTF-8に変更するには、nkfを使う。また、テーブルの文字コードの指定をujisからutf8に変更しておかなくてはならない。処理したいファイルが「/PATH/TO/THE/FILE」だと仮定すると、

perl -pi -e 's/ujis/utf8/g' /PATH/TO/THE/FILE
nkf --ic=cp51932 --oc=UTF-8 --overwrite /PATH/TO/THE/FILE

でよいだろう。こういうときにはPerlは頼りになる。

あとはnkfやEncode::EUCJPMSをどのように入手するかだが、これは項を改めたい。

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2009-04-03

Link 外刃を変える

ES9087 電気カミソリ(シェーバー)には松下のES8111を昨年4月から使っている。数カ月前から、剃ったあとに肌がヒリヒリする感覚が残るようになっていた。ブラウンの紹介ページによると、皮膚への刺激感は外刃(網刃ともいうが、これらは何と読むのか?)が消耗しているためらしい。松下の説明では、「外刃は約1年、内刃は約2年での交換が目安」という。私は朝晩に剃るので、1年も保たないのだろう。

ES8111P そういう次第で、外刃の替刃(ES9087)を購入した。たしかに剃り心地がまろやかになり、ヒリヒリ感がなくなった。髭は濃くて硬いし剃る回数も多いので、半年くらいで刃を交換したほうがよいのかもしれない。

現在はブランドがパナソニックになった関係でES8111Pとなっている同機種は、実売価格8,000円未満と手ごろなわりに基本性能がしっかりしており価格性能比がよい。父にも贈った。ブラウンにくらべて刃が保たないのが難点だが、ふつうの使い方だと年に1度の交換で十分なのだろう。

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2009-04-04

Link 一本気のブラック

タイトル ペリー・メーリング『金融工学者フィッシャー・ブラック』(日経BP社、2006年)を読んだ。ブラックのことは、エマニュエル・ダーマン『物理学者、ウォール街を往く。』(東洋経済新報社 、2005年)を読んで簡単な人となりから漠然と親しみを抱いていたのだ。

同書によれば、ブラックの理論的支柱はCAPMにあるという。私はB-S公式くらいしか知らなかったのだが、CAPMを武器に為替や一般均衡理論、景気循環にまで取り組むのが見物だ。私は下の記述にしびれた。

それでは、ブラックの言う「最善の国際通貨制度」とはどのように機能するのだろうか。各国はそれぞれ銀行制度を運営し、預金を受け入れて資金を貸し出す。そのどちらにも、その国の通貨建ての無リスク金利が適用される。預金はすべて短期であるから、国内的には予想物価上昇率、対外的には為替レートの予想下落率に対して全面的に金利を調整することが可能だ。したがってどれほどたくさんの国があっても、実際に存在するのはたった1つの世界市場だけであり、そこでは無リスクの貸し借りが行なわれ、単一の無リスク金利が適用される。資本の場合も同じで、市場は世界市場だけしかなく、リスク資産のポートフォリオも世界市場ポートフォリオのみ、リスク・プレミアムも1通りしかない。そのような世界では、リスク回避型の国は差し引きで貸し手に回るだろう。逆にリスク選好型の国は、差し引きで借り手になる。だがこれは、リスク回避型の個人が貸し手になり選好型が借り手になることと、経済学的にはまったく同じである(pp.267-268)。

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2009-04-06

Link lv、nkf、Encode::EUCJPMSのrpmパッケージ(CentOS 4.7)

先に取り上げたソフトウェアのうち、convmv本体はyumで入手できる。しかしそれ以外は標準では存在しないので、自分で用意しなくてはならない。lvと合わせて置いておく。あくまで当方用なので、ご利用は自己責任で。

perl-Encode-EUCJPMSはnkfのあとでインストールしなくてはならない。Encodeを上書きしてシームレスに(すなわちuse Encode;だけで)cp51932対応にさせるのに必要なenc2xsがnkfに入っているからだ。本来なら依存関係をきちんと記述したほうがいいのだろうが……。

Encode::EUCJPMSは単純にCPANで管理するという手もあるのだが、システムを管理する立場になってみればパッケージシステムはOSが持っているものに合わせておきたい。そこで、cpan2rpm 2.028を使ってCPAN→RPM化した。これが少し面倒だったので、個人的にメモをしておく。

まず、cpan2rpm 2.028は容易には見つからない。いくつかあたって、最終的にはcpan2rpmのインストールに従うことで成功した。下のように警告が出るが、無視する。

# wget http://linuxsoft.cern.ch/cern/slc4X/i386/updates/RPMS/cpan2rpm-2.028-1.noarch.rpm
# rpm -Uvh cpan2rpm-2.028-1.noarch.rpm
警告: cpan2rpm-2.028-1.noarch.rpm: V3 DSA signature: NOKEY, key ID 0c98ff9d

CPAN→RPM化だが、基本的にはPerlのCPANモジュールのRPM化に従う。ただし私の環境では、specファイルに少し手を入れなくてはならなかった。以下にメモしておく。

まず、

%define _unpackaged_files_terminate_build 0

を追記しておく。これを加えていないと、ビルド時に

RPM build errors:
    Installed (but unpackaged) file(s) found:
   /usr/lib/debug/usr/lib/perl5/site_perl/5.8.5/i386-linux-thread-multi/auto/Encode/EUCJPMS/EUCJPMS.so.debug
   /usr/src/debug/Encode-EUCJPMS-0.07/EUCJPMS.c
   /usr/src/debug/Encode-EUCJPMS-0.07/EUCJPMS_t.c
   /usr/src/debug/Encode-EUCJPMS-0.07/EUCJPMS_t.exh
   /usr/src/debug/Encode-EUCJPMS-0.07/EUCJPMS_t.h
RPM build failed [1] at /usr/bin/cpan2rpm line 1052.

というエラーが出て止まる。また

buildarch: i386

に(noarchから)変更し、「%clean」の前に

%post
enc2xs -C > /dev/null 2>&1
exit 0

%postun
enc2xs -C > /dev/null 2>&1
exit 0

を追加。これで

rpmbuild -ba Encode-EUCJPMS.spec

するとRPMファイルが作成できる。

Tags: Linux

2009-04-07

Link MeiryoKe_Gothicをコンソールで

先月から、表示フォントにMeiryoKeを選んでいる。

たとえばWindows XPのメニューにはMeiryoKe_PGothicの9ptを、アクティブタイトルバーにはMeryoKe_UIGothic (Bold)の10ptを当てている。MeiryoKe_PGothicの9ptはピリオドが薄い点がFirefoxを使っていて少し気になるが、全般的にはよいと思う。

エディタやコンソールでは、MeiryoKe_Gothicの10pt〜12ptを指定することが多い。この書体はゼロ(0)とオー(O)との区別が付きにくい点が難点ではあるが、それ以外の不満はあまりない。太字が専用フォントで表示される嬉しさのほうが大きい。

コンソールのフォントは、標準ではラスタフォントとMSゴシックとしか選べないようになっている。そこで、レジストリを変更してフォントを追加登録しておく。具体的な作業は「cmd.exe(コマンド プロンプト)のフォントを変更する」を参照。カギとなるキーは

[HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\Console\TrueTypeFont]

である。

Tags: PC

2009-04-08

Link さらば財務省

さらば財務省! 先日、高橋洋一氏が書類送検されたという報道を耳にして、ふと表題の書名が未読だったことを思い出した。こういうときには中野区立図書館にアクセスして蔵書検索し、あればそのまま予約する。先週の土曜日に受け取って、来週あたりから読みはじめるつもりだったのが、おもしろくて他の書籍を差し置いて読了してしまった。

一読して思うに、この人は才能が突き抜けている。非常に有能なエンジニアという感がある。思想とか国家観とかそういうのは抜きにして、単純に合理性の観点から政策を論じている。自らの政策が採用されなくても国民が反対したのなら仕方がない。それが民主主義だ――と、官僚としての立場をわきまえつつ、恬淡としているのがよい。竹中平蔵氏とは20代からの付き合いだったとは知らなかった。善玉・悪玉がはっきりしすぎていて、本当にこんなに単純な話なのだろうかと思わないでもないが。

そういえば、あるブログの感想に、次の記述が引っかかったというものがあった。

確率論の世界では、確率ゼロと、起こらないこととは、イコールではない。確率ゼロとは、ほとんど起こらないという状態でしかない(p.261)。

この記述は間違いではない。確率空間に無限が含まれる場合に発生することだ。たとえば、0から1までの任意の実数からランダムに数字が選ばれる(小難しく書くと確率変数\color{red}Xが閉区間\color{red}[0,~1]で一様分布に従う)とき、\color{red}X=0.5となる確率はゼロだが、起こりうることだ。一方、\color{red}X=-2というのは、起こりえないことである。

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2009-04-09

Link さよならYahoo!プレミアム

先月末でYahoo!プレミアムを退会した。もともとは競りを利用するために加入したと思うのだが、ここ数年は使っていない。そこへきて利用料金の値上げが癪に障った。たいした額ではないのだが、ムダなものはムダだ。

Yahoo!の有料サービスで利用しているのはYahoo!ゆうパックが、こちらも今年前半で終了する。私にとっての同サービスの最大の利点は、手書き伝票が不要なことだった。(このほか、クレジットカードで支払える点も大きかった。)残念だと思っていたら、ゆうパック本体のほうがWebプリントという伝票作成サービスを開始している。

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2009-04-14

Link iSeries(AS/400)との接続はADO/ODBCで行なう

Windows PCからIBM iSeries(旧AS/400)に接続したいとする。.NETを措いておけば、方法にはODBCかADO/ODBCかADO/OLEDBかの3択が考えられよう。ODBC接続だとDSNの管理が必要になる。またADO/ODBCはOLEDBの上にODBCを被せたものだから無駄の懸念がある。だからADO/OLEDBでの接続が一番だろうと当初は考えていた。なお、ADOの接続文字列集は、CodeProject: ADO Connection Stringsが充実している。

ADO/OLEDBを使ってのAS/400への接続は、取得するデータ量が小さいかぎりは何の問題も起こらない。ところが数万行の単位になってくると、途中でエラーを起こす。iSeriesが返してくるエラーメッセージは詳細で理解しやすいのだが、そのときは意味がわからなかった。最初はSQL文の書き方が悪いのではないかと疑って手を変えてみたのだが、一向に解決しない。そこで、モノは試しと思ってADO/ODBC接続したところ、先ほどまでの苦労が嘘のようにデータが得られた。

ちなみに私は接続文字列が1行に長くつづくのが嫌なので、下のように書いている。

Dim s(3) As String, strConnect As String
s(0) = "Driver={Client Access ODBC Driver (32-bit)};"
s(1) = "System=192.168.x.x;"
s(2) = "Uid=myUSERID;"
s(3) = "Pwd=myPASSWORD;"
strConnect = Join(s, "")
cn.Open strConnect

配列の添え字を使っているあたりに忸怩たる思いがするのだが、トレードオフだと思って諦めている。接続文字列を使わずにプロパティに代入できたらいいのだが、その方法がわからない。

Tags: Excel
本日のツッコミ(全1件) [ツッコミを入れる]

Link articles of organization [My cousin recommended this blog and she was totally right ..]


2009-04-15

Link 翻訳と日本の近代

翻訳と日本の近代 Tさんがブログで推奨していたので、丸山眞男・加藤周一『翻訳と日本の近代』(岩波新書、1998年)を読む。基本的には雑談だから、言語の側面に注目するのであれば柳父章『翻訳語成立事情』(岩波新書、1982年)を薦める。ただ、本書では翻訳を肴に日本論が語られており、その中に何点か関心を引いた箇所があった。

たとえばpp.66-68にかけての、日本では歴史書が盛んに翻訳されたという話。これは日本の「儒者が中国史に意識的だった」ため、「中国モデルに対する日本側の学習の型が並行移動した」と加藤は見ている。それに対して丸山は、「だから逆に、中国がモデルにならなくなるにしたがって、卑俗な現代主義と実用主義が蔓延してくる」(p.67)と応対している。

もうひとつはpp.138-140にかけての日本人の法意識と法律との乖離について。あるいはまた、法律と倫理との混同について。滝川事件で発禁処分になった『刑法読本』の処分理由のひとつが姦通罪廃止の主張であった。男女平等だから妻だけを罰するのはおかしいという理由なのだが、「姦通を奨励するのか」などと反発があったそうだ。

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2009-04-16

Link PuTTY Connection Manager

PoderosaとTeraTerm Proとのあいだを行きつ戻りつして落ち着かなかった端末エミュレータ使用遍歴だが、ここ1カ月ほどはPuTTY一本に落ち着いている。一本化できたのはPuTTY Connection Managerのおかげだ。これは、PuTTYのタブ化機能を備えた接続先管理ソフトウェアである。

PuTTY 0.60 ごった煮版 2007年8月6日版との組み合わせでは、beta 0.6.0.4822では起動せず0.7.0.4780 alphaを使わなくてはならない。アルファ版なのか、ウィンドウの切り替え時に画面が前面に来ないと気があるのだが、必要な機能はひととおり使える。

PuTTYの設定で気をつける点はあまりない。強いて挙げれば、PuTTY設定ーウィンドウー変換の文字コード変換の部分で「文字コード5Cをそのまま使う」にチェックを入れることだろうか。MeiryoKe_Gothicを表示フォントとして指定している場合、このチェックを外していると太字がガタガタになる。

端末エミュレータの初期状態の色設定は原色が多く、PuTTYも例外ではない。そこで色の組み合わせを決める。これには、ColorIndexプロパティ値一覧が便利だ。この記事にかぎらず、インストラクターのネタ帳は参考になる。

Tags: PC

2009-04-17

Link Excel 2007でファイルを3倍速で読み込む方法

答:バイナリ形式(xlsb)を使う。

Excel 2007の標準ファイル形式(拡張子xlsx)は、XMLファイルをZIP圧縮するという二重に非効率な方式で保存している。このため、書き込みにも読み込みにも余分な時間がかかる。おまけに、Excel 2007からはワークシート領域が従来の2^(16)行×2^8列から2^(20)行×2^(14)列にまで拡大されていて、巨大なファイルが作りやすくなっている。

Excelファイル形式比較たとえば手元には、約44,000行×90列のワークシートを収めたExcelファイルがある。これをXMLを使った標準ファイル形式で保存すると14MBになり、私の環境では開くのに10秒ほどかかる。一方、バイナリ形式で保存すれば2MBとなり、開くのに要する時間も3秒を下回る。容量にして1/7、開く時間も1/3だ。

ちなみにExcel 2003形式で保存すると31MBを超えたので、周囲の環境がOffice 2007で統一されているのであれば、新しい形式で保存したほうがよいだろう。

Tags: Excel

2009-04-20

Link 不況と系統樹

先週読み終えた本のうち何冊かを紹介しておく。実のところは、私のメモを書き付けておくだけなのだが。

不況のメカニズム 小野善康『不況のメカニズム』(中公新書、2007年)は、ケインズの『一般理論』を批判的に読み直して理論を再構築したもの。著者は「有効需要不足」をケインズの発見として評価しつつ、(1)投資の説明に比重を置きすぎたこと、(2)安易に消費関数を導入したことを『一般理論』の欠点だと指摘する。かわりに著者は貨幣の流動性選好から過少消費を導出している。

著者の考えは10年前の『景気と経済政策』から基本的に変化していない。乗数効果を否定しつつ、それでも失業者の発生は社会的損失だから資産価値が少しでもあるなら公共事業を行なうべし、というものだ。富裕層から貧困層への所得移転も、格差云々ではなく単純に経済全体の効率の問題であると説く。そうなのかなあ。全般的に繰り返しが多いので、ちょっと食傷気味だった。

系統樹思考の世界 三中信宏『系統樹思考の世界』(講談社現代新書、2006年)は、体系付けに関する科学を説明したものだ。

私が同書から学んだのは、「アブダクション」という概念である。これは、演繹・帰納とは異なる推論法だ。古生物学や古代文献などについて、系統をたどろうにも「真理」は失われていて不明だし、再現可能でもない。できるのは、「最良」の説明を与える仮説を構築することだ。そのための基準として、同書では主に最節約基準を取り上げている。

系統樹の方法についてグラフ理論的な話がもっとあるのかと思いきや、本当に簡単な説明だけだったのが残念だった。自分語りが多くて冗長なので、第3章だけ読めばよいだろう。

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2009-04-21

Link アルスターはサファリよりもよいか

少し前の『マイコミジャーナル』に、海田文「世界中のクリエイターたちが敬愛する良質の文具『LAMY safari』の万年筆」という記事が載っていた。私はラミーが好きで、サファリも学生のころから使っている。だからラミー製品の記事が載るのは嬉しいのだが、この記事は褒めすぎの嫌いがある。

まず、ラミーの万年筆は「良質」というほどではないし、「クリエイティブ志向の高い人におすすめ」といった類でもない。鉄ペンにしては書き味がいい、という程度のものだ。子供向けとして出発したサファリのよい点は安価で軽いことで、メモなどを書き殴るのに向いている。「大切な一筆には万年筆で」といった意気込みで使用するものではない。もっと気軽に使ってほしい。

それから、アルスターに関する記述が私には引っかかった。

手は大きいけれどsafariを使いたい! そんなユーザーの願いを叶えるため、1990年に発売されたのが「LAMY AL-star」。これはくぼみ付きのグリップやワイヤー式クリップなどsafariらしさはそのままに、ボディをアルミニウム製に変えた大人向けモデル。グリップをやや太くして、全体の重さもアップされているので、男性の手にもよくなじみ、ペン先が傾くことなくなめらかに書き続けることができる。メタリックな高級感のあるボディは、ジャケットやスーツの胸元にもよく似合う。まさに大人のための1本だ。

ドイツ人の18歳〜19歳の男子平均身長は180.3cm(2005年、Wikipediaより)なので、彼らの手になじむものは平均的日本人には大きすぎる可能性がある。それを措いても、アルスターは重量バランスが芳しくない。グリップをプラスチックのままに留めつつ軸とキャップとをアルミに変えたので、キャップを軸の背に嵌めると腰高になるのだ。私はサファリもアルスターも持っているけれど、使用頻度は圧倒的にサファリのほうが高い。

Tags: 文具

2009-04-22

Link DATE()とMONTH()とを組み合わせて年度を出す

ある書籍に出てきたExcelのワークシート関数の使い方で、驚くべきものがあった。年月日から年度を出すのが目的で、次のような使用法を紹介している。

=IF(AND(テーブル3[[#この行],[受注日]]>=DATE(2005,4,1),テーブル3[[#この行]],[受注日]]<=DATE(2006,3,31)),"2005年度"),IF(AND(テーブル3[[#この行],[受注日]]>=DATE(2006,4,1),テーブル3[[#この行]],[受注日]]<=DATE(2007,3,31)),"2006年度"), IF(AND(テーブル3[[#この行],[受注日]]>=DATE(2007,4,1),テーブル3[[#この行]],[受注日]]<=DATE(2008,3,31)),"2007年度"), IF(AND(テーブル3[[#この行],[受注日]]>=DATE(2008,4,1),テーブル3[[#この行]],[受注日]]<=DATE(2009,3,31)),"2008年度",""))))

この使い方はよくない。論理式の入れ子のしすぎもそうだが、もっとまずいのは汎用性の欠如だ。上の例では2005年度から2008年度までしか計算できないではないか。

暦年から年度に変換するということは、基本的に「月」を操作することになる。日付操作ではシリアル値に戻るのが基本だ。日本で一般的な4月始まりの年度では、月を3か月分マイナスにすればよい。よって年度を求めたいセルを「セル」と表示することにすると、

=DATE(YEAR(セル), MONTH(セル)-3, DAY(セル))

のようにすれば実現できる。1月から3月のあいだではMONTH()-3で自然数が返らないが、DATE()はゼロ以下の引数にも対応している。例えば

=DATE(2009,0,1)

とすると「2008/12/1」が返ってくる。

Excel 2007では、月をずらす関数EDATE()が標準で組み込まれているので楽ができて、

=EDATE(セル, -3)

で「ほぼ」同じ結果が得られる。(「ほぼ」の詳細は後述。)Excel 2003まででは、「分析ツール」アドオンを有効にすると同関数が利用できる。

上にあったように「○○年度」と返したければ、YEAR()で囲んで

=CONCATENATE(YEAR(DATE(YEAR(セル), MONTH(セル)-3, DAY(セル))),"年度")
=CONCATENATE(YEAR(EDATE(セル, -3)),"年度")

のいずれかでよい。CONCATENATE()のかわりに「&」を使っても、もちろん構わない。

ちなみに今回は年だけ取り出すので無関係だが、DATE()とEDATE()とでは末日処理が異なる。このあたりは「nカ月後の日付計算の違い」(インストラクターのネタ帳)を参照。

なお、この本はExcelの関数の使い方を扱ったものではないので、こうした不備が本来の部分の価値を損なうことはない。それどころか素晴らしい出来なので、追って紹介したい。

Tags: Excel

2009-04-23

Link 感情と合理性

経済は感情で動く マッテオ・モッテルリーニ『経済は感情で動く』(紀伊國屋書店、2008年、原版2006年)を読んだ。副題には「はじめての行動経済学」とある。人びとは、標準的な経済学が仮定するようには合理的には振る舞わない。その事例をたくさん集めた本である。

たとえば誘因効果と妨害効果(p.36)。被験者が何かもらえるとき、AとBを提示すると選択に差がない場合でも、Aに似たaを加えてA・B・aからの選択にするとBが選ばれやすくなる。これは、類似性から無縁なBに関心が集まったものだ。

アンカリング効果(p.66)の事例も興味深い。米国で小児科医を対象に児童を診察させ扁桃腺除去手術が必要か尋ねてみると、約45%の児童に対して除去すべきとの診断が下る。ここからが面白いのだが、先の残りの約55%の児童を別の小児科医に診せると、やはり約45%の児童が扁桃腺除去の必要ありと言われる。さらにその残りの児童を他の小児科医に診せても、同じことになる。扁桃腺除去が必要な児童の割合がすでに医師の頭にあるため、診断がその数字に影響されてしまうのだ。

医師が出てくる例としては、フレーミング効果(p.102)もおもしろかった。内容は同じなのに言葉尻が異なる(生存者を述べるか死亡者を述べるか)2つの治療方針から医師に選ばせる実験で、結果に差が出るのだ。(死亡者数を出す場合には、それが少ないほうが好まれる。)統計学者の宮川公男先生が、医師の治療方針に納得せず自ら仮説検定した話を思い起こさせる。

プロスペクト理論(p.130)による価値関数の表現もためになった。同理論では、効用水準=価値関数×確率加重関数となる。価値関数は絶対的な水準ではなく、評価基準点となる参照点からの変化に依存する。また、確率加重関数は確率に主観的な重みを加える。たとえば人は確率0や1のような「確実な」事柄に極端な反応を示すらしい。

プロスペクト理論による効用右にp.130の図を引用した。このグラフからわかることには、次のようなものがある。(1)人は利益よりも損失から多大な影響を受けること。(2)利益も損失も額が大きくなるにつれて反応が鈍くなること。(3)ただし損失は変曲点が2カ所あり、途中までは危険追求型になること。(負けが込んできたら一発勝負などリスクの高い賭けに出やすい。)

おまけに追加するなら、たとえば痛みなどが印象に残るのは、それが最も大きいときと終わるときとの水準とでほぼ決まるというピーク・エンドの理論も実生活に応用できそうだ。

さて、個人的にいちばん感慨を持ったのは、感情によってこそ合理的判断を学習することができるというくだりである。脳に障害を受けて感情反応が弱くなった患者は、ゲームで危険追求型の手を出しつづけてしまう。健常者は、ゲームに負けるという嫌な感情から危険を避ける手を出すようになるのだ。

正しい決定を、それを心に刻む感情が結び付いていなければ、忘れ去られてしまい、過去の経験や知識を基礎にして活動することができない。感情やそれに関連する身体細胞の活動は、だから、有効な記憶と将来のシナリオに直結する力を保つための増幅装置として、決定のプロセスに不可欠な役目を果たしているのである(p.271)。

また、少し前に触れた小野(2007)で、貨幣の流動性選好から有効需要不足が導ける話を書いた。この貨幣への選好という仮説を支持する内容の記述がある。

お金の価値はそれで買えるものによって決まる、と通常考えられている。つまり、お金で手に入れたものを持つ喜びの程度によるというわけだ。しかし神経生理学から見たらそうではない。それどころかお金は、それ自体が喜びになるのだ。実際、お金が線条体の下部皮質を活発にする「喜びのドーパミン系回路」は、食べ物やドラッグ(それもとくにコカイン)による興奮の場合と変わらず、その場でじかに満足感を与える種類のものである(p.288)。

大脳は固定されたハードウェアだから、ファームウェアアップデートを期待することはできない。大脳が犯すミスから自由にはなれないのだ。しかし幸いにも誤りには人類共通の傾向があるのだから、せめて自覚的になれるよう努力することが必要だろう。

なお、ところどころ翻訳に間違いがあるので注意。債券を債権と書くくらいはいいのだが、p.152の問36のような誤訳は困る。「死亡率を2/3に減らせる」ではなく、「死亡率を2/3減らせる」でないとその後の文章と合わない。

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2009-04-24

Link 再起動を繰り返すPCの復旧

ときどきパソコン用務員的な仕事が回ってくることがある。こうした作業は気晴らしになるので嫌いではない。それに勉強になることもある。

先週月曜に扱ったPCの症状は、Windows(XP Professional SP3)の起動が完了する前にBIOS起動画面に戻ってしまうというものだった。セーフモードで起動してみても、システムファイルを読み込んでいる途中でBIOSまで戻る。業務で使うだけに、なかなか困った事態だ。

まずハードウェアの診断をする。HDDを抜き出してUSB接続キットにつなぎSMART値とchkdskを見るが、問題は見当たらない。次にメモリーの診断に移る。KnoppixのCD-ROMから起動してmemtestを実行すると、不良が見つかる。4枚刺さっているうちの1枚に異常があった。メモリーの故障は初期不良が多い(小賢しく書くと形状母数が1未満のワイブル分布に従う)ものだと認識しているのだが、微細化によって故障率が全般的に底上げされているのかもしれない。(実はその3日後には私のPCのメモリが故障した。同一ロット品を買ったためか、2枚刺してあるうち2枚とも壊れた。)

これで解決すれば話が早かったのだが、そうは問屋が卸さなかった。そこで修復セットアップを試みたのだが、ボリュームライセンス版のCD-ROMだからかメニューに項目が現れない。仕方がない。おそらく原因はレジストリだろうと当たりをつけて、復元ポイントからレジストリを書き戻すことにする。

この手順を書こうと思っていたのだが、マイクロソフトのサポートオンライン「レジストリの破損により Windows XP を起動できなくなった場合の回復方法」がよくまとまっているので、そちらを参照されたい。基本的には、ここの「パート2」をアレンジしたものだ。今回は、3月末時点のレジストリを書き戻した。

その結果、正常に起動するようになった。ただし、ドメインへの参加を拒否される。コンピュータアカウントの整合性が取れなくなったためだろう。いちどそのコンピュータをドメインから削除して登録し直すことで、事なきを得た。

Tags: PC

2009-04-25

Link 法令遵守と社会の要請

世界は感情で動く 『経済は感情で動く』につづいて『世界は感情で動く』を読んだ。まさに2匹目のドジョウを狙ったもので、理論的な説明が後退した半面で元ネタが社会心理学などにも拡大している。データ集としてはよいかもしれないが、新しい知見はあまりない。私が得たのは第21章(p.200)のフォールス・コンセンサス(他人も自分と同じだと見積もる傾向)の実験結果くらいだったので、詳しい紹介は省く。

「法令遵守」が日本を滅ぼす かわりに郷原信郎『「法令遵守」が日本を滅ぼす』(新潮新書、2007年)を取り上げよう。書名は扇動的だが、法令を無視せよと主張しているわけではない。社会の実態と乖離した法令を見直そうともせず、事件や事故などの法令違反が起こったときにだけ事なかれ主義的・形式的に「法令遵守」を強調する。この姿勢が社会にとって悪影響を及ぼすと指摘し、コンプライアンスのあるべき姿(著者はフルセット・コンプライアンスと言っている)を述べたものだ。

第4章で述べられている経済法令についての論考が、私には新鮮だった。経済法令の多くが違反行為に対する行政処分や罰則を持ちながら、1980年代まではほとんど執行されなかった。このため、談合システムや証券取引法違反行為が常態化する事態となった。90年代に入って規制緩和・透明化の流れが進んだものの、制裁を含め違反行為の抑止策はあまり検討されなかった。理由のひとつには、各経済官庁間が縦割りになっているため法律横断的な部分や法の隙間に入る部分への当事者意識が弱いこと。また、法学界でも民事法・刑事法・行政法とも個人を中心に研究が行なわれ、法人の経済活動に対する行政処分の手続きや要件、処罰についての研究も遅れているのだという。

国民一般の法意識については、輸入され上のほうから降ってきた法律は国民にとって身近なものではないため、普段から市民は法令に無関心であるという。敬して遠ざけるがごとく、なるべく関わりたくないというのが本音だ。司法と市民社会とが疎遠な環境では、法が社会の実態から離れていても市民は問題視しない。裁判沙汰などは社会の周縁部の出来事であって、法は社会の中心にはない――と、だいたいこんな感じの内容だったと思う。

では、組織が持つべきフルセット・コンプライアンスとは何か。これについては、5つの要素を引用したほうが早そうだ。

第一に、社会的要請を的確に把握し、その要請に応えていくための組織としての方針を具体的に明らかにすること。第二に、その方針に従いバランスよく応えていくための組織体制を構築すること。第三に、組織全体を方針実現に向けて機能させていくこと。第四に、方針に反する行為が行なわれた事実が明らかになったりその疑いが生じたりしたときに、原因を究明して再発を防止すること。そして第五に、法令と実態とが乖離しやすい日本で必要なのが、1つの組織だけで社会的要請に応えようとしても困難な事情、つまり組織が活動する環境自体に問題がある場合に、そのような環境を改めていくことです(p.152)。

ところで、本書では「社会の要請」といった類の言葉がよく出てくる。この言葉が出てくるとき、自らの責任を回避するために盲目的にルールに寄りかかるための現行の法令こそが社会の要請だったりして、などと考えた。法令違反の内容や程度を検討に入れずに、ただ違反したというだけで特定の個人を追い立てる非寛容な社会に生きていると、社会の要請に応えることが必ずしもよいことだとは考えられない。個人の欲求を反映させるために法令を利用するのも悪くないと思えるのだが。

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2009-04-26

Link 神器のかけら

冷蔵庫 とても小さな冷蔵庫を買った。

ツインバードの「OR-C638BL」という製品で、容量は500mlペットボトルが4本入る程度だ。大きさはスイカくらいで、スイカよりも軽い。さすがに冷蔵庫と呼ぶのも憚られるのか、公式には「電子保冷保温ボックス」と呼ばれている。名前のとおり、保冷だけでなく保温もできるようになっている。

私の家は狭い。殊に台所はガスコンロが置けないほど狭い。そんな空間に冷蔵庫を置く余裕があろうはずもなく、テレビ・洗濯機を含め「三種の神器」が1台もない状況にあった。炊飯器も掃除機もないので念のため。

冷蔵庫がなくて不便なのは、開封後要冷蔵の調味料や瓶詰め・玉子といった食材が保存できないことだ。人をして中野の昭和基地と言わしめた隙間風だらけの我が家では、冬のあいだは三和土の床に置いておくだけで冷蔵庫のかわりになっていた。しかし春が過ぎ夏が近づくにつれ、その策は効力を失いつつある。このまえ3日間放置していた生玉子を食べると、少し違和感があった。それで幅20cm程度の冷蔵庫を探しはじめ、見つけたのが同製品である。

この製品はDC 12Vでも動作し、車載用にシガライター口用のコードも付属する。消費電力が55W(強冷時)と効率が悪いのは、コンプレッサー式ではなくペルチェ素子を使って冷却しているからだ。おかげで音はかなり静か(ファンの音のみ)だし、電源スイッチがあるので不要なときには切っておける。いい買い物だった。

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2009-04-27

Link 現実的な営業

御社の営業がダメな理由 藤本篤志『御社の営業がダメな理由』(新潮新書、2006年)を読んだ。この本は、中小企業の上層部を対象にして書かれた販売組織の改善指南書である。

本書の特徴は割り切りにある。それは目次の見出しを見ればよくわかる。曰く、「中小企業に最優秀者は来ない」「トップセールスマンは定着しない」「社員は育成できない」「営業センスは磨けない」「営業セミナーは無意味」などなど、従業員への幻想を捨てることが第一歩だと説く。オーナー社長や叩き上げの幹部は自分と同じ努力・能力を従業員に期待しがちだが、そのような仮定は非現実的だ。

では、どうやって組織の販売量を増やすか。著者は「営業結果」を3本の等式にまとめている。(打ち消し線は私が入れさせてもらった。)

(1) 営業結果=営業量×営業能力
(2) 営業量=営業時間−(意識的怠慢時間+結果的怠慢時間)
(3) 営業能力=営業知識量+営業センス力グランドデザイン力

著者の理屈は単純で、(2)と(3)とを増やすというだけだ。なお、上の式で打ち消し線が入っている項は、動かすことができないものを指す。

(2)を増やすためには、右辺第2項と第3項との「怠慢時間」をいかに減らすかにかかっている。そのための案は、

(a) 営業日報を廃止する。
(b) 営業管理職のノルマを外す。
(c) かわりに管理職は営業員に対して毎日30分の聴き取りを課し、
(d) 部下の営業活動に積極的に同行する。

というものである。まず(a)は、どうせ上司は読まないし嘘も書けるので無意味だと言う。また(b)の理由は、上司にノルマを課すと部下の手柄を横取りする誘因が発生し上下の信頼関係が確立できないためだ。かわりに(c)でじっくりと営業員の報告を聞いて指導し、(d)の採用で取りこぼしを防ぎ、同行をOJTの恰好の場と捉えるべしという。

(c)(d)であるとおり、直接的な接触が重要である。直接話を聞くことで、管理職は営業員の嘘を見抜きやすくなる。(それでも見抜けない営業員は、持って生まれた口舌の力で結果が出せるだろう。)そのためには5分や10分ではなく1人につき30分を毎日確保すること。したがって、1人の管理職につける部下の数は最大7名程度にすることを薦めている。純粋な営業活動以外をそぎ落とすこと、また上司と頻繁に直接接触させることで、営業活動に専念せざるを得ないような仕組みが大事だとのこと。

次に(3)に関してだが、著者は営業センス力やグランドデザイン力(構成力とでも呼んだほうがわかりやすいか)は、そもそも育てることができないと達観している。もちろん、センスは指数的に効いてくるのでセンスの有無で結果に10倍程度の開きは出てしまうが、無理なものは無理なのだから仕方がない。その一方で営業知識は、地道な努力が必要だし加法的にしか効かないものだが、時間をかければ標準並みにはなる。そのため管理職は、聴き取りをした中で有用なノウハウを体系化して文書化すべしと説く。これも現実的だ。

営業にはいくつかタイプがある。新規開拓かルート販売か、攻め(push)か待ち(pull)か。このうち、攻めの営業は心理的な負担は大きいが、実は最も計算が立てやすいと筆者は説く。というのは、わりと単純に成功確率が計算できるからだという。著者が勤めていた企業の平均的な数値は0.64%だったそうだ。そして達成率の低い者に対しては、それを埋め合わせるだけ弾を増やすよう指導する。

私が読んで憶えているのは上のようなところ。30分ほどで読める内容なので、一読しても損はない。

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2009-04-28

Link Office/Access 2007は買い時

Office Standard 2007 アップグレード Office 20周年記念 優待パッケージ the 2007 Microsoft Office System――Office 2007の正式名称はこのように言う――のSP2が4月29日(米国時間で4月28日)に公開される。

Office 2007は毀誉褒貶が相半ばするけれど、主な不満は慣れの問題という点がWindows Vistaとの違いだ。Vistaの失敗は資源消費の過多にあるのではなくユーザーアカウント制御(UAC)に尽きると思う。これはSE Linuxの普及が失敗したのと似ている。技術が一定の場合には、セキュリティと利便性とはトレードオフになる。UACもSE Linuxも煩わしすぎるのだ。

Windows Vistaの不振で弱気になっているのか在庫が山積しているのか、あるいはOffice互換ソフト潰しのためか、マイクロソフトはOffice 2007 Personalの特売を過去2度にわたって行なってきた。はじめは2008年4月11日に特別優待パッケージとして9,800円で、次は2008年10月31日にOffice 20周年記念を名目として10,800円で販売している。なお、PowerPointのついたOffice 2007 Standardも20周年記念の「第2弾」として2009年1月30日から販売中だ。(これらはいずれもアップグレード版。)Service Pack 2の登場を考えると、同パッケージは在庫限りだろう。Office 2000の延長サポートが今年7月14日に切れるので、古いOfficeを使っている向きには更新を推奨したい。

Microsoft Office Access 2007 アップグレード ところで、Office 2007と同様にMicrosoft Access 2007もお買い得になっている。アップグレード対象商品がOfficeスイートにも広がっているので、Office 2007 Personalと合わせて買っても2万円強の出費で済む。ずいぶん安くなったものだと思う。ちなみに職場がOfficeにSA(ソフトウェア・アシュアランス)をつけて導入しているなら、職員は3,150円で自宅使用できる(自宅使用プログラム)ので、そちらを利用したほうが得だろう。

Accessは、画面入力と紙への出力とを考えると、開発効率がよく価格性能比に優れたソフトウェアだと思う。一般にAccessで開発する際に懸念材料とされがちな展開(配布)とバージョン管理とについて、項を改めて書きたい。

Tags: PC

2009-04-30

Link 強制的にfaviconを付けるFirefoxアドオン

私はFirefoxのブックマークツールバーを多用している。

ブックマークツールバー

上の画面写真のとおり、ブックマークツールバーに直に登録ページについては、無記名で登録している。場所を節約して一列に多くのサイトを登録できるようにするためだ。

名前がなくてもサイトが特定できるのは、各サイトがfaviconを備えているからだ。しかし、世の中にはfaviconを持たないサイトもある。たとえば私が登録している中では東京アメッシュがそうだ。いちど要望を送ってみたのだが、技術的に困難(!)との理由で断られた。ちなみに運用主は、ワッペンを作り直して3400万円をドブに捨てたニュースでおなじみの東京都下水道局である。せっかくだから、ボツになったデザインをfaviconに採用してはどうだろうか。

faviconを持たないページに対して自動的に幾何学模様のfaviconを生成して表示してくれるFirefox用アドオンが、IdentFavIcon 0.2である。ブックマークツールバーだけでなく、ふだんのブックマークでもサイトの見分けが付きやすくなって便利だ。

ところで、ブックマークツールバーにフォルダーが登録できることを2カ月ほど前に知った。それで上の画面写真のように、よく使うページ以外はフォルダーに収納することにしている。フォルダー名は「説」とか「金」のように極力短くして場所を稼いでいる。

フォルダーに対して個別に好きなアイコンを割り当てることができたら、もっとわかりやすくなる。個別サイトのfaviconはFavicon Picker 3 0.5が該当するのだが、フォルダーには適用できなかった。せめてMacのフォルダーみたいに色が変えられればいいのだが、ちょっと難しそうだ。

Tags: PC


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