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十日日記


2011-01-10

Link 政治算術

イギリス近代史講義 川北稔『イギリス近代史講義』(講談社現代新書、2010年)を読んだ。おもしろい。個人的に興味を持ったのは、「博物学と政治算術――近世の学」(p.96)からつづく一連の話題である。統計学の源流として政治算術(イギリス)、国状論(ドイツ)、確率論(パスカルとフェルマー)とが挙げられるが、前2つについてはよく知らなかったからだ。

政治算術という名前の命名者であるペティには、グラントという友人がいた。彼は『死亡表の観察』という書物を著し、その中でロンドンの人口を推計している。そもそも死亡表は1週間単位の死亡統計で、ペストの流行を発見するためのものだったらしい。当時はペストへの対処法がなく、ただ逃げるしかなかったそうた。グラントは、ペストの流行期以外の死亡率はだいたい安定していると考え、そこから人口を推測した。当時は人口が国力を表わすと考えられており、各国との比較において人口を勘定することには意味があった。

もうひとつおもしろいと思ったのは、ペティによる当時の1人あたり国民所得の比較である。それによれば、当時はオランダのそれが圧倒的に高く、イギリス、フランスと続く。一方人口はフランスが最も多く、イギリス、オランダの順になる。この理由をペティは次のように考察している。フランスのように農業が主となる国は平均所得が低く、当時毛織物産業を主力としていたイギリスのような国はまずまず、オランダは金融・サービス・海運業を中心としているため所得水準が高い。国民経済が進歩するに従って、中心となる産業も同様に変化していくだろう、という。これを「ペティの法則」というらしいのだが、まったく知らなかった。

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渡辺 慎太郎(na@10days.org)

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