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英英辞典読書録

2007|07|08|09|12|
2008|01|

2007-07-15 前口上

_ 「英英辞典読書緑」は、学習英英辞典を読書しているときに生じた考えの断片を記したものです。最初は反故紙に書きつけていたのですが、書いたそばから紛失するのでブログで記録していくことにしました。

対象となる書籍は、主にロングマンの『ワードワイズ英英辞典』(LWD)です。このほか、『ケンブリッジ英英和辞典』(CLD2ja)や『コウビルド英英辞典』(COBUILD3)、『オックスフォード現代英英辞典』(OALD6)、Oxford Dictionary of English(ODE)などを参照することがあります。最後のは学習英英辞典ではありませんが……。

LWDは引くための辞典として、それほどよいものとは思えません。動詞に自他の区別がないのは決定的に問題ですし、その動詞が二重目的語をとるかどうかなども一見しただけでは不明です。また、語義がイマイチだと感じる経験を何度かしています。

それでもLWDを使うのは、

  • 見出し語が12,000語しかないのでサクサク進む。
  • 文字が大きいので疲れにくい。
  • 語義を補う例文が潤沢で、特に会話調のものはおもしろい。

ことが理由として挙げられます。最後の点を補足しておくと、LWDでは1つの語義に対し例文を2つ3つ並べることが珍しくありません。そのため、語の運用を学ぶ機会が増えます。また会話調の例文が少なくないのですが、たとえばblackmailの項など

"End your relationship with her, and I might be prepared to forget about it." "Thats' blackmail!"

と、blackmailの語法とは全然関係ない部分で行を埋めていて、おもしろい辞書だなあと感じます。


2007-07-16 bridge、bring back、brunt

_ LWDのbridgeの語義は、他の辞典にはない記述がある(強調筆者)。

a special road that is built over a river or a busy road so that people or vehcles can cross the river or busy road(p.74)

混雑した道のbridgeというのは、歩道橋のことを指しているのだろうか。

bring back(1)の例文には

They should bring back the old system.

a vote on whether to bring the death penalty back

とある(p.75)。再導入するという意味だが、CLD2jaにはこの意味は載っていない。OALD6にもCOBUILD3にも載っているが、例文がすべて「死刑」の復活になっているのが興味深い。

Most people are against bringing back the death penalty. (OALD6)

The House of Commons is to debate once again whether to bring back the death penalty.(COBUILD3)

brunt(p.77)という単語は初見で、bear the brunt of sthの形で用い、批判などの矢面に立つという意味である。

The south coast bore the brunt of the storm.

CLD2jaにはtake/feelなどの動詞も挙がっているしOALD6にも載っているのに、『ジーニアス大英和』に用例が出ていないのは困ったことだ。


2007-07-17 bubble、bud、bulge

_ bubble(p.77)に動詞があるとは知らなかった。

When the water bubbles, put in the pasta.

「沸騰する」という意味では、boilやseetheがあるが、bubbleは簡単でいい。ちなみにLWDでは、pastaはなぜか頻出する。

感心したのはbud(p.78)の語義である。budというと『市民ケーン』の「Rose bud」が最初に頭に浮かぶので蕾ばかり想像していたのだが、花であれ葉であれ膨らみのことを指す単語らしい。以下の定義は簡潔で要領を得ている。

a young flower or leaf before it opens

「before it opens」とは恐れ入った。この明解さは、たとえばCOBUILD3などと比べてみるとよい。

A bud is a small pointed lump that appears on a tree or plant and develops into a leaf or flower.

かと思えば、bulge(1)(p.78)の語義は悪い。

a curved shape caused by something pushing against a flat surface

凹凸のどちらかなのか私には理解できなかった。他の辞典にあたって、ようやく膨らみのほうだと理解した次第だ。この単語は、辞典によって定義のしかたに変化がある。

Bulges are lumps that stick out from a surface which is otherwise flat or smooth.(COBUILD3)

a lump that sticks out from sth in a round shape(OALD6)

a round, raised area on a surface(CLD2ja)


2007-07-18 businesslike

_ pp.80-87を読む。Bの項が終わってCに突入したが、BはAに比べて初見の単語が多かった。Aのころは未知の単語は1ページに1個か2個だったのが、blあたりから倍以上に増えた。Cに入って、また元のペースに戻っている。

今回のページ範囲では、ふだん気づかずに使っているカタカナ語に何度か出会った。たとえばbuoy(ブイ)やbuzzer(ブザー)だ。buzzerがbuzz+erとは思考の埒外であった。なお、前者は/bOI/と、後者は/bVz@/と発音する。いま初めて発音記号にSAMPAを使ってみたが、あまり読みよいものではない。

同じカタカナ語でも、ずいぶんと印象の異なる語もある。businesslike(p.81)がそうで、日本語で「ビジネスライク」というと素っ気ない感じがして褒めているようには感ぜられないのだが、LWDの語義には

sensible and practical in the way you do thing

のようになっていて、そんなに悪い感じがしない。他の辞典を当たってみても、

working in a serious and effective way(CLD2ja)

working in an efficient and organized way and not wasting time or thinking about personal things(OALD6)

efficient, practical, and systematic approach to one's work or a task(ODE)

のように「能率的」「仕事きっちり」みたいな感じで、藤本義一が福屋工務店を英語で褒めるときに使いそうだ。ところで『ジーニアス大英和』を見ると、ちゃんと「『冷たい』という含みはない」と書かれていた。元学習英和辞典の面目躍如だなあ。

このような語法的注意としては、can(p.87)にも注目したい。「過去に実現した一度きりの事柄にはcanではなくwas/were able toを用いる」というのは高校時分に習うことだが、LWDには加えて次のように書かれていた。

use be allowed to to talk about permission on one particular occasion in the past

と、許可に関することでも同様の注意が必要というわけだ。この点を記している学習参考書はあっただろうか。まあ、ふつうは間違えないか。

例文では、bus(p.81)の項目に出ていた

I usually catch a bus to college.

が目を引いた。これは"I usually go to college by bus."と同義だが、catchの目的語のあとに目的地を示した書きかたをしたことがなかった。交通関係の例文としては、

This train calls at all local stations.

を憶えたい。新幹線の車内放送では、途中駅の停車はいつも「make a brief stop」だった。

butt(p.82)では、

1. the person that ohter people often make jokes about

2. your bottom

3. the end of a cigarette after it has been smoked

の3つの定義が挙がっている。あと2つは同じ語源だが、最初の「物笑いの種」という語義はフランス語由来だから別見出しを立てるべきかもしれない。興味深いことに、OALD6もCLD2jaにもこの意味では掲載されていなかった。

まったくの初見だった単語としては、動物が穴を掘るという意味でのburrowなどがある。多くの辞典で、例文の主語はウサギであった。


2007-07-19 「家政婦は見た」のcatch

_ pp.88-97。cesarean(p.95)の語義に"another spelling of caesarean"と書いておきながらcaesareanの項がない。この語(帝王切開)は行方昭夫『英文快読術』の中で、とてつもない誤訳の例として挙がっていた。モームの小説だったと思う。モームと言えば『サミング・アップ』をこのまえ読んだが、そんなによいだろうか。人生哲学についてなら『菜根譚』でも読んでいるほうが得るところは大きい。

ページの順を追って見ていくと、まずcanvass(p.88)がすっきり訳せない動詞である。

to try to persuade people to vote for your political party in an election

というわけで「投票をお願いする」活動であるらしい。

前置詞の用法を再確認したのはcarve(p.91)の例文だった。

The statue is carved from marble.

「made of」「made from」の前置詞だが、原石から彫刻を作るような際にはofではなくfromを使うのかと認識を新たにした。

catapult(p.92)というと投石器を思い出してしまうのはファンタジー小説の名残だろう。発射させるいう動詞から、道路への飛び出しにまで使えるようだ。(訂正。思いっきり嘘を書いている。下の文は、急ブレーキのために子供を「発射」させてしまったということだ。)

The car stopped suddenly, catapulting the boy trough the window.

catch(p.92)は超がつくほどの基本動詞であるものの、思わぬ語義が書かれているし、知らない句動詞もある。たとえばcatch(4)の

to see someone doing something wrong: I caught him reading through my letters.

での「something wrong」の意味があったとは知らなかった。市原悦子が「まあ」といいつつ眺める様を想像する。また、catch fire(失火)、catch on(はやる)、catch out(見破る)は熟語自体の知識がなかった。

The boy was far too clever to be caught out by his father's questions.

cater(p.93)は「ケータリング」と日本語の文脈でも使うのに、もともとの動詞には至って無頓着であった。この単語は自動詞で、賄ったりもてなしたり、広い意味で「応じる」という感じだ。

We chose the hotel because it caters for small children.

そのほか得た知識は主に名詞で、cavalry(p.93、騎兵)、cemetery(p.94、共同墓地)などなど。chant(p.97)はシュプレヒコールを上げるような動詞だが、ちゃんと憶えられるだろうか。


2007-07-22 chicken pox、chipmunk、choir

_ pp.98-105。まずはcharter(p.98)にのけぞる。

a statement of the beliefs, duties, and purposes of an organizain:

で「憲章」という意味があった。私は「チャーター便」の意味しか知らなかったのだが、そちらも同様に誤解していた。charter flight(p.98)

a flight that you buy from a travel company, ant that is often cheaper than a flight you buy directly from an airline

で、旅行代理店がやっているものをそう呼ぶらしい。

お抱え運転手のchauffeur(p.99)は明らかにフランス語由来。checkup(p.100)は英和辞典などには「健康診断」とあるが、「検診」もいいかもしれない。病気といえばchicken pox(p.101)で、

an illness that children get, that causes a fever and red spots on their skin

病名は、学習英英辞典を読んでも意味に確信が持てない典型例だろう。上では私には麻疹か水疱瘡かがわからない。ODEは日本でいう『広辞苑』や『大辞林』といった国語+百科みたいな辞典だから、こういう語義は詳しい。

an infectious disease causing a mild fever and a rash of itchy inflamed primples which turn to blisters and then loose scabs. It is caused by the herpes zoster virus and mainly affects children. Also called varicella.

というわけでヘルペスウィルスだから水疱瘡なわけだ。ちなみに麻疹はmeasles。

ところで牛はox/cowなのに牛肉はbeefになるのはノルマン人征服のためといった話が旧所名跡のごとく語られるが、chickenは鶏も鶏肉も表わす。鶏は被支配層だった英国人も食べていたのだろうか。ブロイラー導入以前は高価で、戦前の縁日に出てくる「焼き鳥」はほとんど豚肉だったという話も聞くが。

chipmunk(p.102)も、語義では何の動物かわからなかった。

a small brown animal like a squirrel, that has black and white lines on its fur

リスに似て縞模様がある動物とは何だろうと思って英和辞典を引くと、何のことはないシマリスだった。ぜんぜん違う単語になるのでぃすね。

もうひとつ、choir(/kwaI@/、p.102)も気になる単語だ。

a group of people who sing together

で、これはchorusとどう違うのだろう――と思ったのだが、LWDには合唱団という意味のchorusは載っていなかった。CLD2jaを引いてみると、

choir a group of people who sing togerther

chorus1(2) a large group of people who sing together

で、規模の違いを窺わせる。OALD6はさすがというか、

choir a group of people who sing together, especially in church services or public performances

としていて、choirには公的な含みがある点を付け加えている。この語は発音が難しいが、学習英英辞典には「発音注意」のマークがあっただろうか。

今回いちばんハッとさせられたのは、civil(1)(p.104)の語義だった。

not connected with military or religious organizations

軍や宗教団体と関わらないのがcivilか。軍だけでなく宗教団体も入るところが味噌だ。

clash(p.105)の基本語義は「ぶつかる」ということなのだが、服が似合わないとか予定が重なるという場合にも使用する。

That tie clashes with your shirt.

The concert clashes with my eventing class.

今回は英国英語もよく目にした。chat show(p.98)は「トーク番組」、chemist(p.100)は「薬局」、chip(p.102)は「フライドポテト」で、ポテトチップスではない。


2007-07-24 click、clique、club

_ pp.106-111。閉所恐怖症のclaustrophobia(p.106)を知っていたのは、DS9のガラックがそうだったから。

今回は例文から得るところが大きかった。clay(p.106)が典型的で、

He made a figure out of clay.

のように前置詞の使い方だとか、click(p.107)の例文にある

The door clicked open.

のようにclick音がドアに使えるとか。clickの例文はCLD2jaでもドアだった。英和辞典の「カチッ」という訳語では思い至らない例文だろう。もっとも、『リーダーズ』は「ガチャッ」という訳語も載せている。英英辞典を読書しはじめてから『リーダーズ+プラス』の株が上がりっぱなしだ。

このほかp.107では、胸の谷間のcleavageとか、聖職者のclergyとか、顧客のclienteleとか、自らの語彙不足を痛感させられることが多かった。

clingfilm(p.108)には

thin clear plastic that is used for wrapping food

とあって、米国商標では“SARAN WRAP”というではないか。サランラップは国産の製品で「皿」とかけているのかなと思い込んでいただけに、ちょっと驚く。そういえば昨日、米国で「雪見だいふく」がMochi Ice Creamとして人気を博しているという記事をどこかで読んだ。

clique(p.108)も、該当する日本語がすぐには浮かんでこなかった。

a small group of people who know each other well and are not very friendly to other people

「ムラ」という日本語が頭をよぎったのだが、英和辞典に「派閥」とあり素直に納得。ただし政党の派閥の場合には、“Mori's faction”(森派)のようにfactionを使うのが通例のようだ。

生活関係では、clothesline(洗濯紐、p.109)、clothes peg(洗濯ばさみ、p.109)のように、日本語で「洗濯」にあたる語が英語では“clothes”になるところが少しおもしろかった。

club(p.110)は動詞でお金を出し合うという用法が主に英国で存在する。

We all clubbed together to buy him a leaving present.

また、トランプのスーツのクラブは棍棒であってクローバーではないのだが、語義には

a group of playing cards with black shapes like rounded leaves on them

と書いてある。誤解されるのは致し方ないところなのか。


2007-07-25 collarbone、colossal、combat

_ pp.112-116。collarbone(p.112)は

one of two bones that go from the ase of your neck to your shoulders

で「鎖骨」。英語をカタカナにするときには、しばしば発音を無視して文字に合わせる(たとえばcomfort /kVmf@t/ をコンフォートとしたり)のに、なぜcollarは「カラー」と米音に則ったのだろう。

colossal(p.113)はまったくの初見。

very big

と素っ気ない定義だが、おそらくロドス島の巨像(Colossus of Rhodes)と同語源の単語なのだろう。『新ロードス島戦記』は駄作でしたね。

combat(p.113)というとベイト剤かサンダース軍曹が思い起こされるが、

to try to stop something bad from happening or getting worse

とあって、

What is the best way to combat crime?

と例文がつづく。なんと日本語にすべきだろうか。「犯罪を阻止する」「犯罪に立ち向かう」?


2007-07-27 commission、commotion、compelling

_ pp.117-119。commendable(p.117)は

It is commendable that you want to help.

で、「賞賛に値する」「立派」くらいか。同ページではcommission1(2)が知らなかった。

money that a person or organizaion is paid when they sell something

これだけ見ると販売に対する成功報酬のように見えるけれども、例文は手数料のようになっていて、違和感を受ける。

The bank charges commission for cashing traveller's cheques.

他の辞典を見てみると、COBUILD3やOALD6では語義を分けている。以下はCOBUILD3の例で、これは理解しやすい。

3. Commission is a sum of money paid to a salesperson for every sale that he or she makes. If a salesperson is paid on commission, the amount they receive depends on the amount they sell.

4. If a bank or other company charges commission, they charge a fee for a providing a service, for example for exchanging money or issuing an insurance policy.

commotion(p.118)は語義が

sudden noise or activity

とあって、まさに「騒動」という訳語がピッタリだ。また、company(2)の例文は私には書けないもので勉強になった。

I really enjoy his company.

「彼といると本当に楽しい」という日本語から上の文を生み出す自信はない。

compel(p.119)は「人+to 不定詞」をとる動詞だが、LWDは重要語彙以外は動詞型を記していないから、例文を見て判断しなくてはならない。見出し語を減らすのはともかく、文法説明まで簡略化するのはどうかと思う。ともあれそんなことを言いたいのではなく、compelが「強制する」動詞であるのに対し、compelling(p.119)がよい意味の単語だったので驚いた。

1. very interesting or exciting

2. a compelling argument, reason etc is one which you can believe or accept because it is probably correct

前の意味は「読ませる」みたいな感じだろう。2の定義は、OALD6ならもっと短い。

that makes you think it is true

例文もほしいところだ。COBUILD3の例文は下記のとおりだった。

Factual and forensic evidence makes a suicide verdict the most compelling answer to the mystery of his death.

初心者にCOUBILDを薦める人がいるが、上のような水準を考えると妥当なのだろうか。forensic evidenceは『ジーニアス大英和』には「犯罪学的証拠」と出ているけれども、さて。


2007-07-28 complacent、comprise、concerned

_ pp.120-122。compilation(p.120)はcompileの名詞形だったのか。まったく気がつかなかった。

complacent(p.120)は

too pleased with what you have achived so that you no longer try to improve

とあって、中途半端に満足するということ。もっと適切な日本語があったと思うのだが、思い出せない。

composer(p.121)はふつう「作曲家」と訳すが

someone who writes music, especially classical music

とあるように、ちょっと重みのある言葉らしい。それなら一般の作曲家は何と呼ぶのかという話になるけれど、何だろう。song writerだろうか。

comprise(p.121)はconsist ofの意味だが、例文に注目。

The club comprises myself and twelve other members.

とある。CLD2jaには「((受け身で))構成される」と書いてあって、

The orchestra was comprised of amateur and professional musicians.

という例文が上がっている。いっぽう能動態の例文として

Women comprise 15% of the police force.

が続く。つまりOLD2jaの言い分では、A comprises BはA∈Bの関係、A was comprised of BではA∋Bの関係にあるというのだが、それは誤りだろう。COBUILD3もOALD6もODEも、A comprises BでA∋Bになっている例文を挙げている。

The collection comprises 327 paintings. (OLAD6)

The country comprises twenty states. (ODE)

The special cabinet committee comprises Mr Brown, Mr Mandelson, and Mr Straw. (COBUILD3)

concentrated(p.122)には「濃縮果汁」の「濃縮」という意味もある。

a concentrated liquid is thick and strong because it does not contain much water

concerned(p.122)を「関係している」という形容詞で用いるときには、

The fire has been a very upsetting experience for everyone concerned.

のように名詞に後置する。ということもLWDには書いていないわけで、定義に

the people conerned are the people...

という定義をしている。CLD2jaのように「never before noun」と書いたほうが親切だろう。peopleにかかる分詞は、一語であっても後置させることが多いから、定義を読んだだけでは「前置しないこと」を意識できないかもしれない。

The people singing were students. 安藤(2006、p.234)

“singing people”ではダメなのかと聞かれることがあって、そりゃダメなことはないかもしれないけれども、「狩猟民族」(hunting people)みたいな感じで歌って暮らしている集団みたいなものを私は想像してしまうなあ。


2007-07-30 concession、concrete、condone

_ pp.123-125。concession(p.123)には

something that you agree to in order to end an argument

とあって、これは紛れもなく「譲歩」の意味。ただし、この定義だけでは

a concession to develop oil fields in the north (CLD2ja)

の例文は説明できないだろう。concessionには、(官から与えられた)免許なり権利なりという意味もある。

たまたまNOTE(New Oxford Thesaurus of English)の同項目を引いてみたのだが、けっこうおもしろいし例文も載っている。Thesaurusの読書は語彙増強に役立つかもしれない。そういえば私が辞典類を愛読するようになったのは『分類語彙表』という類語辞典がきっかけだった。

concise(p.123)は『コンサイス外来語辞典』を手にして以来、ずっと強勢を誤って憶えていた。/k@n'saIs/でうしろを強調する。

concrete2(2)(p.123)ふつう「具体的」と訳すと思うが、定義や例文を読むと、ちょっとずれている場合もあるようだ。

based on facts: We need concrete evidence before we accuse him of stealing.

CLD2jaには「確実な」とうまい訳が添えてあった。CLD2jaの訳語は変な方向に行く(前回の記事を参照)こともあるが、独自性は評価したい。もうひとつOLD2jaで感心した訳語があって、それはconfront(2)(p.125)である。LWDには

if you confront someone, you talk to them and try to make them admit they have done something wrong

とあるconfrontに「詰め寄る」という訳語をあてたのは見事だ。

condone(p.124)は

to allow or accept behaviour that most people think is wrong

という定義。連鎖関係詞を使うか。CLD2jaの定義では“most people think”がない。ざっと見たところではOALD6の定義がよい。

to accept behaviour that is morally wrong or to treat it as if it were not serious

ODEには“often with negative”とある。たしかにLWDの例文も否定文だ。

同ページにはcondoneのほかにも「formal」のついた語があって、「振る舞い」の意味のconduct2とか「学位などを授与する」という意味のconferとか。

なぜconfidential(p.124)が「秘密」の意味をもつのか疑問に思っていたのだが、confide(p.124)という動詞を見て謎が解けた。

if you confide in someone, you tell them a secret

confiscate(p.125)は

if someone in authority confiscates something, they take it away from you

とCOBUILD流のif節定義。CLD2jaはそうはしていないが、

to take something away from someone, especially as a punishment

の後半部分の付加説明がよい。(もっともCOBUILD3もOALD6も記述しているが。)「押収」や「没収」という訳語があてられるだろう。conform(p.125)は、単語を分解して眺めれば想像がつくような語だ。


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