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十日日記


2009-08-03

Link Word 2007とスタイル種別

たいていのワープロソフトには搭載されているのに、さほど利用されてはいない機能の1つに「スタイル」がある。「表題」や「見出し1」「引用文」などといった文書内の部品ごとにスタイルを当てはめておけば、体裁の変更が一括で行なえるし、目次を自動的に作成してくれる。

憶えている中でスタイル機能が最も洗練されていたワープロは、Nisus WriterというMac用のソフトウェアだった。短縮キーの設定が実に簡単で、特定のメニューをマウスで選択状態にしておいてキーを押すだけで登録できた。また、検索には正規表現が使えたし、マクロも充実していた。

Office 2007で導入されたリボンUIによって、Word 2007ではスタイルをパレットから選ぶようになった。ただし、その実装には改善の余地がある。

画像の説明

第1に、一覧できる項目数が少ない。これを「▼」ボタンで切り替えて選択するのは不便だ。マウスを重ねると自動的に一覧できるようになったほうがよい。

第2に、段落スタイルと文字スタイルとの区別がつかない。段落スタイルにはパラグラフ記号(¶)を付けるなどしたほうがよい。あるいは、まったく別のメニューにしたほうがよいかもしれない。

第3に、プリセットされているスタイルにも不満が残る。項目を翻訳しただけで、日本語文書の実態に合っていないためだ。たとえば日本語の文書で引用文を斜体にする頻度は小さい。インデントを設けるなり寸法を落とすなりするのが普通だろう。

残念ながら、「Office 2010 テクニカルプレビュー版レビュー」の画面写真を見るかぎり、これらはいずれもWord 2010においても変更されないままのようだ。

Tags: PC

2009-08-05

Link マイクロソフトのmd5sum

ISOファイルなど比較的大きなファイルをダウンロードするときは、ファイルが破損していないか確認できるようダウンロード元にMD5ファイルが用意されていることがある。実際の検査方法については、Wikipediaの「MD5」記事を参照。

Linuxでいうmd5sumコマンドはWindowsでは用意されていないので、これまで私はどこかで拾ってきた野良バージョンを使っていた。しかし先日、マイクロソフトも別の名前でMD5(とSHA-1)値を計算するソフトウェアを提供していることを知った。「Availability and description of the File Checksum Integrity Verifier utility」からダウンロードできるfciv.exeがそれだ。日本語による解説には、「ハッシュ値を利用してファイルの同一性をチェックする」(@IT)がある。

Tags: PC

2009-08-07

Link SQL Server Compact 3.5とSQLite3

このまえSQL Server Compact 3.5の存在を教えてもらった。解説は菅原英治「極小SQL Server Compactでデータベース・アプリをお手軽作成」に譲る。基本的にはSQLite3の対抗馬で、LINQ To SQLが使える点と型がしっかりしている点が強みだと思った。

一方で、現時点では互換性は高くない。DBが単一ファイルであることを生かすには、それがさまざまな場所で動かせるようにすることだ。SQLite3は好例で、Python 2.5やPHP 5で標準搭載されているうえ、ODBCドライバーを通じてAccessからリンクテーブルも作れるし、ADO.NET 2.0用のプロバイダーもあるからVB2005/2008からも利用できる。解説としては、「SQLiteを使ったWindowsアプリを作成する」を参照。VBScriptで動かす例もある。

なお、SQLiteをGUIで管理できるソフトウェアとしては、PupSQLiteTkSQLiteがある。またER図などを含めたSQL開発環境としては、A5:SQL Mk-2が有用だ。

Tags: PC

2009-08-08

Link 古きコリアンダー

昨夜、自宅で水餃子を食べた。タレにコリアンダー(香菜)を混ぜるので、帰宅途中に新宿伊勢丹に立ち寄った。ところがあいにく品切れになっている。そこから何軒か店をまわって、ようやくタカシマヤで手に入れることができた。コリアンダーは数があまり出ないためか、スーパーと百貨店とで値段が変わらないどころか、百貨店のほうが安いこともある。

ところで私はコリアンダーを戦後になって来日したものだと勝手に思い込んでいたのだが、『世界大百科事典』の記述を見て大間違いだと知った。なんと、日本で最初の百科事典である『和名抄』に香味野菜として取り上げられているという。

もう一つ〈こにし〉という珍しい名があるが,これは胡荽(こすい),胡〓【筆者注:草冠に綵】と書き,コエンドロの古名である。コエンドロはコリアンダーで,いまの日本料理には使われないが,《和名抄》はこれを〈魚膾尤為要〉と魚の生食には必須だとしており,《延喜式》には宮廷での用途のため他の蔬菜と並んで耕作の規定があり,天皇の食事にも用いられたことがわかる。

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2009-08-09

Link 偶数章が読める本

ラーメン屋vs.マクドナルド 竹中正治『ラーメン屋vs.マクドナルド――エコノミストが読み解く日米の深層』(新潮新書、2008年)を読んだ。Amazon.co.jpのページを見ると、出版社・著者からの内容紹介と「BOOK」データベースの内容紹介とが末尾だけ異なっている。

出版社/著者からの内容紹介 アメリカ人はマックに頼り、日本人はラーメンを究める。大統領は希望を語り、総理大臣は危機を語る。アメリカ人は対面でディベートし、日本人は匿名でブログする。日本に「ビル・ゲイツ」はいないが、小金持ちならたくさんいる......。日米双方の事例を照らし合わせると、それぞれの強みと弱み、そして社会の特徴がくっきりと浮かび上がってくる。世間にはびこる通説をデータと実例で覆す、目からウロコの日米比較。

内容(「BOOK」データベースより) アメリカ人はマックに頼り、日本人はラーメンを究める。大統領は希望を語り、総理大臣は危機を語る。アメリカ人は対面でディベートし、日本人は匿名でブログする。日本に「ビル・ゲイツ」はいないが、小金持ちならたくさんいる…。日米双方の事例を照らし合わせると、それぞれの強みと弱み、そして社会の特徴がくっきりと浮かび上がってくる。世間にはびこる通説をデータと実例で覆す、目からウロコの日米文化論。

「日米比較」と「日米文化論」とのどちらが正しいか。本書ではどちらも触れられているのだが、文化論のほうは私にはあまりピンと来なかった。第1章・第3章・第5章がそれで、与太話の域を出ない。第2章・第4章・第6章には、読んでためになる部分がある。なぜか偶数章が読める本だ。

第2章で著者は、日本の行動パターンを危機感駆動型、米国のそれを希望駆動型と命名している。日米の週刊経済誌で肯定的・否定的な表紙見出しの割合を比較すると、日本が23:73、米国が25:32で、「崩壊」や「危機」といった言葉で危機感を煽る見出しが日本の週刊経済誌には多いそうだ。政治家でも、「米百俵」のような忍従を説く者が日本では受けるのに対し、米国では希望と実現に向けたビジョンとを語る楽観的なリーダーが受けるという。そして著者は、日本でも米国に倣って希望駆動型へとシフトしていくべきだと説く(pp.47-48)。

この自説を述べたところ、危機感駆動型のわりに日本は危機管理が甘いではないかというツッコミを読者から著者は受けたという。そして、その原因を「無謬信仰」に求めている(p.60)。システムが無謬を前提としているため、システム自体が動揺すると何をすべきかわからなくなり、いたずらに危機感を強調する結果となる。「無謬信仰と危機感強調カルチャーはこうして併存しているのではなかろうか」(p.62)と推測している。さらに、その無謬信仰がリーダーシップの不在に繋がっていると説き、丸山真男やウォルフレンを援用している。ここまでは納得できる。

納得できないのはこの先で、「危機感強調型のカルチャーはリーダーシップ(主体的意識)の不在と表裏だとも言えよう」(p.64)という部分だ。危機感駆動型と無謬信仰とは並列しており、リーダーシップ不在は無謬信仰のほうに結び付くのではなかったのか。それがいつの間に危機感駆動型と表裏の関係になってしまったのだろうか。それとも、危機感駆動型と無謬信仰とは分離不可能な何かがあるのだろうか。

私個人としては、危機に直面してから動いたのでは遅いこともあろうと思うが、危機「感」で動けるなら十分ではないかと思う。「各人の弱点を強調、矯正するよりも、強みを伸ばす姿勢」(p.48)を採ったほうがよいと著者も述べている。パラノイアのごとく、些細なことにも危機を感じとって対処できれば素晴らしい。ともあれ、著者の文化論については聞き流して支障ないだろう。

一方、第4章や第6章では本業に絡んだ数値例が出てきており、こちらは読める内容だ。たとえば日本人が株式などのリスク商品に手を出さないのは文化的背景があるのでは「ない」ということを、数字を挙げて説明している。理由のひとつは、すでに住宅というリスク資産をかなり抱えているため、もう1つは、残高が数千万円という家系金融資産が広く薄く分布しているためである。一方の米国は、数億円以上の富裕家系に資産が集中しているため、家計がリスクを取りやすい。

第6章では、米国で90年代に顕著になったクレジット・ヒストリーなどのスコアリングについて触れている。特に第2節の「『新銀行東京』失敗の本質」(p.179)がよい。スコアリング方式の融資モデルが確率的なアプローチであることが理解されていないのが最大の問題だというのだ。

金融機関は債務者を多面的な項目で機械的にスコアリング(評点)し、その属性に従って組織内部で格付けを行なう。たとえばランク1からランク5まで格付け分類(セグメント化)する。「格付け」はイコール「一定期間の債務不履行による損失確率」である。ランク1は最も損失確率が低いセグメント、ランク5は最も損失確率の高いセグメントとなる。

このスコアリング方式が成り立つために大切な前提条件が2つある。ひとつは与信ポートフォリオの分散が高いこと、すなわち特定の業種、特定の格付け、特定の企業などに金を貸し込みすぎないことである。従って貸手は「メインバンク」など志向しない。新銀行東京の1社当たりの融資限度は最大5000万円だったと聞くが、中小零細企業を融資対象にする場合、おそらくこの限度額は桁がひとつ大き過ぎる(pp.183-184)。

もう1冊、伊藤真『選び抜く力』(角川書店、2009年)を読んでみたのだが、こちらについては語るほどのものではない。

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2009-08-18

Link お菊の井戸を見た

ストレッチポール 不名誉なことに、先週の月曜にギックリ腰になってしまった。ストレッチポールで柔軟体操を始めた矢先だった。たまたま飛び込んだ秋葉原中央整骨院はテキパキとしていて腕もよい。いい施術を受けられたのは不幸中の幸いである。とはいえ、いくら腕がよくても瞬く間に治るような治療法はなく、安静を保つことが何よりも大事なのだそうだ。

ただ痛みに耐えるだけではもったいないので、どのような動きが痛いのか自分自身を観察してみることにした。経験からわかったことは、痛そうで痛くないのが階段の上り下り、痛くなさそうで痛いのが突っ立っていることである。電車の横揺れは、立っていても座っていても腰に不快感が生じる。

大阪への帰省中、姫路城を見に出かけた。姫路というところは、関東では小田原に近い雰囲気があると思う。どちらも城下町で、県庁所在地から離れているためか県民意識よりも市民意識のほうが強そうだ。

大阪から姫路までは新快速で61分(8駅停車)かかる。JR西日本の新快速は本当に速い。大阪・姫時間の営業キロが87.9kmなので、平均時速86.4kmという特急なみの速さだ。これがどれくらい速いかというと、新宿・小田原間の営業キロが87.7kmで、湘南新宿ライン特別快速で72分(10駅停車)、平均時速が73.1km。中央線の特別快速は時速60km台だろう。ただし、速いかわりに揺れも大きく、けっこう腰にきた。

姫路城は「暴れん坊将軍」で映る城で、世界遺産にもなっているくらいだから説明は不要だろう。7階建ての天守閣は混んでいたのだが、千姫が居住していた西の丸は空いていた。西の丸には侍女たちの住む百間廊下という長い渡り廊下があり、廊下に沿って並ぶ部屋の数々が印象に残った。

天守閣の南側には「菊の井」がある。播州皿屋敷でお菊が投げ込まれる井戸だ。意外と口が大きく、直径が1.5mほどある。

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本日のツッコミ(全2件) [ツッコミを入れる]

Link reon [先日はどうもお世話になりました。 ぎっくり腰とはまた難儀ですね。どうかお大事に。]

Link na [お気遣いありがとうございます。かなりよくなり、平常どおりの日常生活が送れるようになりました。]


2009-08-20

Link 新宿西口青梅街道沿いのレストラン

東京の外食産業でよい点のひとつは、上位層の厚みにある。特異点を形成するような最上位のおいしさを誇る店は、どこの場所でも例外的な存在だろう。たとえば京都・祇園の花見小路にある小さな店の惣菜には、一見すると家庭料理と違わない和食がこんなにおいしいものかと感激したのだが、それは京都でも特殊な例だ。そういう例外を除いても、東京はおいしい店が価格帯を問わず充実している。これが大阪だと、低価格帯に偏った感じだ。

新中野の杉山公園交差点付近にできたPINの店(火曜定休)というパン屋のパンが至極おいしいと話に聞いていたので、このまえ足を運んできた。あいにくバゲットが売り切れていたので、食パンとラスクとを買う。ラスクは期待したほどではなかったのだが、食パンのもちもち感はすばらしい。この店は、ドミニク・ドゥーセ直伝のパンが食べられる東京唯一の店だそうだ。ちなみに関西人は厚切りのパンが好きらしいが、私は朝食には専ら米を食べる。

新宿西口の青梅街道沿いで西新宿駅までは行かないところに、イタリア料理店が2軒並んでいる。1軒はイル・サッコマンノ、もう1軒はタヴェルナ リピエーノという。どちらも小さな店で、価格帯も似ている(夜で5,000円ほど)。違うのは味と接客で、味は前者に軍配が上がる。一方で接客は後者が勝る。

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2009-08-21

Link PASMOにICOCA

交通カードは3枚持っていた。いつも使っているのが定期券一体型のPASMOで、帰省したときにはスルッとKANSAI(昔のJR東日本のイオカードみたいなもの)を利用する。私が実家で主に利用する京阪電車・京阪バス・近鉄電車は、スルッとKANSAIが1枚あれば足りる。ただしJR西日本区間では使えないので、ふだん利用しないSuicaも鞄に入れている。(PASMOやSuicaは関西私鉄では使えない。)

この8月の帰省では姫路を観光したり四條畷の伯母の家に行ったりと、JRを使う機会が多かった。そのたびにSuicaとスルッとKANSAIとを出し入れするのは面倒に感じたので、両者をやめてICOCA(JR西日本)かPiTaPa(関西私鉄)かに統一しようと考えた。SuicaとPASMOとの関係のように、関西ではICOCAとPiTaPaとが相互利用できる。

30分ほど考えた結果、ICOCA(正確にはSmart ICOCA)に決めた。理由1:ICOCAはJR東日本区間でも使えるが、PiTaPaは使えない。理由2:PiTaPaは1年間利用がないと管理手数料1,000円を徴収される。PiTaPaに対するICOCAの弱点はオートチャージがないことなのだが、利用頻度を考えて妥協した。ちなみにJR西日本ではホームに簡易チャージ機があり、列車の待ち時間などに残高を積み増せる。

Smart ICOCAというかJR西日本が偉いと思うのは、紐づけるクレジットカードを他社に開放している点だ。だから、いま持っている三井住友カードで登録できた。JR東日本も関東私鉄も、SuicaやPASMOにクレジットカードを紐づけるためには新たに加入する必要がある。私が東京メトロのクレジットカードであるTo Me Cardに入会したのは、それでなければカードで定期券が買えないからだった。

そんな次第で、首都圏ではPASMO、関西圏ではICOCAを使うことになった。Smart ICOCAの申し込みは済ませてあるので、あとは到着を待つだけだ。

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2009-08-22

Link オブチとオバマ

凡宰伝 先月のことだったか、米国で黒人教授が自宅玄関前で白人警官に逮捕された事件に関してオバマ大統領が不用意な発言をし、後日和解のために教授・警官双方に電話をかけてビールに誘ったという報道があった。この報道を目にしたとき、ふと「ブッチホン」が頭をよぎった。それで読んでみたのが佐野眞一『凡宰伝』(文藝春秋、2000年)である。小渕恵三その人については、Wikipediaの記事が詳しい。

故・小渕首相は二世議員だが、父親である小淵光平氏は小学校卒で裸一貫から事業を成し遂げた人で、政界の名門ではまったくない。小渕自身も、「群馬」と渾名された学習院での小学校時代では劣等感を植え付けられ、二浪中には才能の限界を感ぜずにはいられなかっただろう。父親の急死によって政治家を志すようになって以降も、地元では中曽根や福田といった大物に囲まれた自らを「ビルの谷間のラーメン屋」と戯画化していた。

ただ、小渕が単なる凡人ではないのは、政治家になるという目標へ向かって全精力を集中させたことだ。

おれは自ら「凡人」だと知っておったから、凡人というものが何かをしようとするときは、1つのことに徹しなくてはならないと思った。一点集中する以外にないというので、早稲田大学1年のときに文学から政治へ宗旨がえしたんです(p.118)。

著者は定評どおり読ませるモノを書く。ただし、「庶民の劣化」といった訳のわからない表現や、「DNAの血」といった不正確な記述を目にするとげんなりする。評論めいたことを書かず、取材記事に徹したほうがよいように思った。

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2009-08-23

Link UNIXの相対化

闘うプログラマー 404 Blog Not Foundの記事で興味を抱いたので、G・パスカル・ザカリー『闘うプログラマー――ビル・ゲイツの野望を担った男達』(日経BP出版センター、1994年)を読んだ。同書は、現行のWindowsの基礎になっている「NT」と呼ばれるOSの開発に関するドキュメンタリーである。中心に据えられた人物は、DECから引き抜かれNTの開発リーダーとなったD. カトラーだ。

VMSの開発者だったカトラーのマイクロソフトでの任務は、MS-DOSやOS/2に取って変わりNetWareにも対抗できるOSを開発することだった。それは「NT」と呼ばれていたが、最初からWindowsが乗ると決まっていたわけではない。NTはペルソナを変えることで、さまざまな外観を得ることができるように設計されていた。アップルのCEOだったギルバート・アメリオの回顧録で、次期Mac OS(現在のMac OS X)の基盤候補としてOPENSTEPだけでなくWindows NTが挙がっていたのだが、NTがもともとWindowsを前提としないOSだったのなら、そう実現不可能な話でもなかったわけだ。

UNIXという考え方 同書を読むと、当時IBMと共同開発していたOS/2についてのマイクロソフト社内での評価が散々なのに以外の念を抱く。ミニコンメーカーのDECから移籍したカトラーにとってすら学生の集まりのように映った当時のマイクロソフトの従業員たちは、より官僚的なIBMの社風と合わなかったのかもしれない。

また、カトラーはUNIXを敵視していた。一貫した思想がなく、「博士ばかりの委員会が設計したクズのようなOS」と言う。ただし、UNIXの持つ機能のうち必要なものをNTに取り込むことも怠っていない。なお、『UNIXという考え方』には、UNIXとOpenVMSとを比較した記述がある。

話が逸れる。私がこの1年間で得た収穫のひとつはUNIXの相対化だと考えている。それまでサーバーOSとして私はUNIX(とその互換OS)しか知らなかった。しかしWindows Serverを使うようになると、ACL(アクセス制御リスト)の部分などはWindows ServerはUNIXよりも優れていると感じるようになった。また、はたしてサーバーに含めてよいのかどうか不明なIBM System i5(昔のAS/400)の恐ろしいほどの一貫性には驚愕した。

細かいところでは、ハンガリアン記法を拒否していたりしている。詳しい書評は、開明堂の読書ノートが参考になる。

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2009-08-24

Link Office OutlookからOutlook Expressへのメールで添付ファイルが消失する問題と対策

Outlook 2007から添付ファイルつきのメールを送信した場合、受信側のソフトウェアで添付ファイルをうまく展開できないことがある。その結果、受け都にとっては添付ファイルが存在しないかのように見えてしまう。都合の悪いことに、受信側のソフトウェアにはWindows XPに標準搭載されるOutlook Expressも含まれる。

この問題は正確にはOutlook 2003のころから存在したのだが、Office 2007の互換性が騒がれたときに再発見されたようだ。Web界隈を眺めてみると、ブログでは「Outlook2007は絶対に使ってはいけません!添付ファイルが消えます!」とか、Googleグループでは「Outlook 2007 で送信メールの添付ファイルが消えてしまう」といった利用者の声を聞くことができる。

この問題について詳しく触れているのは、「Outlook 2003/2007でメールを送信すると添付ファイルが消えたり、WINMAIL.DATというファイルになる問題」と「Outlook 2007でWINMAIL.DATを絶対送信しないようにできる修正プログラム」とであろう。対処法としてMicrosoftサポートオンラインの記事に載っている方法では完全な回避はできないというブログ記事もあった。

使用しているOutlookがOutlook 2007 SP2であれば、レジストリを変更するのが(少なくとも私の周囲では)最も確実に効果を発揮する。Microsoftサポートオンラインの別の記事(KB958012)は、(1)修正プログラム957692をインストールしたのち(2)レジストリでDisableTNEFを追加するという方法を紹介している。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Office\12.0\Outlook\Preferences

にDisableTNEF(DWORD値)を追加し、値を1にする、というものだ。SP2では(1)の部分は必要なく、レジストリだけを変更すればよい。

Tags: PC

2009-08-26

Link 親指コウズィは1打で記号入力できる

先週末、親指シフト入力のエミュレーターをem1keypcから親指コウズィに乗り換えた。em1keypcは応答速度は抜群なのだが、日本語モードの取得に失敗することがある。かといって親指ひゅんQではOffice IME 2007の最上段キー入力に問題があるので、本ソフトにたどり着いた。

少し使ってみて、一部の配列がNICOLA準拠になっていないことに気がついた。たとえば「?」が入力できない。親指左+1で「?」が出力されるべきところが「!」になっている。設定ファイル(NOCOLA.kmp)を当たってみると、たしかにそのようになっている。NOCOLA.kmpは単純なテキストファイルなので、容易に編集できる。調べてみると、キーに対して任意の文字が割り当てられるらしい。

NIOCLA配列(J型)では、JISキーボードの右端の段はほとんど使わない。たとえば右Shiftキーの左側にあるバックスラッシュ(「ろ」)キーには何の割り当てもされていない。また、ハット(「へ」)キーも同様だ。そこで、次のようにキー定義してみた。

MVK_HAT=[―],[NONE],[★],[NONE],
MVK_YEN=[…],[NONE],[¥],[NONE],
MVK_LEFTCASEARC=[×],[÷],[*],[NONE],
MVK_BACKSLASH=[■],[▲],[●],[NONE],

こうしておけば、個人的によく使用する記号類が1打で可能になる。三点リーダー(…)や全角ダッシュ(―)がハイフンと同じ感覚で打てるのは気持ちがいい。「■」も、これまで「しかく」を変換していたのにくらべて入力しやすくなった。

追記。今のところ顕著に感じる親指コウズィの問題は、Excelの入力補完機能でEnterを押しても補完(オートコンプリート)が効かないことだ。単独打鍵による記号入力は実に快適で、ついでに←→も1打で入力できるようにした。

Tags: PC

2009-08-28

Link 逆効果な円グラフ

以下に掲げるのは某社のプレゼン資料だ。Micrsoft Dynamics CRMを売り出したいのだが、この3D円グラフは相当マヌケである。このグラフを見たら、どう見てもDynamicsよりSAPが目立つではないか。

画像の説明

グラフを悪用する例はよく見るが、グラフで墓穴を掘る例もあるみたいだ。

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2009-08-29

Link Realforceに骨抜きにされ、シグマA・P・Oに粉砕される

職場のキーボードをJISキーボードに変更しようと考えた。それまで私は、自宅でも職場でもキーボードに「FKB8579-661EV」(富士通コンポーネント)というUSB接続で小型の親指シフトキーボードを使ってきた。従来の仕事はそれで十分なのだが、最近はIBM 5250端末エミュレーターも使用する。このソフトウェアは機能キーや右Ctrlキーを多用するのだ。FKB8579-661EVでは機能キーが単独打鍵できないため、たとえばF20を押したければFn+Shift+8のようにキーを3つ同時に押さなくてはならない。また661EVは廃盤のため、予備を確保しておきたいことあった。

機能キーが付いた親指シフトキーボードとしては「FMV-KB232」があるものの、こちらは購入候補に入れなかった。キーボードの横幅が長い(456mm)し、後退キー・取消キーを押し込んだために右手小指の記号キー群やEnterキーが割を食っている。独特な配列のため、親指ひゅんQで一部のキー(読点など)が正しく入力できるかどうかわからなかった。さらには高い。実売価格が3万円近い。

通常のJISキーボードを選びつつも、親指シフト入力は行ないたい。そこで、「親指シフト化に適しているかもしれないJISキーボード」を参考に、適切なキーボードを探してみた。そうして、バッファローコクヨサプライの「BKBU-MCJ109Aシリーズ」(横幅459mm)と「BKBUJ109Mシリーズ」(横幅462mm)とを候補にした。どちらも横幅が長いのが気に入らないが、実売価格が数千円なのは魅力である。触り心地を確かめるため、新宿のヨドバシカメラに足を運んだ。

キーボードは地下1階の東館に陳列されている。売り場のいちばん手前の右手側に、小型のキーボードがあるのが目についた。テンキーがなくて私好みだ。ホームポジションに手を置いてみると、親指シフト入力で重要な役割を果たす変換・無変換キーの位置にも違和感がない。さらに実際打鍵してみると、感触がすこぶるよい。力を加えず滑らかに打鍵でき、これなら数時間つづけてキーを叩いても疲労が溜まらないだろう。商品タグに目をやると、それはキーボード愛好家には言わずとしれたRealforceだった。私が触ったのはRealforce91だ。人気は伊達ではないと思いつつ、当初の購入候補の棚を探す。

ヨドバシカメラにはBKBU-MCJ109Aはなく、BKBUJ109Mのみが展示してあった。キーを押してみる。メンブレン式にしてはタッチが軽く、不快感はない。ただ直前までRealforceを触っていただけに、落差を強く感じる。気を取り直して、今度はビックカメラに向かってみた。

Realforce 91UDK-G NG02B0 ビックカメラにもBKBU-MCJ109Aはなかったが、かわりにRealforceシリーズが充実している。特に目を引いたのは、ダイヤテックのRealforce 91UDK-G だ。Realforce 91UBKをベースにして、(1)CtrlとCapsLockキー、Escと半角/全角キーをハードウェア的に入れ替えられる(すばらしい)、(2)キーの押下圧が45g(従来は30g〜55g)に統一されている(よくやった)、(3)キートップにカナの刻印がない(悪くない)という仕様に、そのまま買ってしまいそうになる。思いとどまったのは、(a)店頭では一部キーに青い交換用キートップが嵌められていたのを標準仕様と勘違いしたのと、(b)隣に置かれていたRealforce106S(押下圧30g)の軽さには負けると思ったこと、(c)黒いキーボードにキーの刻印も黒いので読みにくいと感じたためだ。

DHARMAPOINT Dharma Tactical Keyboard 自宅に戻ってから、Realforceのシリーズについて調べてみる。そして、シグマA・P・Oシステム販売のDHARMA TACTICAL KEYBOARD(DRTCKB91UBK)が、上に挙げた(b)(c)の問題を解消していることを知る。「Resistance is futile.」というボーグの声が頭をよぎり、Amazon.co.jpで注文する。出費が当初予定から一桁増えた。Realforceに完敗だ。

翌日、DRTCKB91UBKが届いたのでさっそく試してみた。たしかに軽い。それはいい。しかし別のところに大問題があった。キートップに滑り止めの加工がなされていて、爪に当たると不快なのだ。たとえて言うと、黒板を引っ掻く感触に近い。爪が当たるたびに気分が悪くなる。開発元のシグマA・P・Oは、説明書の終わりに3ページにわたって「プロダクションノート」という能書きを垂れている。キータッチ云々を語る前にキーボードは接触デバイスだという事実を認識してほしい。この会社の製品は二度と買うまいと誓う。

このキーでは話にならないので、Happy Hacking Keyboard Professional JP用の交換用キートップを注文して填め込んだ。最下段のキーは形が違うので置換できないが、爪が引っかかることはないからよしとしよう。機能キーについては打鍵頻度が低いことだし諦めるしかない。ようやくまともなキーボードになった。

Realforce91 今回の反省は、親指シフトキーボードとして利用するなら素直にPS/2接続のRealforce91を買ったほうがよかったかもしれない、ということだ。突発的な高速入力に対する応答は、USB接続よりもPS/2接続のキーボードのほうがよい。一部の打鍵が追いつかないほど高速入力しているときは要するに調子のいいときだから、入力の取りこぼしは勢いを削いでしまう。ControlとCaps Lockとの切り替えなどは、ソフトウェアで行なっても特に支障はない。

Tags: PC

2009-08-31

Link 賃金とインフレーション

物価迷走 もう1か月ほど前のことなので記憶が薄れかけているのだが、神田慶司・原田泰『物価迷走――インフレーションとは何か』(角川oneテーマ21、2008年)は良書だった。手にとって読んでみてほしい1冊だ。

同書の中で、石油価格と物価の関係が出てくる。石油価格が合計4倍になった第1次石油危機当時は国内は「狂乱物価」と呼ばれ、CPIは23%も上昇した。しかし原油価格がさらに3倍になった第2次石油危機では7.8%の上昇にとどまっており、翌年度以降も4.0%、2.4%と沈静化している。そして2008年度は、CPIの上昇は1.2%にとどまった。これはなぜなのか。

著者の主張は「“第3次石油ショック”でも日本の物価が上がらない理由」(BizPlus)で読める。著者によれば、物価の決め手は賃金だと言う。

第1次石油ショックでは、石油価格が上がると同時に賃金も大幅に上昇した。すると需要もコストも増えてすべての物価が上がってしまった。第2次石油ショックでは、石油価格が上がっても賃金はあまり上がらなかった。インフレ率は、当時としては我慢できる程度に収まった。今回の石油価格高騰(第3次石油ショック)では、賃金はまったく上がっていない。

こうした説明を読んだときに思ったのは、最低賃金の引き上げはデフレ対策として有効かもしれないということだ。ただし、コスト増大を価格に転嫁できる土壌がないと、かえって雇用を狭める恐れもあるが。

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プロフィール

渡辺 慎太郎(na@10days.org)

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