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十日日記


2011-11-14

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トレードオフ ケビン・メイニー『トレードオフ――上質をとるか、手軽をとるか』(プレジデント社、2010年)を読んだ。著者の主張では、成功する商品のポジショニングは「上質」か「手軽」かの一方を追求したものだという。二兎を追おうとすると中途半端になり、一兎をも得ない不毛地帯に陥る。

「上質」で成功した商品が拡大戦略によって「手軽」へと進出する際には、まとったオーラが剥離しないための工夫が必要だ。たとえばAppleは、iPodのブランドが陳腐化する前にiPhoneを世に出した。「手軽」から「上質」への進出成功例は同書では挙げられていないが、たとえばユニクロによる機能性衣類(ヒートテック)の販売が思い浮かぶ。また、破壊的イノベーションの製品は一般的に手軽→上質の道筋をたどるだろう。

ただし、一方を追求したからといって成功が約束されているわけではない。上質では成功しなかった例として、IBMのUNIXであるAIXが挙げられている。AIXは同書によれば「極上」だが、.COMバブルの際にはSolarisに市場を席巻されてしまった。その後IBMはLinuxを採用し、手軽さを加えていく。私は必ずしもAIXが極上とは思わない(同じIBMならOS/400のほうが優れていると思う)のだが、同様な例としてNEXTの商業的挫折を想起した。

ところでIBMのLinux戦略については、夜間学校の第一四半期の講義で興味深い話を聞いた。IBMの技術理事だった講師の話では、IBMがLinuxを採用したのは対Sunであって、対Microsoftではなかったという。だから、Windows版に代わるLinux版のクライアントソフトを作成してほしいという顧客からの要望は断っていたそうだ。この講義では、3層アーキテクチャ提案の裏事情など、めったに聞けないIBMのビジネスの本音が聞け、非常に楽しかった。

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渡辺 慎太郎(na@10days.org)

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