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十日日記


2009-05-07

Link 西院の河原

嵐山に出かけた。

紅葉の名所として知られる嵐山に電車で行くには2つの方法がある。1つは阪急の桂駅から嵐山線に乗り換える手。もう1つは、阪急・四条大宮駅から嵐電と呼ばれる路面電車を利用する手。今回は後者をとった。私の実家は京阪沿線なので、京阪・祇園四条駅から四条大橋を渡って阪急・四条河原町まで出る。

少し話をそらす。京阪電車が駅名を変更して四条を祇園四条、五条を清水五条と改めたのはいいことだ。部外者にとってもわかりやすくなる。四条や五条は京都市営地下鉄にも離れた場所に同名の駅があり、ややこしかった。七条から出町柳までは川端通の地下を走っているから「四条川端」とするのもありだが、川端通は通りの中でもマイナーで、私自身いつも名前を忘れる。

もっと話をそらす。京阪電車で昨秋開業した中之島線の車両に先日はじめて乗った。後日、淀屋橋から梅田まで歩いている途中で中之島線の駅も通りかかったのだが、人影はまばらであった。この路線、そんなに優先度は高かったのかしら。ワガママ言わせてもらえれば、丹波橋で近鉄京都線と相互乗り入れをしたほうが便利そうだ。祇園にも京都駅にも大阪から一本というのは、けっこう大きいと思う。

話を元に戻す。嵐山から奧嵯峨にかけて寺を何軒か見てまわった。その中でも印象深く残っているのは、祇王寺化野念仏寺とだ。ちなみに「化野」は「あだしの」と読む。

祇王寺は『平家物語』に出てくる祇王という白拍子(当時の踊り子。静御前もその一人)に縁のある寺である。平清盛の寵愛を受けるも、祇王自らの計らいで招き入れた白拍子・仏御前に清盛の寵愛が移り、疎んじられていく。やがて六波羅を退去して奧嵯峨に隠遁していたところ清盛から呼び出されて舞いを命じられるが、それは仏御前のための余興としてだった。そのとき歌ったのが

仏もむかしは凡夫なり われらも遂には仏なり
同じ仏性具せる身を 隔つるものこそ悲しけれ

というものだという。

念仏寺は無縁仏や水子を埋葬したところで、たくさんの小さな石仏がある。そこには「西院の河原」と案内板があった。「西院」は京都の地名で「さい」と読むので、賽の河原にはモデルがあったのかと早合点してしまった。あとで調べると、賽の河原をもじって名づけられたようだ。

京都パノラマ観光」というページでは、京都の各地の名所のQuickTime VR映像が楽しめる。化野念仏寺もある。

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2009-05-08

Link プレイン・イングリッシュ

プレイン・イングリッシュのすすめ Plain Englishを知ったのは、『金融工学者フィッシャー・ブラック』によってだった。ブラックの簡潔な文体は、Rudolf FleschによるPlain English運動を信奉していたことの反映であるという。それで興味を抱き、概説書を探して見つけたのがケリー伊藤『プレイン・イングリッシュのすすめ』(講談社現代新書、1994年)である。以下ではPlain EnglishをPEと略す。

同書は6章構成になっている。第1章ではPEの導入。1978年にカーター大統領が大統領命令でPEの使用を連邦職員に対して命じ、行政だけでなく司法の場にも広がっていった。これは昨今ではもっと広くPlain Languageと呼ばれているらしく、米国政府のサイトも存在する。私もいま見つけたところなので、あとで少し詳しく読んでみたいと思っている。

第2章では、PEの十則を掲げている。単語は短く簡単なものを使うとか、余分な単語を使わないとか、否定文や受け身を避けて能動文で動詞を生かした文を作るとか、ほとんどの規則は常識的なものだ。しかし、第8の「ひとつの文にはひとつの情報を」については、学ぶところがあった。この内容は、『理科系の作文技術』で有名な「事実と意見を峻別せよ」ということである。たとえば「Tom is a good-looking eye doctor.」(トムは恰好いい眼科の先生です。)は英語としては不可である。なぜなら、doctorを修飾する2語のうちeyeは事実だがgood-lookingは意見だからだ。したがって、「Tom is an eye doctor. He is good-looking.」のように文を分けるべしという。

第3章は発音練習で、この章はPEとは関係がない。しかし、発音のために口の筋トレをするというのは実践的だと思う。たとえばLの発音練習は、指が立てに3本入るくらい口を開けて舌を上の歯の根本に押し付けるというもので、実に細かい指導だ。

第4章では実際に英文を作成する段に入る。ここでは、「Detach ideas from words.」(言葉とアイデアを切り離せ)と強調される。これは第6章からの引用になるけれど、たとえば他人から本を借りたときなどに、日本語で「いつまで返せばいい?」と聞くのは自然なことだ。しかし同じことを英語では「How long can I keep this book?」と言うのが自然で、返すのではなく借りる期間を尋ねるようになっている。このほか、「上質の物を買えば結局損はない」が「Quality pays.」、「命あっての物種」が「Life comes first.」などなど、簡単な動詞を使った表現を示している。また、言葉ではなくアイデアを引き出すための訓練として、英文をparaphraseすることを薦めている。これはよいアイデアだ。

第5章は、同氏の講座を受講した者たちの成功談である。ここでは、事実と憶測とを区別する例が印象に残った。たとえば首相が健康問題を口にして職責を降りたとき、「The Prime Minister resigned because of poor health.」とするのはよくないという。なぜなら健康問題が事実かどうか不明だからで、「The Prime Minister resigned citing his poor health.」のようにすべきとのこと。

最終章の第6章では、基本単語76を取り上げて例と解説とを述べている。ただ、例文が少ないので実践的とは言えない。著者の別の書籍を当たったほうがよさそうだ。Plain English in CyberSpaceも参考にされたい。ちなみに著者について、私は長らくテリー伊藤の二番煎じみたいな人だと大いに誤解していた。大変申し訳ないことである。

Tags: 言語
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Link tmrowing [ケリー・伊藤氏の著作は内容に重複するものもありますが、おおむね良質だと思っています。 もうご存じかも知れませんが、『..]

Link na [ありがとうございます。とても参考になります。 こんど書店に行ったとき、覗いてみたいと思います。]


2009-05-11

Link 分析力を武器とする企業

思考停止社会 郷原信郎『「法令遵守」が日本を滅ぼす』(新潮新書、2007年)がおもしろかったので、同じ著者による新刊『思考停止社会――「遵守」に蝕まれる日本』(講談社現代新書、2009年)を読んでみた。基本的な主張は前書と変わらず、取り上げる事例を更新させたものだ。

裁判員制度については、なるほどと思った。これまで法律に縁のなかった一般国民に対して心理的な負担の大きい重大犯罪を担当させるよりも、経済事件について実体経済に無知な法曹界に外部の専門家を投入するほうが重要だというのは、その通りであろう。

分析力を武器とする企業 もう1冊は、トーマス・H・ダベンポート、ジェーン・G・ハリス 『分析力を武器とする企業――強さを支える新しい戦略の科学』(日経BP社、2008年)というもの。数週間前にOLAPを通じてBI(ビジネス・インテリジェンス)という単語を知り、関連図書を探して同書に突き当たった。

この本は2部構成になっている。第1部(第1章〜第5章)は事例紹介で、『日経ビジネス』誌の特集記事のような調子で分析礼賛がつづく。第2部は「分析力を組織力にする」という名前のとおり、章立ても「組織的」になっている。第6章で概要を述べたのち、第7章では人材について、第8章では技術について触れている。時間のない向きは、第6章から第8章までを読めば十分だろう。

人と技術とのうち重要なのは人のほうだ。トップが勘に頼る経営を行なっているかぎりは事実を重んじる企業にはなれないという。同書では「分析力を武器にするまでのロードマップ」を用意していて、経営陣の関心に応じた組織づくりの進めかたを説いている。同書では分析力を5つの水準に分けているが、日本の会社はどのような分布を示すだろうか。

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2009-05-13

Link 面グラフとは何か

知りたいことは「面」に聞け 西村行功『知りたいことは「面」に聞け!』(日本経済新聞社、2008年)は、著者の用語でいう「面グラフ」「棒面グラフ」の紹介と活用法とを記したものだ。

面グラフとは何か。百聞は一見にしかず。同書では多数の例が挙がっているのだが、そのうちの1つを取り上げてみる。

下は、各国のエネルギー消費の割合を示した表である。

集計表

この表を目に見えるかたちにするには、一般的にはグラフを2枚使う。下のようなものが典型的だろう。

2枚のグラフ

上のグラフの難点は、それぞれのグラフが独立しているため、たとえば米国において石油が使用されている割合は全エネルギー消費のうちどの程度を占めるのか、ということが見にくい点だ。円グラフと帯グラフとの数字をかけ算しなくてはならない。

これに対して面グラフは、帯グラフの幅を可変とすることによって先の欠点を克服している。

面グラフ

上のグラフでは面積が意味をもつ。米国の石油が全エネルギー消費に占める割合は、このグラフで左下の一角を占める部分の全体に対する面積比だ。このように面グラフは、帳票におけるヘッダー・明細のような関係にある構成比グラフの可視化に向いている。

著者はこのほかに棒面グラフも提唱している。こちらは、棒グラフの幅を項目ごとに変えることによって表現可能な次元を1つ増やすものだ。ただし私が見るかぎりでは、3次元データを2次元のグラフに収めると、よほど注意しないと「一目瞭然」とはいかなくなる。

このほか、MECE(Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive、漏れなくダブりなく)といった分析軸作成の原則を紹介していたり、3C(顧客・競合・自社)や4P(商品・価格帯・流通・販促)といったMECEの実例についても触れていて、面グラフを含め系統だった発想を支援するように著者は執筆している。

なお、面グラフは量率グラフとも言われる。仮説実験教育畑で生まれたのだろうか、和歌山県の教員による「『量率グラフ』普及推進本部」にはグラフ生成のVB6アプリがあるし、村田文江「社会科におけるグラフについて」(1986)という論文もある。このグラフは海外では知られているのだろうか。紹介すると面白いと思う。

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2009-05-15

Link Sambaの機械を移す

LinuxをインストールしているPCサーバーを更新する機会があった。稼働系がTerminator TU、待機系がTerminator P3という老朽化した状態だったのを、Opteron搭載のまともなPCサーバーに移す。タイミングを間違わなければ格安(数万円)で購入できるので、通常のPCをサーバーとして運用している向きには、ECCメモリーを積んだサーバー機の導入を推奨したい。いまやDDR2のECCメモリーでも、1GBあたり2,000円で買える。

もともとはVine Linux 4.2で運用されていたので、OSも一気に別のものに変更するのが当初の目論見だったのだが、持ち時間の関係で挫折。OSはVine Linuxのまま移行することにした。

移行するサービスで最も注意を要するのは、SambaのPDC(ドメインコントローラー)だった。最近はWindows Server 2003のActive Directoryにすっかり慣れてしまい、SambaもWindowsとLinuxとの認証統合に利用するなど私の使用形態が昔とは変わってしまった。古い記憶をたどりながら作業を進める。

ポイントはSIDを一致させることだ。以前にも参照した「Vine Linux 4.2をWindowsドメインのPDCに仕立てる」は今回も役に立つ。「net getlocalsid」や「net setlocalsid」といったnetコマンド(Linux版)を押さえておくこと。

Tags: Linux

2009-05-18

Link 急須と湯飲み

土曜日に、西武ドームで開催されている「国際バラとガーデニングショウ」を見てきた。会場で見かけたバラのさまは「目指せロザリアン」に詳しい。私はブラック・ティーという品種に引かれた。ちなみに、バラ愛好家のことを業界ではロザリアンと呼ぶそうだ。会場は賑わっていたので、多くの愛好家が足を運んだのだろう。

さて、ドームのすぐ前では、全国大陶器市だったか、正確な名前は忘れたけれども陶器の見本市も催されている。そこで陶器を眺めているうちに、急須を買う気になった。ただし陶器ではない。耐熱ガラス製の透明な急須である。

茶茶急須 私が買ったのは、ハリオの「茶茶急須 丸 450ml CHJM-45T」というものだ。近所の工務店で通常販売価格1,980円のところを1,800円で譲ってもらい上機嫌だったのだが、いまアマゾンで調べると1,029円で買えることを悟り、少しくやしい。

ただし、品質に関しては満足している。透明なので残量もわかるし、注いだ湯が数十秒で色づいていく様子を眺めているのも気分がいい。口が広いので洗いやすく、衛生的だ。気をつけるべき点は、ガラスなので割ってしまわないようにすることくらいだろう。特に蓋に注意したい。

ところで湯飲みには竹製のマグカップを使っている。これは先の連休中に嵐山の土産物屋で偶然見つけたもので、以前から探していた「容量が小さく取っ手が大きい」という条件を満たしていたので、大喜びで購入した。現在、ニスの臭いが早く取れてくれないかと祈りながら使っている。

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2009-05-19

Link Excelを知り直す

Excel 2007とSharePoint Server 2007によるデータ連携 『Excel 2007とSharePoint Server 2007によるデータ連携』(日経BPソフトプレス、2009年)は、Excelを他製品と組み合わせて業務で使うための入門書である。Excel 2000以降の流れをほとんど追っていなかった私にとって、同書は本当に勉強になった。

4章仕立ての第1章は、「Excel活用のポイント」と称してExcel 2007本体の機能について触れている。2007から導入されたテーブル(Excel 2003のListObjectの拡張)をはじめ、ピボットや条件付き書式といったデータ分析に必要な機能を紹介している。また、IF関数やVLOOKUP関数などの使い方も合わせて取り上げている。関数の使い方の中には、Excelに慣れた人間にとっては首をかしげてしまうものもある。この日記の4月22日に書いた「ある書籍」というのは本書のことだ。

第2章は本書の山のひとつで、データ接続機能について扱っている。VBAを使わず標準機能で済ませているのがExcel 2007流と言えるだろう。AccessにはじまりSQL Serverとつづくのは既定路線だが、Webページに対してクエリを発行する第4節は新しく感じる人もいるだろう。

つづく第5節では、SQL Server Integration Services(SSIS)を利用してAccess標準データベースのNorthwindを元に分析用の多次元データベースを作成し、SQL Server Analysis Services(SSAS)によってOLAPキューブを作成して、Excelのデータマイニングアドインを使ってピボットテーブルに出力するまでを実演している。一言でいえば「BIツールひとめぐり」ということなのだが、私は本書を通じて初めてBusiness Intelligenceという単語を知ったほどだから、多面的な集計や切り出しが一瞬にして行なえることに衝撃を受けた。

第3章では簡単な帳票アプリを作成している。VBAで作成する方法について30ページほどでまとめたあと、Visual Studio Tools for Office(VSTO)を用いたExcelアプリケーションの作成方法や、ClickOnceを使ったファイル展開(配布)の方法について紹介している。ClickOnceは.NET 2.0から搭載されているファイル展開システムで、これを使えばファイルの自動更新が容易に実現できる。VSTOについてもおもしろいのだが、ここでは触れない。

第4章はOffice SharePoint Server 2007を前提とした話なので、私は読んでいない。ちなみに、SharePoint Server 2007の基盤であるWindows SharePoint Service 3.0(こちらはWindows Serverに無料で付く)については、そのうち書くことがあるかもしれない。

よい入門書の特徴のひとつに、そこを起点として次々と新知識を身につけていくことができる点が挙げられよう。BIもそうだが、私にとってはInfoPathを知ったことも大きい。InfoPathは職場のOfficeに入っているのだが、今まで触ったことすらなかった。入力にはInfoPathのほうがExcelよりも適している旨を同書に教わらなかったら、私は今後もInfoPathに見向きもしなかっただろう。また全体を通じて、手順を追った書き方が上手で参考になる。マニュアルはかくあるべしという感じだ。

難点を挙げるとすると、まず書名が悪い。これではSharePoint Serverありきみたいに受け取られてしまうだろう。実際にはSharePoint Serverの話題は同書の1/4であり、それ以外の部分も十分に興味深いのに、もったいない。

Tags: Excel

2009-05-21

Link 酒盗とクリームチーズ

代々木に一寸五分という居酒屋があり、1年ぶりに足を運んだ。

献立の中の「酒盗&クリームチーズ」が目を引く。酒盗は鰹の腸の塩辛だが、ここにチーズを合わせる発想はなかった。注文して出てきたのは名前どおりのもので、オリーブオイルを一滴ばかり垂らしている。

食べてみて判明したことに、この品物は口に入れる順序が大事だ。辛い酒盗を先に口に含ませ、それをチーズで中和していくのがよいみたいである。酒盗もチーズも簡単に入手できるし、手間もかからない。こんど家でもやってみよう。

会計を済ませる段になって、店員が操作しているPC画面が明らかにExcelのウィンドウであることに気がついた。尋ねてみると、店に詳しい方がいて販売管理システムを自作したのだそうだ。そういう部分に目が行くのは職業病だろう。

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本日のツッコミ(全2件) [ツッコミを入れる]

Link 小雪 [食べたことないけど、なんとなく、ドリアンの味を勝手にイメージしました^_^; でも濃い味+濃い味はあう(例えば貴腐ワ..]

Link na [ドリアンを食べたことがないので何とも言えませんが、「意外といける」というのが感想でした。濃さに別の濃さで合わせるとい..]


2009-05-23

Link 優生学と人間社会

優生学と人間社会 極東ブログで同書が取り上げられていたので読んでみた。おもしろい。ちゃんとした書評は上のリンク先を当たってもらうとして、ここでは雑感を書き連ねることにする。

優生学に対して人びとが眉をひそめるようになったのは70年代以降のことであるという。公民権運動やウーマンリブと無関係ではないだろうし、標準社会科学モデルとも関係があるだろう。スタートレックでも優生戦争が出てくるけれど、同じような時代だ。

優生学がナチスと不用意に結びつけられタブー化される以前には、検定教科書でも次の文言が出てくる。

国民の遺伝的素質を改善し向上させること、すなわち、次の世代の国民に、肉体的にも精神的にもよりすぐれた民族的素質を伝えてゆくことが国民優生である。わが国では1948年に優生保護法が制定され、とくに悪質な遺伝的疾患が伝えられることを防止するため、精神分裂病・そううつ病・全色盲・血友病・遺伝性奇形などの遺伝病を有する場合や、出産により母体に危険がある場合には優生手術や人工妊娠中絶が実施できることになった。(中略)国民の素質を向上させるという優生結婚の立場から、結婚をするにあたって、みずからの家系の遺伝病患者の有無を確かめるとともに、相手の家系についてもよく確認することが重要である。家系の調査範囲は、両親・兄弟姉妹はもとより、祖父母やいとこまで及ぶことが望ましい。(『保健体育 改訂版』一橋出版、1971年)

このように、優生学は社会思想と結び付いてる。初期の主張は、医療水準の向上によって死すべき者が死なずに済んでいること、戦争によって健康な若者から先に死ぬことで、遺伝子の劣化(逆淘汰)が進むことを危惧している。それを食い止めるための制度を導入せよ――というものだった。

政策として優生学が採用されたのは、福祉国家の形成と関連が深い。ドイツではナチス以前にワイマール時代から導入されたし、ヨーロッパで盛んだったのはデンマークやスウェーデンなど北欧諸国だった。先天的な障害者の発生を抑えることができれば、そのぶん現存する障害者への支援を手厚くすることができるという理屈は、たしかにその通りである。優生学に基づく諸政策に対して批判ができるようになったのは、それだけ社会が豊かになった証拠だろう。

さて、現在では医療技術がさらに進んでいる。不妊や断種は親に対する手術だが、出生前診断に基づく選択的中絶は子に対するものだ。これを認めるかどうかは意見の分かれるところである。

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2009-05-24

Link 減量停止

減量を開始したのは2008年9月1日だ。前の日に体重計に乗ったら78.9kgもあり、危機感を覚えた。

目標として、2009年6月1日に65.0kgまで体重を落とすと決める。決めたら淡々と実行するだけで、経過について特筆すべきことは何もない。今年の5月連休に帰省したとき実家の体重計で計測したところ63.3kgになっており、目標到達に気がついた。きょうの夕食後、風呂前に計ってみたところ、63.7kgだった。現在の減量方法では64kgあたりが下限らしい。減量のためにつらい思いはしたくないので、ここらで減量を停止させることにする。15kg落とせば十分だろう。

VAAM 減量方法については前にも書いたとおり、VAAMを飲んで歩いただけだ。今年の2月ごろまでは帰宅時に新宿から自宅まで歩くことが多かったのだが、これだと夕食をとる時刻が8時を回ってしまう。そこで現在は朝に変え、通勤区間で最も混雑する赤坂見附から虎ノ門(日によっては新橋)にかけてを歩いている。朝食後の運動に効果があるのかどうかは疑問だ。むしろ、昼食前に行なっている散歩が効いているのかもしれない。VAAMは「おまじない」みたいなもので、そろそろ不要か。

肉体の変化について。腹のまわりの肉はかなり減った。昨年に買ったズボンはボタンをかけたままで脱ぐことができる。スラックスなど、両手の拳を入れてもまだ余る。これは予想外で驚いた。その一方で、期待していた顔のまわりの肉は取れなかった。いまの体重は大学1年のころに近いが、そのころと比較すると頬も顎もたるんでいる。まあ、歳をとったのだから仕方がない。

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2009-05-26

Link Ubuntuと127.0.1.1

実験機のうちの1台は、Ubuntu Server 8.04 LTSを8.10 Desktopに更新したものだ。そのせいかどうかは不明だが、kernelを2.6.24-19-serverよりも高いバージョンにすると起動しなくなる。症状としては、「ソフトを最新にアップデートすると再起動しない」に近い。

ところで、この実験機が余所に流されることになった。そこで別の機械にUbuntu Server 8.04 LTSを入れる。その後、IPv6を無効化するとかネットワークを固定IPで設定し直すなどしたあと、ふと/etc/hostsのことを思い出した。

いまFQDNが「red.example.local」とすると、Ubuntu Server 8.04 LTSの/etc/hostsは次のように設定されている。

 127.0.0.1       localhost
 127.0.1.1       red.example.local   red

 # The following lines are desirable for IPv6 capable hosts
 ::1     ip6-localhost ip6-loopback
 fe00::0 ip6-localnet
 ff00::0 ip6-mcastprefix
 ff02::1 ip6-allnodes
 ff02::2 ip6-allrouters
 ff02::3 ip6-allhosts

このように、ループバックアドレスが2つ設定されている理由がわからなかった。間違っているという話もある。ただし、「127.0.1.1 in /etc/hosts, why?」で始まるスレッドを読んでみると、そうでもないようだ。127.0.0.1の項にも追加すればGnome端末が高速に起動するようになるそうだが、X Windowは使っていない。

さっきDebianのレファレンスを見て、そのような仕様であると確認した。(なお、日本語版では127.0.1.1が127.0.0.1に変更されている。)それによれば、固定IPアドレスを使っているなら、127.0.1.1ではなく当該IPアドレスを使えとある。Ubuntuのインストーラーでは最初は自動的にDHCPサーバーを利用しようとするから、このような設定になってしまうのだろう。念のために書いておくと、「red.example.local」の固定IPアドレスが「192.168.x.x」だった場合には、

 127.0.0.1       localhost
 192.168.x.x     red.example.local   red

とするのが常套句だ。

ちなみにUbuntuのsudoは好きでないので、ML115/Ubuntu 8.04 LTS Serverセットアップメモにあるとおりroot/wheelを使うようにしている。

Tags: Linux
本日のツッコミ(全2件) [ツッコミを入れる]

Link 内田 [127.0.1.1の件、バグだというWEBページもあり、悩んでいましたが、なるほど、そいういうことだったんですね。ス..]

Link Nike Air Max [If you assume the Bible is a 鈥淭ruth鈥?to start with, your i..]


2009-05-30

Link ドライアイとその治療

以前から一度はかかっておかなくてはと思っていた診察に、ドライアイがある。新宿でドライアイ外来を実施している眼科を見つけたので、5月の連休前に予約を入れておいた。インターネットを通じて予約した病院は、今回が初めてである。

検査を2種類行なった。最初に行なったのは、濾紙を目に付けて5分間に出る涙の量を測定するシルマー試験だ。結果、左が14mm、右が10mmだった。10mmを超えていれば、まあいいらしい。もうひとつは、目を開けてから涙の層が蒸発するまで涙液層破壊時間(BUT)を測定するものだ。こちらの結果は7秒だった。10秒以上で正常、5秒未満でドライアイの疑いというから、7秒というのは微妙な値である。角膜に傷や異常はなく、涙の質も油分が少し少ない程度だという。処方はヒアルロン酸入りの点眼液(ヒアレイン)と、ステロイドの点眼液(フルメトロン)だった。

ついでに涙点プラグの話も聞いた。涙点プラグというのは、涙の量が少ないのなら、目の中の排水溝にあたる涙点を塞いでしまえばよいではないか、という発想で作られたシリコンのキャップである。涙点は上下あわせて4カ所あるが、ふつうは下2カ所だけを埋めるのだそうだ。料金は保険適用で7,000円(下2カ所の場合)ほどだという。

意外だったのは、涙点プラグにあまり耐久性がないという点だ。目をこすった拍子に取れてしまうことなどがあり、平均して7カ月程度しか保たないという。そのたびに手術することになると聞き、受ける気をなくす。コンタクトレンズを使わないかぎりは乾燥感は軽微なので、今後も目薬で乗り切っていくことにしたい。

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プロフィール

渡辺 慎太郎(na@10days.org)

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