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十日日記


2009-04-20

Link 不況と系統樹

先週読み終えた本のうち何冊かを紹介しておく。実のところは、私のメモを書き付けておくだけなのだが。

不況のメカニズム 小野善康『不況のメカニズム』(中公新書、2007年)は、ケインズの『一般理論』を批判的に読み直して理論を再構築したもの。著者は「有効需要不足」をケインズの発見として評価しつつ、(1)投資の説明に比重を置きすぎたこと、(2)安易に消費関数を導入したことを『一般理論』の欠点だと指摘する。かわりに著者は貨幣の流動性選好から過少消費を導出している。

著者の考えは10年前の『景気と経済政策』から基本的に変化していない。乗数効果を否定しつつ、それでも失業者の発生は社会的損失だから資産価値が少しでもあるなら公共事業を行なうべし、というものだ。富裕層から貧困層への所得移転も、格差云々ではなく単純に経済全体の効率の問題であると説く。そうなのかなあ。全般的に繰り返しが多いので、ちょっと食傷気味だった。

系統樹思考の世界 三中信宏『系統樹思考の世界』(講談社現代新書、2006年)は、体系付けに関する科学を説明したものだ。

私が同書から学んだのは、「アブダクション」という概念である。これは、演繹・帰納とは異なる推論法だ。古生物学や古代文献などについて、系統をたどろうにも「真理」は失われていて不明だし、再現可能でもない。できるのは、「最良」の説明を与える仮説を構築することだ。そのための基準として、同書では主に最節約基準を取り上げている。

系統樹の方法についてグラフ理論的な話がもっとあるのかと思いきや、本当に簡単な説明だけだったのが残念だった。自分語りが多くて冗長なので、第3章だけ読めばよいだろう。

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